「パートナーに求めること」2位は性格の良さ、1位は? いまどき男子“恋愛観”

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これまでとは一味違う、恋愛・結婚観を持ついまどき男子。結婚はマストではなく、恋人には刺激よりもやすらぎを求める。その背景にあったのは、多様な考えと疲れだった…!? 18〜30歳の男性130人に実施したアンケート結果を3人の識者が分析してくれました。

いまどき男子アンケート:恋愛編

Q. 結婚はしたいですか?

したい…55.0%、したくない…22.1%、わからない…22.9%

旧来の結婚観に縛られない人が増加か。「したくない」と答えた人の中には、“結婚が幸せとは限らない”という意見が。「“何歳になったら家庭を持たなきゃ”など、これまでの結婚の形にこだわっていないのだとしたら、いい傾向ですよね。あるべき形を軽快に脱線してくれたらなと思います」(フリーライター・武田砂鉄さん)。「駆け引きが発生するような面倒な恋愛をするくらいなら、結婚で関係性を確定させて穏やかに暮らしたいという人もいるのでは。『わからない』という人たちは、経済的にお互いに支え合う自信が持てないことも大きいんだと思います」(放送作家・白武ときおさん)

Q. パートナーに一番求めているのはどんなこと?

1位…やすらぎ、2位…性格の良さ、3位…愛されていること、4位…誠実さ

自分を攻撃しない優しい恋人が理想。「刺激」などの回答は皆無。「自分が傷つくような相手が嫌なのかな。たしかに男性のほうが傷つきやすい傾向はある気がするけれど、かといって、女性に対して『男性に優しくしてあげて』とは言いたくないです(笑)」(漫画家・ひうらさとるさん)。「自分からではなく、相手に作用してもらう答えが多いですね。性格の良さや誠実さは採用面接みたいで、無難に馴染んでくれよということなんでしょうか。嘘でも愛しているとか、自分にないものを与えてくれるとならないのが驚き」(武田さん)

Q. どうやって恋人と出会っていますか?

1位…友人関係から、2位…友だちの紹介、3位…職場で、4位…マッチングアプリ

アプリが台頭するも出会いの定番が強し。ここ数年、マッチングアプリでの出会いが増えるも、信頼できる関係から始まる恋が上位を占める結果に。「やっぱりマッチングアプリで出会うことが怖いという人は多いと思います。ただ、僕は30歳ですが、5歳下くらいの世代は、抵抗が少ないように感じます」(白武さん)。「よく行く喫茶店で、マッチングアプリで知り合ったであろう20代の男女を目撃します。主導権を握り、MCのように話を回すのは女性ばかり。逆転している光景は、ほとんど見ません」(武田さん)

Q. これまでの体験で、告白はどうやって伝えましたか?

1位…直接会って、2位…電話で、3位…メッセージアプリで

誠実さが大事になっている今のムードの影響も。面と向かって思いを伝える人が多いのは、昔もいまどきの男性も一緒。でも、そこには現代ならではの理由がある模様。「今は、より誠実さが求められる時代になっているなと。僕が仕事をしているテレビ業界でも、これまでは“面白ければいいじゃん”で進めていたことが見直されています。芸能人の不倫報道なども、すごい叩かれますし、逆に家族思いの一面で好感度が跳ね上がったり。誠実さが尊いものになっているように感じます」(白武さん)

Q. これまでの体験で、別れはどうやって伝えましたか?

1位…直接会って、2位…メッセージアプリで、3位…電話で

連絡ツールが変わったことでメッセージでの別れもアリに。告白する時の手段としては3位だったメッセージアプリが、2位に浮上。言いづらいという理由も考えられそうだが…? 「LINEを使って付き合ったり別れたりするということに自分の世代はやたらと驚きますが、ツールが変わってきただけなのかなと思います。電話で告白していた時代には、会って言わなきゃダメだ、なんて言われていたのでは」(武田さん)。「そもそも、別れを告げるという経験がない人も多そう」(ひうらさん)

Q. パートナーとの連絡の頻度はどれくらいですか?

1位…毎日連絡し合う、2位…ほぼ毎日連絡し合う、3位…週に2〜3回連絡し合う

コロナ禍で寂しいからかオンラインで繋がりっぱなしの人も。なかには、特に話をするわけでもなく、FaceTimeなどを使って恋人と常にオンライン状態にしているという人も。「一緒に生活している感覚を味わえるんだと思います」(白武さん)。「寂しさからの回避という側面もあるのかもしれません。前にあった『結婚はしたいですか?』で『したい』と答えた理由に、“ずっと一人なのが嫌”という答えもありましたが、寂しいことが、多くの男性にとって大きな恐怖なのでしょうか」(武田さん)

武田砂鉄さん フリーライター。1982年生まれ。日本にはびこる男性優位主義について考察した『マチズモを削り取れ』(集英社)、『偉い人ほどすぐ逃げる』(文藝春秋)など、著書多数。TBSラジオ『アシタノカレッジ』の金曜パーソナリティを務める。

白武ときお 放送作家。1990年生まれ。日本テレビ系列『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』など、数々のお笑いバラエティ番組を担当する。Webメディアに詳しい。著書に『YouTube放送作家 お笑い第7世代の仕掛け術』(扶桑社)。

ひうらさとる 漫画家。1966年生まれ。毎月1日発売の『BE・LOVE』(講談社)で新連載「西園寺さんは家事をしない」が10月号からスタート。アプリPalcyで「聖ラブサバイバーズ」連載中。『ホタルノヒカリ』シリーズのコミックスも絶賛発売中。

※『anan』2021年11月3日号より。漫画・松尾モノ 取材・文・重信 綾 鈴木恵美

(by anan編集部)