300万の慰謝料と彼氏を失う代償がデカすぎるセックス【恋なんて、本気でやってどうするの?】
※このコラムにはドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』第8話までのネタバレが含まれます。
■300万の慰謝料と彼氏を失った代償がデカすぎるセックス
不倫の関係を精算したはずが興信所に付けられており、奥さんから慰謝料300万円を請求されることとなったアリサ(飯豊まりえ)
その件の話し合いとはいえ、直後に不倫相手であった田辺(アキラ100%)と個室でもないオープンなカフェで二人きりで会うのは危機管理能力が薄すぎます。またバレたら慰謝料の価格上げられかねないのでは?
一方、アリサと田辺の関係が継続していることに気づいた克巳(岡山天音)は田辺に直接カチコミに行く漢気を発揮!
でもそこで、「自分が未練がましかったんだけど、不倫という関係は結局体でしか気持ちを確認できない。口では別れると言ってても、会うと体が反応しちゃう……」というちょっとキモめな田辺の発言を聞き、本当は克巳のために田辺と距離を置いていたし、きちんと関係を終わらせようとしていたアリサの意図が少し捻じ曲がった形で伝わってしまったのです。
実際体が反応したのは田辺だけで、アリサは「最後一回だけ!」というお願いに押し負けただけなんですが、克巳がいながら情に負けて流されてしまったのはアリサの落ち度ですね。
300万の慰謝料請求と、好きな男を失うという、あまりにも代償がデカすぎるセックスとなりましたが、果たしてそれだけの価値はこのセックスにあったのでしょうか。どちらのリスクも予測できるものだったはず。
自分の一番大切な物がなんなのか、田辺に誘われた時にしっかり考えていれば、こんな結果にはなりませんでした。
自分の大切なものを守るために、その場限りの雰囲気や情に流されない判断力と断る勇気を持つことは、私たちの恋でも同じこと。今回のアリサを反面教師にしたいものです。
しかし女性との不倫関係が妻にばれ、おまけにその女の彼氏が乗り込んできたって時に、クリームソーダ注文してモリモリ食べれる田辺。すごい胆力ですね。普通のメンタルなら、何言われるのか怖すぎて食欲なんて湧きません。さすが稼ぐ男は肝が据わりまくってます。
■三者三様・毒親への価値観
純(広瀬アリス)の母親は、男優先の人生で子供は二の次、実子の純<<<<好きな男という価値観で純を振り回してきました。
しかし今回、それに加えて純が進学のために貯めていたお金まで好きな男に貢いでいたという、想像を上回るトップオブクズ行動が新たに明らかになりました。
それらの経験から純は毒親は一生毒親であり変わらない、という価値観で母親に諦めの感情を抱いています。
一方、純の大学時代のサークルの同期であり、Theいいやつの代名詞・大津(戸塚純貴)は一般的で幸せな家庭で育ってきたため、その事実を知った上でも「純のお母さん、今は落ち着いているし、許してやったら? 母親は母親」と、過去の罪は時効であり、きっと母親も普通に戻っているであろうという性善説に基づいた考え。
一方柊磨(松村北斗)は、幼い頃母親である真弓(斉藤由貴)から育児放棄にあったり、大人になっても人間関係を壊されたりと、ひどい仕打ちを受けてきたにも関わらず、「いつか母親は変わってくれるはず」と希望を持ち、見捨てることができません。
真弓のギャンブル依存症が原因で、父親が突然出て行ってしまった経験から「父には捨てられた。自分には母親しかいないし、母にも自分しかいない」という気持ちが刷り込まれ、心の奥底で母親に囚われ依存している部分があるのかもしれません。
「自分は母親が死なないように見張ってなきゃならない」と父の引き取り申し出を断ったことも、この刷り込みの感情が原因だったのかも。
また、幼い頃に起きた真弓の自殺未遂も、自分にとっての唯一の肉親となった真弓を失う恐怖を植え付け、一層母への依存の気持ちを高めるのには十分すぎるものだったのでしょう。
■母親への価値観のズレからくる二人のすれ違い
このように、純と柊磨はそれぞれ毒親である母への価値観に大きな違いがあるため、真弓の登場から関係がうまくいかなくなり始めました。
毒親は一生毒親、という純の気持ちはわかるのですが、柊磨にもその価値観を唱えて母親との関係を今すぐ切り離そうという純のやり方は性急すぎますよね。
