【7/19〜7/25の運勢】7月4週目の運勢はどうなる?SUGARさんが贈る12星座占いをチェック!
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今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
今週のおひつじ座は、自身をひとつの境界(ボーダー)そのものと感じていくような星回り。
「ディアスポラ」とは、元来は「離散」ないし「離散地」を意味するギリシャ語。2世紀のエルサレム陥落以降、世界の様々な地域に離散して暮らさざるを得なくなったユダヤ人の在り方を指す言葉です。
そしてその暮らしの中では異文化との融合、あるいは異文化への同化が、意識的・無意識的に進行していった訳ですが、近現代の植民地支配を典型とする文化的な支配・被支配の関係は、多くの人々に言語の習得の過程で社会的かつ暴力的な他者性を刻印し、そこでは言語による自己表現において恐ろしい屈折をはらんできました。
例えば、近代以降の日本でも英語教育が当たり前になされてきましたが、英文は読めても自国の数百年前の文献は読めないという日本人はとても多いでしょう。そういう意味では、日本人もまた知らず知らずのうちに、ディアスポラ的な屈折を抱え込んでしまっているのだと言えます。あなたもまた、自分が無意識のうちに慣れきってしまった断絶や受け入れてしまっている被支配的な構造について、改めて見直していきたいところです。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
今週のおうし座は、いい意味での諦めをもって踏み切っていこうとするような星回り。
「定年の前に辞めしと冷奴」の作者・遠藤若狭男は、昭和23年生まれのいわゆる団塊の世代の人で、若さから上京して長らく高校教師をしながら作句活動をしていました。この句は、知り合いが定年前に勤め先を辞めたのだという話を聞かされて詠まれたもの。俳句仲間なのかも知れませんが、どちらかというと久しぶりに会った学生時代の友人という雰囲気で、居酒屋で冷奴(ひややっこ)でもつつきながら打ち明けられたのでしょう。
当時は、今のように会社員をやめてフリーランスでやっていくなんて人はまだほとんどいなかった時代でしたから、作者も心配の声を発した一方で、どこか羨ましいという気持ちが湧いてきたことにも気付いたはず。
ひとしきり飲んで別れたあとの帰り道で、きっと作者は「お前はどうなんだ」と自問したのではなかったか。あなたもまた、惰性に流されるのではなく、どこかで諦めをもって自分の仕事を選んでいきたいところです。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
今週のふたご座は、大衆的人気や分かりやすい成功とは、別角度の方向に自身の歩みを繰り出していくような星回り。
20世紀を代表する大作家、ボルヘスが編んだ世界文学アンソロジー集『バベルの図書館』の、イギリスの小説家アーサー・マッケンについて書かれた文章に次のような箇所があります。彼のことを「マイナー詩人」と呼び、「苦心の散文で書かれた彼の作品は、詩作品のみがもつあの緊張と孤独を湛えている」と書いているのです。
「また、マイナーと呼んだわけは、マイナーな詩とは種々のジャンルの一つであって、決して下位のジャンルというものではないと考えるからである。それが表現している音域はあまり広くはないが、その口調はつねにより親密なものだ。」
この記述に従えば、ボルヘス自身もまたマイナー詩人と言っていいかも知れない。彼がノーベル賞をもらえなかったのは、マイナーなジャンルにしか手を染めなかったことも大きかったであろうし、また、ごく限られたテーマを一生涯倦むことなく、繰り返し取り上げ続けたその「表現している音域」もまた、けっして広いとは言えないものでした。あなたもまた、鋭く狭く深くなにかを突いていくべし。
今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
今週のかに座は、みずから自分の定めや運命に接近していこうとするような星回り。
「御僧の息もたえだに午寝(ひるね)かな」(村上鬼城)は、僧が老いて午寝をしており、その寝たところを見ていると、息をしているのかしていないのか分からないくらいだ、という情景が詠まれている一句。それは半ば死人のようでもあるし、ほとんど木石かとも疑われるように、まるで生気を感じさせない様子だったのでしょう。
