「昼ドラ」といえば、男女のドロドロ愛憎劇! しかし、現在放送中の星野真里主演『シンデレラデート』(東海テレビ)が掲げるのは、「史上最高にキュートなヒロインに出逢えるラブストーリー」。ドロドロではなくキュンキュン、愛憎劇ではなくラブストーリーであるかのようなイメージを受けますが、果たしてその実態とは?

ティダアパアパ男(=結婚してても気にしないヤツ)にご用心!

星野真里演じるヒロインの真琴は、結婚10年目の人妻。職業は高校教師です。相手役を務めるのは、『失恋ショコラティエ』で石原さとみ演じる紗絵子の夫・吉岡役の眞島秀和。『シンデレラデート』での役どころは新聞記者・結城です。二人の出会いは、日本を遠く離れたジャカルタでした。結城が人妻である真琴に、熱烈アプローチを仕掛けていくところから物語は始まります。

真琴が、自分は人妻である事実をカミングアウトしているにも関わらず、「ティダアパアパ」(インドネシア語で「気にしない」という意味)でグイグイ迫ってくる結城。いやいや、相手には夫がいるのですから、気にしないわけにはいかないでしょう!

これが、ドラマの中だけの話と思ったら大間違い! 私たちが生きる実生活の中にも、結城のような「ティダアパアパ男」は存在します。既婚女性、もしくは今の恋人と結婚前提でお付き合いしている皆さんは、どうかご用心ください。「ティダアパアパ男」があなたに言い寄るのは、結城のように純粋な愛情ゆえか、はたまた略奪愛というスリルに興奮を得るタイプなのか……理由はそれぞれでしょうが、いずれにせよ平穏な幸せをかき乱される危険性を秘めています。

拒み方ですが、「私はあなたに恋愛感情を持てない」という意志を明確に伝えることが大事です。「自分は人妻だから」とか「結婚を考えている恋人がいるから」など立場を理由にすると、「ティダアパアパ」(気にしない)で乗り切られてしまうので。

不倫を推奨する女友達にご用心!

ヒロイン・真琴の親友役として登場するのは雛形あきこ演じる養護教諭のひとみ。このひとみが、道ならぬ恋を前に足踏みする真琴の背中をグイグイ押します。連絡する気はないと宣言する真琴に対して、内心気になっているのだろうと核心を突いてきたり、敷かれたレールの上を走る電車のような人生よりも、もっと自分の思うままに生きてもいいのではないかと、もっともらしい言葉を投げかけてきたり……。

聞き上手な女友達は、話しやすいという意味では頼りになるでしょうが、普通の恋バナならまだしも、不倫相談をするには相応しくありません。昼ドラ視聴者からも、「ひとみはどうして不倫を推奨しているのか?」「やたらとけしかけるひとみ。怖いよ」など、疑問の声が多数挙がっています。

現在、不倫中の人は、相談する相手をくれぐれも間違えないようご注意ください。逆に、女友達から不倫相談を持ち掛けられた場合も、ノリと勢いだけで倫理に反するようなアドバイスをしてしまわないよう、自分の発言には責任を持ちましょう。

稼ぎが良い夫を持つには「代償」も

真琴の夫・健吾(陣内智則)の職業は建築家。仕事が忙しく、東京と大阪を行き来する日々です。忙しいからといって家庭を顧みないわけではなく、念願の一軒家として、かなりの豪邸を自ら設計するあたり、建築家の夫らしい優しさといえるでしょう。

筆者が気になったのは、真琴の実父が危篤のシーン。真琴は、大阪に出張中の夫に、今すぐ戻ってほしいと電話します。しかし夫から返ってきたのは、「無理だ」のひと言。真琴は、電話口で「お父さん、このまま意識が戻らないかもしれない」と泣きじゃくりますが、夫は「じゃあ僕が行ってもわからないんじゃ……」と、口を濁らせます。

「だから来てくれないの?」
「そうじゃない、仕事なんだよ」
「……いいです、お仕事頑張ってください」

そして、病院に駆け付けたのは、夫ではなく「ティダアパアパ男」! 「ティダアパアパ男」の胸に顔を埋めて泣き崩れる真琴。このシーンに関しては、インターネット上の昼ドラ愛好家の意見が真っ二つに別れました。まずは、「人の生命がかかっているのに、よく仕事優先できるよね、行ってあげろよ」「仕事も大事だけど、人の最後にはたちあったほうがいい」など、真琴に同情的な意見。そして、「仕事じゃ仕方ない。死に目にあえないことのほうが多い」「ホイホイ仕事抜けられないだろう」など、夫に同情的な意見。

どちらが正しくてどちらが間違っているとは、一概には言えませんが、筆者の個人的な見解では、建築家というステータスのある夫を選んだのだから、仕事優先になるのは当たり前のように思います。「仕事もできて、なおかつ家族の時間も大切にしてくれる夫」だなんて、そんな都合のいい男性は滅多にいないはず。仕事ができて稼ぎのいい男性を望むなら、パーフェクトな家族サービスは期待しないほうが無難でしょう。

以上を踏まえると、不倫は決してキュンキュンにはならず、所詮ドロドロなものであると、再認識させられます。不倫という愛憎劇に嵌らぬように気を付けたいものですね。恋愛するなら、未婚同士のラブストーリーを目指しましょう。

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(菊池美佳子)