腐っても母親であり、毒親といえど柊磨が母親に抱く気持ちの深さも測りきれていない状況でありながら、「母親を店のホールに出すのは品格に関わる」とか、「店に苦情が来ているから母親は施設に返した方がいい」とか言い方が直球すぎるし不器用なんですよ。
純は自分の毒親経験から柊磨の出来事も自分ごととして見てしまい、断定するような言い方になっているのかと思うんですが、あくまで店は柊磨のものなので店の方向性を決めるような物言いをするのはよくないし、母親へのリスペクトがない言い方なので、これでは心に母への愛が残る柊磨と、それが一切ない純とではズレが生まれてしまいます。
■真弓を施設に帰すためにどうすべきだったのか
純は、まず苦情の事実のみを伝えた上で、今後の判断は一旦柊磨に委ねるべきでしたし、真弓をホールに出すのをやめさせる所から、施設に帰すところまで柊磨に決断させながら徐々に段階を踏んで長期戦で行くべきでした。
それを苦情が来ているからすぐに施設に帰した方がいい、と段階をすっ飛ばして提案したもんだから、母親への愛が残っている柊磨にとっては、真弓をただ毒親の邪魔者として扱う純に違和感を感じるのは当然だと思います。
柊磨も母親を変えようと彼なりの考えや計画もあったのかもしれません。もしそうなら純の行動で段取りも狂ってしまったわけです。
ただ、これってもう宗教の違いみたいなもんで、母親信仰の違いを埋めるのは難しいので、オーソドックスな手法としては長期戦で真弓を帰すために頑張るか、諦めて別れを選ぶかの2択なんですよね。
前者で頑張ったところで母親の存在は死ぬまで消えないので、姑としてあのトラブルメーカーと一生付き合っていく覚悟も必要です。
純がきっかけで半狂乱になった真弓を見て、柊磨が純に絞り出すように言った「帰れ…」は、いつでも優しくポーカーフェイスな柊磨が、心の奥底に隠してきた怒りや悲しみが入り混じったような初めて見せる感情で、母親への思いの強さを感じさせるものでした。
■真弓は他の病気も抱えていそう説
息を吐くように柊磨の周りの女に嫌がらせをする真弓。相手が店の客であろうとお構いなしです。記念写真で柊磨の顔を切って写したり、気に入らない女の白ワインにお酢を入れて提供したり。
プライベートの彼女への嫌がらせに飽き足らず、今店がどんなに大事な時期か、柊磨にとってこの店がどんなに大切なものであるかも知りながら、カーッとなって感情任せで客にまで嫌がらせをするって、本当に自分本位すぎます。
本当に柊磨を大切に思っていたら、柊磨の大切なお店を壊すことなんてできない。ギャンブル依存症以外になんらかの人格障害的な心の病も併発していそうですよね。
にしても純が「依存症治すのって大変ですよね。サポートします!」と本人から直接聞いてないセンシティブな依存症の話題を真弓にぶっこむのも、これまた無神経だなと思ってしまいました。
真弓からすれば、なぜ知っているのかと、まず驚きと不快感を抱くでしょうし、「あんたに何がわかるの?」というリアクションになったのは至極当然です。
純は恋愛からなにから、色々素直で直球、不器用すぎます。おまけにそれを伝えた時の純のTシャツのロゴが「ワールドカレーツアー06」で、真弓の怒りを受け止めるのと、「一体どんなツアーなんだよ?!」という疑問とで、視聴中の感情が混乱しまくりました。
私も参加したいんですが、ワールドカレーツアー22は開催されるんでしょうか?主催者の方、ご連絡をお待ちしています!
■まさかのあの名シーンのリバイバル!
レス主婦・響子(西野七瀬)は、旦那に切り出した離婚はうやむやになり、いつもの妄想ではなく現実の要(藤木直人)と気持ちが通じ合いキスしたかと思いきや、今度は突然謎の美女が店に現れ目の前で要とのキスをかまされびびって逃げ帰る、という怒涛の展開。
純と柊磨が、ディープキスでひな子を追い返すあの名シーンのリバイバル状態! あのシーンがまさか違う形でもう一度見れるなんて胸熱でしたね。
純は毒親により柊磨との関係が壊れかけ、アリサは不倫バレで慰謝料請求&克巳を失い、響子は要と両思いになったかと思いきや謎の美女登場で、三者三様にさらなるどん底へ。
果たして3人は地獄の底から這い上がれるのか?!
(やまとなでし子)