自身もまた耳が不自由であったり、生活が絶えず困窮していたこともあってか、作者の目は老や貧、弱者、廃疾に対する熱情はとどまることを知らず、そうした境遇を凝縮した世捨て人のごとき目の前の相手に、おのがたましいを集中させているのです。
こうした、たまたま道ですれ違った乞食に深い共感を寄せるとともに、もう一人の自分を見出す感性こそが、作者を並みの人物とは一線を画す由縁となっていたのかも知れません。あなたもまた、掲句のような偶然をこそ天の恵みとして受けとっていきたいところです。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
今週のしし座は、自分なりの感覚を信じて、思いきりそれを打ち出していくような星回り。
病院や学校で出される「制度化された食事」というのは、往々にして「マズい食事」であったり、アレルギーの思い出として残っているものですが(今は違うのかも知れませんが)、今にして思えばそれこそが産業社会の味だったのかも知れません。
しかし考えてみれば、そうした体験が例外的なものであるということは、もっと目を向けるべき事柄なのではないでしょうか。というのも、西洋近代発のテクノロジーやインフラが、恐るべき強制力をもって私たちの日常に均質性をもたらしていく中、食という領域に関しては少なくともグローバル化の波を受けつつも、特殊な在り様を呈しているから。
すなわち、食にはそれを価値づける統一規格も原理化されたコードもなく、「なにがうまいか」という答えはてんでばらばらであり、その意味で均質化からの逸脱に成功している、社会における稀少な領域なのだと言えます。どんなにテクノロジーが発達しようとも、「食のイノベーション」というのは、それが「うまいもの」をもたらしてくれるのでなければ意味がないがゆえに、制度化や機械化が進みにくいのです。あなたも、地元の味や自身の舌で感じた価値をこそ他の何よりも大切にしていくべし。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
今週のおとめ座は、自身の内面世界の在り様を、いつも以上に繊細に感じ取っていこうとするような星回り。
「心音を聴きゐる部屋の夏景色」の作者・布川武男の専門は、小児科だという。それもあってか、この作品にはさわやかな明るさが感じられます。日差しの感じが変わって室内がすこし明るくなり、窓のカーテンも涼し気に揺れている。看護師の白衣もよりクッキリして見えて、診察室の花瓶には小ぶりのひまわりが活けてある。きっと、胸に当てた聴診器から聞こえてくる鼓動もさざなみのようにかわいらしいものだったはず。
作者はいつもと変わらずに仕事に励みながらも、そういうかすかな季節の変化の機微を感じているのでしょう。同時に、掲句の「部屋」とは作者のこころそのもののメタファーでもあり、自身のかすかな変化にも意識を研ぎ澄ませているのかも知れません。
そういう意味では、作者にとっては俳句そのものが、自身のその時どきの在り様を浮き彫りにしてくれる、心の医者のような存在なのだとも言えます。あなたもまた、世間の喧噪に振り回されるのではなく、少しずつ変わっていく自分自身の在り様にこそ意識を向けていくとといいでしょう。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
今週のてんびん座は、追い詰められた重苦しいさから、一時的に解き放たれていくような星回り。
南海の孤島にたてこもり、180名の部下たちと特攻作戦に従事し、逃れられぬ死の呪縛の中で出撃命令を待つ、局限的な状況を描いた戦記小説である島尾敏雄の『出孤島記』。その小説の中には、特攻隊の基地のある浦の陰を描くとは対照的な筆致で書かれた、浦の外側、その外界へと抜ける岬の描写があります。
島尾にとって、この岬の鼻が特別の昂揚感と自由さとともに描かれたのは、その隣村に住むひとりの女性のためでもありました。言うまでもなくそれはのちの島尾夫人ミホだったのですが、この浦の外側へと抜けていく描写は、本来は決して交わりえない、軍という公的世界の規律が海=女性という自然の律動へと開けていく奇跡的な交わりの光景でもあったのです。
あなたもまた、そんな規律から律動への開けと軌を一にしていくところが出てくるのではないでしょうか。
今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
