毒親イケメンvsときめかない超いいヤツ? 究極の選択!【恋なんて、本気でやってどうするの?】
※このコラムにはドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』第9話までのネタバレが含まれます。
■不倫問題も童貞問題も一気に解決!
不倫バレからの300万の慰謝料請求に加え、彼氏である克巳(岡山天音)とも別れることになり、人生どん底のアリサ。慰謝料を稼ぐためにキャバクラで働き始めたのですが、その源氏名がアリサの名前をもじった「アサリ」で頭には貝殻だらけのカチューシャ。
店名はClub Sea Familyだし、他にも「イクラ」ちゃんが呼ばれて「ハーイ」と変事していましたし、アリサの後ろにいた明らかにサザエさんヘアのキャバ嬢は絶対サザエだろうし、その他ワカメやタイコも絶対勤務しているはず……元締めはナミヘイか?!
そのキャバクラにアリサの慰謝料のために、全財産70万をおろしてやってきた克巳と、高級時計を売ってきて60万に変えてきた田辺(アキラ100%)。
二人がゲンナマの札束を出し合う全財産現金カードバトルは克巳の勝利!そこにアリサの手持ち金をが合わせて慰謝料として、田辺の妻に詫びを入れにいくのですが、不貞行為の謝罪に男が同伴するとか嫁の怒りを煽らないんですかね? 人の家庭壊しておいて、お前は彼氏にケツ拭ってもらってよろしくやってんのかよ? とキレられてもおかしくないような。
高い勉強料を支払い無事ことなきを得て、克巳の童貞疑惑も晴れ、二人は無事に幸せになることができました。克巳がアリサを押し倒した瞬間、思い出のへびのおもちゃが口から垂らす「おめでとう!」の文字が抜かれ、二人が心でも肉体的にも結ばれたことを祝福するというなんともシュールな演出もよかったです。
今回のアリサのシーンはいちいち小ネタが効きまくっていました。体でしか相手の気持ちを確認することができなかったアリサが、やっと心で繋がれる相手と出会い、本当の恋を知ることができてよかったです。ちゃんと70万は克巳に返済するように。
■幸せになれる要素しか持ってない女・ひな子
柊磨を狙っていた店の常連・ひな子(小野花梨)がまさかの新彼を引っ提げてビストロサリューに登場。大好きで体の関係もあった男のいる店に彼氏を連れてこられるあたり、さすが柊磨とセックスした勢いで他の男にアタックしにいくひな子パイセンのすごいところ。加えてそのお相手の新彼・なーちょびがナダルっていうのも実にひな子パイセンで最高です。
松村北斗からナダルまでカバーする恋愛対象の守備範囲の広さ。そして穴兄弟となる男同士を引き合わせられる人間関係における図太さ。失恋を切り替えて即別の彼を作れる行動力に、あのラブラブっぷり。彼女はどこへ行っても絶対に幸せになれる女ですね。その要素しか持ってない。結局失恋をいち早く癒してくれるのは次の恋ですからね。ウダウダ考えるより、すぐこれができる女は恋において最強なんですよ。
おまけに自分はしっかり新しい男に切り替えて、ライバルだった純(広瀬アリス)にきちんと得た情報をリークしてサポートしてくれるという。
おかげで純は、柊磨(松村北斗)が母・真弓(斉藤由貴)に女関係を潰されてきたことや、真弓がイチ客であるひな子のワインにお酢を入れて嫌がらせをしたことなどを知ることができました。ありがとうひな子!
