眦脹簓Г柔術を通して考える「いい男」の定義が、カッコ良すぎた
日本の格闘技界の歴史にその名を刻み、引退後も、活躍の場を広げている郄田延彦さん。
どんなときも自分と向き合い、戦い続ける“強さ”の理由とは?
スリーピースのスーツを颯爽と着こなし、マネキンを相手にバックチョークやフットロックといった技を鮮やかに決める郄田延彦さん。
なじみのテーラーでスーツを仕立てている最中に、ふと格闘家魂がうずいたら、という設定のもとに行われた撮影では、華麗な技が繰り出されるたびにスタッフからも歓声が湧き起こった。
この頃は仕事以外でスーツを着る機会もすっかり減りましたが、初めて自分でオーダーしたときのことを思い出して懐かしかったです。
それまで、先輩のおさがりをいただいて着ていたので、大人になった感じがして嬉しかったのを覚えています」
鍛え上げられた肉体でスーツを着こなす姿は、さすが堂にいったもの。所作のすべてから自然と“男気オーラ”があふれ出る。
郄田延彦さんが今思う“男の中の男”とは?
「15歳のとき、アントニオ猪木さんに憧れて格闘技の世界に入り、引退したのが40歳。
現役を退いてからもしばらくは格闘技に携わって、スーパーファイターに関わる機会がたくさんあったので、男気のあるひとたちをたくさん見てきました。なにしろ体育会系で育ってきましたから。
現役のときは男らしさとは?とインタビューで聞かれることもよくありましたが、元PRIDEヘビー級王者のエメリヤーエンコ・ヒョードルは、今振り返っても、本当に男らしい格闘家。
俺はファイターだ、と肩で風をきることなく、つねに謙虚なんです。真の強さ、男らしさとは偉ぶらず、意気がらず、自分や相手と対峙できる人ですね」
郄田さんといえば、現役時代の数々の“武勇伝”も有名だが……。
「武勇伝というか、お酒は本当によく飲みましたね(笑)。48時間ぶっ続けとか。途中で3時間くらい落ちましたけど(笑)。
先輩たちがよく飲みに連れて行ってくれて、僕もその伝統を受け継いで後輩と飲みにも行きました。
今はお酒を飲む量も機会も減りましたが、たまの外食で新規開拓をするときは『東京カレンダー』を参考にさせていただいたりも。
昔は増量のために食べることが苦しいときもあったけれど、いまは自分のコンディションを見ながら、美味しいものを食べることが本当に楽しく、幸せです」
相手と取っ組み合う快感はいくつになっても自分を夢中にさせる
郄田さんのライフワークのひとつとなっているのが、58歳のときに始めた柔術。いまは週3回の稽古が何よりの楽しみと話す。
「取っ組み合いの緊張感が、やっぱり自分の性に合うんでしょうね。稽古を終えて、シャワーを浴びているときなんて、鼻歌が出ちゃうぐらい気持ちがいい(笑)。
がむしゃらに頑張りすぎない生き方とか、柔術を通して得た学びは多いですし、毎日がとても充実しています」
改めていま、郄田さんが考える“強く格好いい男”とは?
「緊張感を持ち、自分のメンタルをニュートラルに整える術を知っていること。
小さな勝負の積み重ねのなかで日々の時間が有限であることを知り、その時間のなかで、ひとや自分のためになにをすべきかを考え、行動できる男ですね」
強靭な肉体を武器に戦ってきた郄田さんが考える“強さ”は、精神力にあったのだ。
“男の中の男”の言葉は実に紳士で格好よかった。
■プロフィール
郄田延彦 1962年、神奈川県出身。1980年に新日本プロレスに入門。翌年デビュー。引退後もさまざまな分野で活躍。『デビュー40周年記念Blu-rayBOX〜戦いの原点 新日本プロレス』が発売中。
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東京カレンダー最新号では、郄田延彦さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
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