今週のさそり座は、流行に乗っていくよりも、心の深い味わいへと降りていくような星回り。
「怒り妻蚊帳(かや)に大波立てて出し」の作者・桜井土音は大正時代の人で、農家としての仕事の傍ら、その日常などを題材に句を詠んだことから「土の俳人」と称された人。もちろん、ただ土の句を詠ったばかりでなく、掲句のように実に味のある句も詠んでいる。
まず「怒り妻」という出だしがいい。蚊帳の中の妻を愛するというのではないところが、なんとも痛快である。言ってはならない一言をつい漏らしてしまったのか、ひとり残された作者はこの時どんな表情を浮べていたのだろうか。それは蚊帳の暗がりの中で不確かなままだが、一つだけはっきりしていることは、作者の胸の内では「なぜ」と相手を責める気持ちよりも、ここまで相手を怒らせてしまった自分の愚かさを情けなく思う気持ちの方が優っていたのだろうということ。
こういう句を読むと、表面に出て華やかに活躍し、時代を風靡している作家と、本当の俳句だけから見たらどちらが立派なのか、ということをつい考えてしまう。あなたもまた、たとえ地味であったとしても生活の中にある自分なりのドラマを丁寧に掘り下げていきたいところ。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
今週のいて座は、いつも何気なくしてきたことを、少し違った形に再構築していくような星回り。
「カード・ダイアローグ」とは、カードで言葉を可視化して、フラットな対話の場をつくっていくためのメソッド。テーマを提示する「トピックカード」に対して、「引用カード(他者の言葉)」と「考えカード(自分の言葉)」を使い、順番にカードを出して話をしていくのですが、「書く⇒話す⇒聴く」という流れを繰り返すことによって、コミュ力が高い人に引っ張られたり流されることなく、フラットに議論していくことができるのだそうです。
また、他者の言った言葉や本のテキストを書く「引用カード」と自分の思ったことを書く「考えカード」を同じサイズにすることで、自他の考えを分けつつもそれらを等価値に扱えるようにしておくことで、誰が言ったかではなく、議論そのものに集中できるのも特色。
さらに、各カードには書き込んだ時間も記録できるため、さながら楽譜のように後から議論を時間軸に沿って再現することもできるなど、会話の可能性を広げてくれる工夫と創意がちりばめられているのです。あなたもまた、会話であれデートであれ睦み事であれ、まるではじめてそれを行うかのように、新鮮な気持ちと新たな創意工夫とともに取り組んでみるといいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
今週のやぎ座は、波打つムーブメントを、どうにか自分の腑に落としていこうとするような星回り。
「箱眼鏡」は、水面上から水中を透視できるように箱の底にガラスやレンズを取りつけたもので、漁師はこれで海中をのぞいて魚や貝などをねらいます。「もりあがる海に押しつけ箱眼鏡」(光部美千代)は、漁師の道具の使い方を的確にとらえており、海が単に波打つだけでなく時どき「もりあがる」瞬間があって、そのタイミングで箱眼鏡を押しつけているのです。
いわば、一句の中で大自然である海と人の力が拮抗している訳ですが、シンボリズムの世界では海は集合的無意識の象徴であり、それを踏まえれば、「箱眼鏡」はそれが盛り上がった瞬間を捉えるインターフェイスであり、個人的なリアリティへと落とし込むための物語化のための装置といったところでしょうか。
ある意味で、海にのまれたり、流されたり、溺れてしまうのではなく、その奥底にある自分なりの獲物をどう捕まえていけるかどうかが試されるのが「箱眼鏡」という道具の面白さなのかも知れません。あなたもまた、社会や時代の波を無視するのでも過剰に適応するのでもなく、自分なりの仕方でその本質を捉えていくべし。
今週のみずがめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
今週のみずがめ座は、存在は体感しているのに、これまで直面せずにきた現実をスッと浮き彫りにしていくような星回り。
坂口恭平は、自身の思考の軌跡や原体験について綴った『現実脱出論』の中で、実際に彼が子供の頃にやっていた「新聞の折り込みチラシに入っているマンション広告の間取り図に上から落書きして、自分の理想の部屋を描く」という遊びを紹介しています。