■自然消滅の瞬間のリアル
今回、純に色々疑問を感じてしまう場面が多々ありました。
確かに真弓は柊磨にとって毒親ではありますが、柊磨と真弓の関係をかき回しておきながら「柊磨から連絡がない。戻ってきて欲しいのなら連絡あるものでは?」と待ちの姿勢でいるのはどうなのか。
純目線では関係をかき回した自覚がないのでしょうが、純にもよくないところがあったので柊磨もそのように思っているのではないでしょうか。
現実の恋愛でもそれぞれが自分は被害者で相手に非がある、と自分目線のバイアスがかかり、こうやってお互いの認識がずれたまま連絡を取ることなく終わっていることってよくあるんだろうなぁと、自然消滅の起こる瞬間のリアルを見せられた気持ちになりました。
■純の不器用さが爆発!ヒヤヒヤしてしまう人間関係
柊磨が気になってビストロに顔を出した時も「ちょっと様子見にきただけだから。長居はしないから」とエリアマネージャーばりの立ち位置で店に食事しにきていましたが、せめて真弓を半狂乱にさせたことに対してだけでも一言「このまえはごめん」くらい言って欲しかった。
そして、真弓のギャンブル依存症に口出しして「あんたに何がわかる?」と真弓を激ギレさせて関係を拗らせたばかりなのに「柊磨と一緒に暮らしたいからギャンブル我慢してるんですよね。偉いです。立派な親心です。その調子で頑張ってください!」と言い出した時は、この前それでキレられたばかりなんだから触れないでー! とひやっとさせられてしまいました。
ただ、純も準なりに頑張ってるんですよね。前回は自分にとって目の上のコブである真弓をわざわざデートに巻き込んで距離を縮めようとしたり、柊磨にか「帰れ」と言われたショックを引きずり、ばつが悪いながらも店に顔を出したり、本当は顔も合わすのも嫌だろう真弓にあえて話しかけに行ったり。とにかく素直で自分の心に嘘をついたりせず、信念に従って常に一生懸命で真っ直ぐなんですよ。
前回なら依存症について言及されたらブチギレていたであろう真弓も、今回はそうはならなかったのは柊磨にとって純が大切な存在であることを彼女なりに理解し始めたからだったのかもしれません。
■大津以外の選択肢ある? いや、ない
もうね、とにかく大津にしておけ。これしかない。
恋が苦手な純を理解して受け入れ、大好きでいてくれる。その上で「俺が相手なら(純が苦手な)ドキドキもザワザワもせんのやろ?結婚するなら俺くらいがちょうどいいんやない?」なんて言ってくれる男いません!まさに渡りに船!
不器用な純が柊磨のみならず、クソめんどくさい姑・真弓まで抱え込んで、これから何十年とうまいこと人間関係やっていけるとは思えません。恋愛の手練れだとしても相当難しいです。また真弓のメンヘラ地雷ぶち抜いて、真弓がぶちぎれ包丁持ち出し、柊磨が慌てふためく未来が容易に想像できます。
柊磨とうまくいくためには、真弓問題と、柊磨の周りに源泉掛け流し温泉のように次から次へと湧き出てくる女の影にヤキモキせず構えて交際する胆力が必要ですが、恋愛初心者の順にはハードすぎる!
その点大津なら浮気も姑問題もなく、精神状態が常に凪で過ごせて、しっかりした会社での安定した職もあり、純の毒親ともうまいことやってくれます。右よし! 左よし! 安心安全の大津一択!
■玉ねぎの剥き方で純を感じ取る超絶技巧
イケメンシェフ・要(藤木直人)はパリでの副料理長としてシェフ引き抜きの話がやってきたことで渡仏の可能性が。ビストロサリューも響子(西野七瀬)との関係もどうなるのか?
また、玉ねぎの剥き方を見て、純の存在を感じ取るというシェフらしい超絶技巧を見せつけてくれた柊磨。「私はどこにも行かないよ」という純の言葉を思い出し、思わず純の家に走ったものの、大津とめちゃくちゃどっかに行こうとしている純と遭遇するというオチをかましてくれましたが、次回はなんと最終回!
地獄にいた3人娘ですが、今回這い上がったのはアリサのみ! 純、響子はどうなるのか?全く先が読めないラストに期待です。
(やまとなでし子)