「小銭が足りないからまけてくれ」迷惑な男性客にコンビニ店員はおどおど──その時、1人の客が!?

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迷惑客によるお店でのトラブル。手助けしたいと思っても、客が声をあげるのはなかなか難しいことですよね。今回は筆者が実際に目撃したコンビニでの出来事です。高齢の男性客から無理なお願いをされ、困り果てた店員。そんな時、一人の男性が現れて……?

持ち金が足りなかった男性客

私がコンビニの店内をうろうろしていると、なにやらレジから大きな声が聞こえてきました。

「今回だけは老人の頼みを聞いてくれないか? 少しくらい大丈夫だろ?」

「お客様、困ります!」

何事かと思って遠くから見てみると、高齢の男性客と店員が言い合いになっていました。どうやら男性客は小銭が足りなかったようで、「まけてくれ」と店員に無理を言っていました。

店員が「できません!」と言っているにもかかわらず、「頼む!」と必死に手を合わせてお願いする男性客。これはかなり厄介なことになりました。

困り果てる店員、店内は騒然

「えっ、あの客なんなの?」

「店員さんかわいそう」

店内にいた他の客がざわめき始めます。でも、トラブルに巻き込まれたくないからか、誰一人止めに入る人はいません。

「面倒なことになりたくないから、他の店に行こう」

そう言って客たちは次々に外へ出て行きました。店員さんがかわいそうだと思いつつも、私もとばっちりを受けたくなかったので、何も買わず店を後にしようとします。その時でした。

ヒーロー登場

「おい、まだかよ? こっちは急いでるんだよ。金がないなら買えない。それだけだろ、じーさん?」

男性客の後ろに並んだ大柄の男性が、痺れを切らして迷惑客にこう言いました。

「な、なんなんだ。お前は! 若者のくせに偉そうな口を叩くな!」

「人生経験豊富なら分かるよね? 店も商売なんですよ。じーさんだけに特別扱いはできねーの」

彼のぶっきらぼうなもの言いに怖気づいたのか、迷惑客の肩はブルっと震えあがりました。そして「もうこんな店、来てやらんからな!」と走って店から逃亡したのです。

「いつまでたってもああいう奴はいなくならないんだよな。店員さんいつもお疲れ様です」

彼は店員さんにこう言うと、ニコッと笑いかけました。店員もホッとした様子で「助かりました。本当にありがとうございました」とお礼を言います。

そのやり取りを見ていた私は、「この人はまるでヒーローだな」と心から感動したのでした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。