ユーザーから投稿された「キニナル」情報を検証すべく「はまれぽ」が体を張って調査!

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今回のテーマは…

<横浜のココがキニナル!>
六ツ川の「プロレス道場」という居酒屋さんがキニナル。料理やドリンクの名前がプロレス技になってる? (山下公園のカモメさんのキニナル)

プロレスにどっぷりハマれる居酒屋

「うーん、とても入りにくい・・・」正直、それが最初の感想ダァッー! 

平戸桜木通り沿いに熱血漢溢れる真っ赤な看板、「ストロング居酒屋&Dar プロレス道場」の文字が浮かぶ。京浜急行線、弘明寺駅から徒歩10分の立地ダァッー!

Barではなく「Dar」と書いてあるので、お店のコンセプトと雰囲気を想像し、このようなテンションでいってみようと思ったが、重い茶色の扉を前に尻込んでしまった。居酒屋さんではなく、本物の道場かと思うような扉だ。

一体、店内はどんな様子なのだろうか。

テンションを元に戻し、「プロレス道場」へ踏み入ってみる。

「いらっしゃいませ!」と笑顔で迎えてくれたのは、横井店長。そして、目の前にはリングロープ。

「上司と部下と来たときなどは、こんな風に部下がロープを広げてエスコートし、コミュニケーションが始まるわけですよ」と早速、店の楽しみ方を教えてもらう。

「女性はセカンドロープの下からどうぞ」と横井店長。
いざ、取材現場へリングイン!
 

店内は、テレビ、ポスター、サイン、サンドバック、壁を埋め尽くすビデオと目に飛び込んでくるものすべてがプロレス一色だ。この雰囲気に気分が高揚してくる。

まずは横井店長に開店の経緯をうかがおう。

プロレス道場の開店は2001(平成13)年5月。開店にこぎつけるために苦労があり、骨を折っていたという。

プロレス好きの横井店長は、多くのプロレスビデオを持っていたこともあり、26歳の1993(平成5)年に独立し、この場所でレンタルビデオ店を開業した。その後、近場に大型レンタルビデオ店ができ、経営が厳しくなったこともあり、「自分にしかできない店」を作ることに踏み切った。その後ローンを組んで開業資金を捻出し、「プロレスファンが交流できる飲み屋さんがあったらいいなという自分の思いを形にした」と語る。

敬愛するアントニオ猪木さん(ちなみに鶴見区出身)が1998(平成10)年4月4日に引退したことから、その日に開店の照準を合わせていたが、横井店長が内装の準備をしている途中、店内で足を骨折し、1ヵ月遅れの5月の開店に至ったそうだ。

店内には昭和プロレスファンが泣いて喜ぶ懐かしのビデオが並ぶ。

お客さんの一番人気は、「10.9武藤敬司VS高田延彦」戦だとか。

これらの貴重なプロレスビデオは、自身のコレクションと、レンタルビデオ店時代の宝だった。

「遠方から足を運んでくるお客さんもいて、ありがたいです。気軽に仲間と語り合ってほしい」といいながらも、「オープン当初は、誰でも入れる店よりは、いかに入りにくいかというコアな店を目指して作ったんですけどね」と笑う。

そんな横井店長にプロレスを愛するきっかけを聞いてみると、意外な返答だった。

「今はおしゃべりですけど、子どものころは背が高いだけの無口な少年で、いじめられっ子だったんですよ。猪木さんみたいに『なんだ、コノヤロー!』って言ってみたくて、憧れでした。僕のヒーローです」としんみりと振り返る。
 

「テレビでおばあちゃんがプロレスを見ていたのがきっかけ。戦後にテレビが普及し始めて、おばあちゃんは力道山に釘付けになっていたそう。

兄弟を戦争でなくしているから、当時は力道山がアメリカ人をやっつけて仇(かたき)を取ってくれているような思いで応援していたみたいです」

プロレスには、時代背景や人それぞれの思いが込められていると改めて思う。「プロレスは喜怒哀楽が含まれる、人生の縮図」と横井店長。
 

プロレスは相手の技を受け止める、信頼関係がないとできないんですよ。受け身は思いやり。

昔は馳浩(はせひろし)さんと対戦したいプロレスラーが多かったそうです。馳さんは、自分の必殺技を全部やらせてくれて受け身をとってくれるから、自分が強く見えるんですって。だから、技をかけている方だけでなく、受け身の方も見てくださいね」

