男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

-あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:男女の友情は、成り立つの…?異性の友達が多い男に対して、女が感じた違和感とは




舞香と出会ったのは、友人が主催したホムパだった。

ホムパと言っても、場所は主催者が住むタワーマンション内にあるパーティールーム。広くてテラス付きのその部屋は開放感があり、心地よい空間だった。

この時、男女合わせて10人くらいはいただろうか。久しぶりの華やかな会に、僕は結構浮かれていた。

男女半々くらいだったけれども、その中でも可愛くて目を引いたのが舞香である。

「初めまして、浩紀です」
「初めまして、舞香です」

小柄で華奢な舞香。肌の綺麗さも際立っていた。

「主催者の友達?」
「いえ、女友達に呼ばれて来たんです」

ただ人数が多かったせいか、この会ではあまり話せなかった僕たち。そのあと幹事が作成してくれたグループLINEでつながることができ、個別でメッセージを送ってみた。

そこから始まった、僕たちのデート。

ただデート自体は良かったはずなのに、なぜか2回ほどデートをした後から舞香からの反応がなくなってしまった…。


女からすると、これはアウト?男が気がついていなかった痛恨の過ちとは


Q1:女が初デート時に、少し驚いたことは?


個別でLINEのやり取りをするようになってから数日後。僕は、思い切って舞香を食事へ誘ってみることにした。

― Hiroki:舞香ちゃん、今度2人で食事などどうでしょう?
― 舞香:いいですね、行きましょう^^


舞香も快諾してくれて、僕たちはデートをすることになる。

ただ舞香の情報が少なすぎて、何が好きなのか、そしてどういうテイストの店ならば喜んでくれるのかなどが、正直わからなかった。

けれども初デートで失敗したくない。

だから僕は、麻布台にある『Series』の系列店としてオープンした、女性も喜ぶこと間違いなしの少量多皿系中華『蓮 de series』へ行くことにした。

― Hiroki:今週土曜、よろしくね!18時50分に広尾駅集合でどうだろう?近いけど、そこからタクシーで一緒に行こう。
― 舞香:わかりました!楽しみにしています。


そして当日。僕は広尾駅で彼女をピックアップして、そのままタクシーで店へと向かった。




『蓮 de series』は内装も落ち着きがあって、しかもカウンター席のみ。デートにはぴったりで、舞香も喜んでくれている。

「浩紀さんって、グルメなんですね」
「食べることが好きなんだよね。舞香ちゃん、何が好きか分からなくて…」
「私は何でも好きですが、こういう雰囲気のお店、大好きです♡」

やっぱり、店選びにデートの勝敗はかかっていると思う。舞香の嬉しそうな笑顔を見て、改めてそう思った。

「舞香ちゃんは、普段どの辺りで飲むことが多いの?」
「お家が神泉のほうなので、意外に渋谷とかもありますよ。代官山も多いかな。でも十番、六本木もあるし…どこでもって感じですね。浩紀さんは?」
「僕は家が広尾だから、結局この界隈になっちゃうんだよね」

家の近所だとやっぱり楽だし、常連になる率も高くなる。以前中目黒に住んでいた時は、中目黒界隈の店ばかり行っていた気も…。

「西麻布って、美味しいお店多いですもんね。雰囲気も素敵だし」
「そうなんだよね!決してチャラついているわけじゃないからね(笑)」
「わかってますよ〜」

ホムパの時にはほとんど話せなかったけれど、ちょっとツンとした印象だった舞香は、2人きりになると全然違っていた。

「舞香ちゃんって、すごく話しやすい子なんだね」
「そうです!よく誤解されるんですけど、意外にイイ奴でしょ?」
「うん、本当に」

次から次へと出てくる美味しい料理を食べながら、僕たちは笑い合った。

きっと舞香も感じてくれていたと思うけれど、フィーリングが合う。話も尽きないし、何より会話が面白い。

結局この日も2軒目まで行き、解散したのは深夜の1時を過ぎていた。


初デートでは大盛り上がり!それなのに、二度デートをしてから急に冷たくなったのは…


Q2:女からして、“ナシ”な男のデート作法とは?


初デートが楽しかったので、僕たちはすぐにまた会うことになった。二度目のデートは、僕の行きつけの『田中田』を予約することにした。

― Hiroki:舞香ちゃん、明日もまた広尾駅に19時でどう?ちょっと遠いから、一緒にタクシーで行こう!
― 舞香:わかりました。ちなみにお店の場所ってどこですか?教えていただければ直接行きます!
― Hiroki:西麻布交差点を越したあたりなんだけど、場所がちょっとわかりにくいかもだから拾っていくよ〜
― 舞香:分かりました、ありがとうございます。


本当は店で待ち合わせでも良かったのけれど、移転してからの場所を知らないかなと思ったし、何より駅でピックアップしてあげたほうが歩かせなくて済む。

デートの時には、歩かせない。近距離でも、タクシーに乗る。そんなことは百も承知だ。

店だって、当日サプライズのほうが喜ぶと思った。

そして二度目のデートも駅前で彼女を拾い、一緒に店へと向かう。もちろん今日の舞香も、相当可愛かった。

「あれ?ここ移転したんですか?ゴージャスさが増してますね!すご〜い♡」




店に入るなり、一気にテンションが上がった舞香。

目をキラキラさせながら、店内を見渡す様子が小動物のようで、僕は思わず声に出してしまった。

「舞香ちゃんって、本当に可愛いよね」
「ありがとうございます♡浩紀さん、ここのお店よく来られるんですか?」
「うん、移転前から結構来てるかも」
「じゃあ常連さんだ」
「一応、そうなるかな。上にバーもできたから、使い勝手がいいんだよね」

しかし、ここまで言ってふと気がついた。“いつも誰と来ているんだろう?”と思われるかな、と。

すると案の定、舞香は何が言いたげな表情で僕を見ている。

「さすが浩紀さん。慣れてますね〜」
「そんなことないよ!いつも男と来るし」
「そうなんですか?」
「うん、本当だよ。まぁとりあえず、飲もうよ」

何とかその場は凌いだものの、もしかすると舞香は僕のことを誤解したのかもしれない。

ただこの時の僕は、そこまで気にしていなかった。しかし食事を終え、2軒目をどうしようかと考えていた時のこと。

「舞香ちゃん、この後なんだけど…」

そう言うと、舞香は間髪入れずに場所を指定してきた。

「せっかくだから、上のバーに行ってみたいです♡」

やっぱり、舞香は先ほどの僕の発言を気にしていたらしい。

「え、ここの上の?」
「はい。ダメですか?」
「いや、もちろんいいよ。移動してもいいかなと思ったんだけど…上がいい?」
「はい♡」

そして2階のバーエリアへと移動して、飲んだ僕たち。いい雰囲気の店内に、美味しいお酒。楽しくないわけがなかった。

それなのに、この日以来舞香は冷たくなってしまった。

― 遊んでると思われた?でもそれだけで、こんなバッサリ切るかな…。

果たして、何が悪かったのだろうか。

▶前回:男女の友情は、成り立つの…?異性の友達が多い男に対して、女が感じた違和感とは

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

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女が男のことを“ナシ”と思っていた本当の原因は?