この遊びは少しずつエスカレートして、「斜め四十五度の線を部屋の角から伸ばして「天井高」を作り出し、架空の二階建てのマンションを作ったりするようになった。紙の上なのに、立体的に空間を作り出せることに喜びを見出していたのである。さらに、二点透視図法を覚えてからは、空中に電車が走る透明のチューブが縦横無尽に張り巡らされた未来都市を描きまくっていた。」という。
坂口は同書で現実逃避と現実脱出を区別した上で、先のような遊びを後者に位置づけています。すなわち、「本人の意図とは裏腹に現実の存在感を強化してしまう」のが前者だとすれば、後者はこれまで「現実的ではないと切り捨ててきたことを直視してみる」ことなのだ、と。あなたも、どうも自分がピンとくる現実とはこういうものらしいという感覚に、具体的なカタチや輪郭を与えていくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のうお座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
今週のうお座は、人が目を向けない美しさにこそ、目を向けていこうとするような星回り。
「向日葵にとりどりの花のあはれかな」(杉本禾人)で詠まれているのは、庭の花園に種々雑多な夏草の花が咲いているけれど、その中で王者のごとく突っ立っているのはいちばん大きな向日葵(ひまわり)で、その他の夏草はどこか気圧されているように咲いている情景。
ただし、作者はその向日葵の王者のごときには興味を抱かず、その下にあるところの他のくさぐさの花の方に感じるものがあったのでしょう。もちろんくさぐさの花と言っても、それぞれ異なる花の特色を備えて、おのおの姿態をつくしている訳で、それがなかなかにあわれげに見えたのかも知れません。
そして恐らくそれは、作者がまだ幼い頃に孤児となり、その姉にあたる人はさらに苦しい立場に身を置いていたという、きわめて不遇な境遇にあったということも大きく影響していたはずです。あなたもまた、かりそめの栄華よりも自己の安んずるところをこそ大切にしていくべし。
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今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
傷口と言葉
今週のおひつじ座は、自身をひとつの境界(ボーダー)そのものと感じていくような星回り。
「ディアスポラ」とは、元来は「離散」ないし「離散地」を意味するギリシャ語。2世紀のエルサレム陥落以降、世界の様々な地域に離散して暮らさざるを得なくなったユダヤ人の在り方を指す言葉です。
例えば、近代以降の日本でも英語教育が当たり前になされてきましたが、英文は読めても自国の数百年前の文献は読めないという日本人はとても多いでしょう。そういう意味では、日本人もまた知らず知らずのうちに、ディアスポラ的な屈折を抱え込んでしまっているのだと言えます。あなたもまた、自分が無意識のうちに慣れきってしまった断絶や受け入れてしまっている被支配的な構造について、改めて見直していきたいところです。
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今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
さっぱりとした後味とともに
今週のおうし座は、いい意味での諦めをもって踏み切っていこうとするような星回り。
「定年の前に辞めしと冷奴」の作者・遠藤若狭男は、昭和23年生まれのいわゆる団塊の世代の人で、若さから上京して長らく高校教師をしながら作句活動をしていました。この句は、知り合いが定年前に勤め先を辞めたのだという話を聞かされて詠まれたもの。俳句仲間なのかも知れませんが、どちらかというと久しぶりに会った学生時代の友人という雰囲気で、居酒屋で冷奴(ひややっこ)でもつつきながら打ち明けられたのでしょう。
当時は、今のように会社員をやめてフリーランスでやっていくなんて人はまだほとんどいなかった時代でしたから、作者も心配の声を発した一方で、どこか羨ましいという気持ちが湧いてきたことにも気付いたはず。
ひとしきり飲んで別れたあとの帰り道で、きっと作者は「お前はどうなんだ」と自問したのではなかったか。あなたもまた、惰性に流されるのではなく、どこかで諦めをもって自分の仕事を選んでいきたいところです。