横井店長からプロレスの魅力を聞いた後で、ビデオ放映されている試合や店内を見渡すと、男のロマンに溢れた店なのだと、また違う印象が芽生えてきた。
 

そんな話を聞き、せっかくなので横井店長にプロレス技をかけてもらうことに。軽めの「コブラツイスト」だ。

「いたたた!」と騒ぐ筆者。しっかり受け身の姿勢が取れず、抵抗しようとする筆者は人生、まだまだのようだ。

■ネーミング負けしていないメニュー

さて、プロレス道場は居酒屋さんなので、試合を見て語る、お宝グッズに触れるだけでなく、もちろん食事を楽しめる。

ここでは、くすっと笑えるメニューを堪能したい。

メニューの一例を紹介すると、「前田vsアンドレ ベー魂(こん)〜前田が切れた! 伝説の裏試合! ブチ切れているオリジナルベーコン〜(700円)」。
これは大口にざっくりと切れている焼きベーコンだ。

ほかに「坂口ソー征二〜北米の味は魚肉チョリソ! 食っちゃるけん!〜(500円)」。

「ENOKIBOM-BA-YE〜えのきバターのレモン添え〜(400円)」など。

横井店長が考えた、プロレスやレスラーにちなんだダジャレメニューが並び、プロレス好きなら話のネタが尽きないだろう。レスラーや技の名前から、メニューを想像して待つ時間もわくわくする。
 

カクテルなどのドリンクメニューも、個性的。

「ミルク・クロコップ」、「テキーラ・カーン」、「エル・サムライ」、「古館イチゴウ〜オーット! 〜これは甘いですよ、山本さん!〜」各700円など昭和プロレスを愛した人も喜ぶ、往年の名もちらほら。
 

先日亡くなられたプロレスリング・ノア所属のリングアナウンサー、仲田龍さんがプリントされたグラスもある。

仲田龍さんに「とてもお世話になった」と話に花が咲く。

そろそろお腹がすいてきたので、特にキニナル、メニューを注文した。実際の味わいはどうなのだろうか。

まず、運ばれてきたのは「有刺鉄線電流爆破チキン(700円)」。

その名の通り、チキンの上で有刺鉄線がとぐろを巻いている。鉄線に目がいくが、タレのしたたるチキンが美味しそうじゃないか!

「まわりに飛んでいるタレは血しぶきをイメージしています」
「え・・・」

血しぶきか・・・

一瞬、ためらったが、柔らかい辛味が衣に染みていて後を引く。ジューシーだが、ベタベタするような脂っこさはない。

プロレスラーは高たんぱく、低脂肪の食事を心掛けているので胸肉で作っているんですよ」の言葉に納得。

もう1品は「ササミ健介(550円)」(引退を表明したばかりの佐々木健介選手にあやかったネーミング)。

おかずとしても、日本酒系のつまみにも合いそうな逸品だ。

こちらは、鶏のササミの上に乗った、梅とシソ、刻み生姜がアクセントに。こってりとした体育会系のメニューを想像したが、どちらも上品な味わいであった。

「女性も食べやすいメニューですね」と言うと、「最近は新日本プロレスのイケメン選手の影響もあり、プロレス好きの女性が増え、お客さんにも多いんですよ」と意外なひと言。

驚くことに、この店で知り合いカップルになるお客さんが多いという。「プロレスの話で盛り上がって、いっしょに観に行きましょう! という流れになるからトントン拍子ですよね。プロレスファンの出会いの場でもあります。もう10組くらい結婚しているんですよ」と店長は笑顔を見せる。
 

ここでは「道場シート」との名で、お客さんとプロレス観戦に出向いたり、チケットの販売なども行なっている。「友達を作る感覚で来てもらってもいいですし、プロレスがよくわからなくても大丈夫」と横井店長。

プロレスの入口としても、気軽に利用してみてほしい。

■取材を終えて

話が結婚について及ぶと、「プロレスも結婚も同じ。受け身ができなくなったら終わりですよ。受け身は思いやり」と奥深いひと言。ちなみに、お店を手伝っている女性店員は横井店長の奥様だった。

プロレス道場」と聞き、どんな熱血漢のあふれる店かと思ったが、ロマンとユニーク、愛に溢れるお店であった。
 

プロレス道場
住所/横浜市南区六ツ川1-341べイシティムツカワ1F
電話番号/045-713-9674
アクセス/京浜急行 弘明寺駅より徒歩10分
営業時間/19時〜翌1時 (日曜祝日のみ0時)
定休日/観戦などにより不定休
 

※本記事は2014年3月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。

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