戦場で死体の後片づけを拒否する傭兵たち


【漫画】本編を読む

にしかわたく(@denguma4989)さんは2024年1月に「日本人傭兵の危険でおかしい戦場暮らし 戦時中の軍隊の真実編」の書籍を発売して注目を集めている。元傭兵の高部正樹(@takabemasaki)さんから聞いた話をもとに描いた、リアルな戦争の現状がよくわかる作品だ。今回は書籍の中から「第二の戦闘 戦場で最も嫌な仕事!!」のエピソードを紹介するとともに、著者に死臭などについても詳しく伺った。

「日本人傭兵の危険でおかしい戦場暮らし 戦時中の軍隊の真実編」01


戦争中において、死体の後片付けは一番嫌な仕事だ。倒れた敵兵の死体から出る死臭は凄まじく、戦闘中は我慢することも多い。敵が味方の死体を必ずしも片付けるわけではないので、自分たちで敵の死体を片付けこともある。

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戦争中は戦死よりも戦病死の方がは遥かに多く、死体は病原菌の温床。死後数日も経てば、死体にはうじ虫がびっしりという訳だ。

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高部さんたちは嫌々死体の後片付けをするが、とにかく信じられないほどの腐臭。死体は数日放置されると、少し触れただけで皮膚が剥がれてバラバラに崩れてしまう。

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そして、腸に打撃を受けた死体は大腸がはみ出て、猛烈に臭いのだ。回収した死体は衛生面を最優先にして、空き地にまとめて埋めていく。白骨化した死体の場合は、遺品と一緒に敵に返還することもあるという。

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死んでから少し経つと、腐った状態でなくても漂うのが死臭である。お葬式などで感じた経験がある人もいるかもしれない。そして、死臭は服や体にこびりつき、何日経っても取れないのだ。

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戦地から帰って来た高部さんは、念入りにシャワーを浴びて服を着替えても、女友達から「変な匂いがする…」「臭い!」などと指摘されることもあるのであった。

――死臭はかなりしつこいようですね。にしかわたくさん自身、お葬式などで死臭を嗅いだことはありますか?

死臭そのものは嗅いだことがないですが、子供の頃に祖父母の家に行った時に感じた「老人臭さ」を、1000倍に濃縮した感じなのかなと、個人的には解釈しております。映画『おくりびと』で、実は夫が納棺師の仕事をしていると知った広末涼子さんが、ドン引きするシーンが忘れられません。

――嫌な臭いに関する余談があれば、お聞かせください。

臭いを絵で表現するのは難しいですね。今回の漫画でも、もっと描きようがあったのではないかと反省ばかりなのですが、先日「戦場がこんなに3K(キツイ・汚い・臭い)だということを知って、戦争に行きたくなくなった」というAmazonレビューがあって、ちょっとホッとしました。

今回は「死臭」についてのエピソードを紹介した。戦争中は私たちが知る日常とは環境なども大きく違い、臭いもその一つだ。戦争について詳しく知りたい人は、ぜひ読んでほしい作品だ!

取材協力:にしかわたく(@denguma4989)