次に流行るのは「ショートドラマ」 SNSマーケのプロが語るトレンド傾向とは

写真拡大

 最近のSNSを見ると、企業発信のショート動画が増えていると感じていませんか? 中でも「ショートドラマ」に注目が集まっており、今後はさらにトレンドが加速するかもしれません。

 そこで今回は、企業のSNSを中心としたデジタルマーケティングを支援するDiffuseの代表取締役である島田貴行さんに、ショートドラマのトレンドや人気の傾向、オススメのショートドラマ作品についてお話を伺いました。

■SNSでショートドラマが流行っている理由とは?

 動画が配信されるSNSでは、ただのショート動画ではなくストーリー性のあるショートドラマが流行っているようです。その理由にはどんなことがあるのでしょうか?

「2つあると考えます。1つはZ世代の影響。長時間の動画視聴を避ける傾向があり、YouTubeなら2倍速で“見る”のではなく“聞く”という、いわゆるタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する価値観が強くなってきていると感じます」

「もう1つは、企業のマーケティングとの調和性。普通のショート動画では、コンプライアンス上の問題で攻めた企画やできない表現があるなどの制約がありますが、ショートドラマなら架空の世界なので実現しやすいところがあります」

 実際、企業からのニーズも増えているそうで、「もはや、普通にショート動画を作ってSNSに公開したところで数字が伸びないのが実情です。そこで、次の時代の先駆者になるべく、続々と多くの企業がショートドラマを取り入れ始めています」とのことです。

■人気のショートドラマの傾向とは?

 ショートドラマを作って公開しても、必ずしも多くのユーザーに視聴してもらえるとは限りません。では、どんな作品が人気を集めているのでしょうか?

●共感を呼ぶ現場の社会問題を取り扱ったもの

「弊社の『マジクソかんぱにー』というTikTokアカウントでは、基本的に社会問題、例えば働く中での理不尽さや差別などをリアルに描いています。その中で視聴数が高いのは“共感”できるもの。社会人なら一度は経験している出来事を描くことで、共感を呼んでいます。そして、“現場で悩まれている社会問題”であるという点。この2つが組み合わさっているものが、基本的に視聴率が高い傾向にあります」

「例えば、契約社員はこき使われるけれど給料はよくなくて、正社員はほとんど働いてないのに給料はよいといった問題を表現したショートドラマは、多くの反響をいただきました。救われた方々もいたのではないでしょうか」

●夢を代わりに叶えてくれるもの

「恋愛系や感動系、病気系などジャンル問わず、自分では叶えられないものを映像の中で代わりに叶えてくれる夢物語が流行る傾向にあります」

「例えば、『ごっこ倶楽部』というTikTokアカウントの作品でいくつか好きな作品があるのですが、そのうち、記憶喪失の妻とその夫を描いた作品は理想的ですね。妻は夫であることすら忘れ、ストーカーだと思っているんです。そこからやり取りが始まって、徐々に、実は大切な人だと分かっていく。夫は『もし妻が俺のことを忘れても、俺は一生愛しているから』と愛を貫き……という感動系の物語です。このような、2分程度のショートドラマにも関わらず泣きそうになる作品は、なかなかないと思っています」

 手軽に見ることができるショートドラマとはいえ、奥が深そうですね。今後はさらにトレンドが加速して、楽しませてくれる作品が増えていくかもしれません。バズりそうな作品は、今のうちからぜひチェックしておきましょう。