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今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
私信をきわめる
今週のふたご座は、大衆的人気や分かりやすい成功とは、別角度の方向に自身の歩みを繰り出していくような星回り。
20世紀を代表する大作家、ボルヘスが編んだ世界文学アンソロジー集『バベルの図書館』の、イギリスの小説家アーサー・マッケンについて書かれた文章に次のような箇所があります。彼のことを「マイナー詩人」と呼び、「苦心の散文で書かれた彼の作品は、詩作品のみがもつあの緊張と孤独を湛えている」と書いているのです。
「また、マイナーと呼んだわけは、マイナーな詩とは種々のジャンルの一つであって、決して下位のジャンルというものではないと考えるからである。それが表現している音域はあまり広くはないが、その口調はつねにより親密なものだ。」
この記述に従えば、ボルヘス自身もまたマイナー詩人と言っていいかも知れない。彼がノーベル賞をもらえなかったのは、マイナーなジャンルにしか手を染めなかったことも大きかったであろうし、また、ごく限られたテーマを一生涯倦むことなく、繰り返し取り上げ続けたその「表現している音域」もまた、けっして広いとは言えないものでした。あなたもまた、鋭く狭く深くなにかを突いていくべし。
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今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
私はあつくるしい人間でございます
今週のかに座は、みずから自分の定めや運命に接近していこうとするような星回り。
「御僧の息もたえだに午寝(ひるね)かな」(村上鬼城)は、僧が老いて午寝をしており、その寝たところを見ていると、息をしているのかしていないのか分からないくらいだ、という情景が詠まれている一句。それは半ば死人のようでもあるし、ほとんど木石かとも疑われるように、まるで生気を感じさせない様子だったのでしょう。
自身もまた耳が不自由であったり、生活が絶えず困窮していたこともあってか、作者の目は老や貧、弱者、廃疾に対する熱情はとどまることを知らず、そうした境遇を凝縮した世捨て人のごとき目の前の相手に、おのがたましいを集中させているのです。
こうした、たまたま道ですれ違った乞食に深い共感を寄せるとともに、もう一人の自分を見出す感性こそが、作者を並みの人物とは一線を画す由縁となっていたのかも知れません。あなたもまた、掲句のような偶然をこそ天の恵みとして受けとっていきたいところです。
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今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
自慢するなら味自慢
今週のしし座は、自分なりの感覚を信じて、思いきりそれを打ち出していくような星回り。
病院や学校で出される「制度化された食事」というのは、往々にして「マズい食事」であったり、アレルギーの思い出として残っているものですが(今は違うのかも知れませんが)、今にして思えばそれこそが産業社会の味だったのかも知れません。
しかし考えてみれば、そうした体験が例外的なものであるということは、もっと目を向けるべき事柄なのではないでしょうか。というのも、西洋近代発のテクノロジーやインフラが、恐るべき強制力をもって私たちの日常に均質性をもたらしていく中、食という領域に関しては少なくともグローバル化の波を受けつつも、特殊な在り様を呈しているから。
すなわち、食にはそれを価値づける統一規格も原理化されたコードもなく、「なにがうまいか」という答えはてんでばらばらであり、その意味で均質化からの逸脱に成功している、社会における稀少な領域なのだと言えます。どんなにテクノロジーが発達しようとも、「食のイノベーション」というのは、それが「うまいもの」をもたらしてくれるのでなければ意味がないがゆえに、制度化や機械化が進みにくいのです。あなたも、地元の味や自身の舌で感じた価値をこそ他の何よりも大切にしていくべし。
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今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
移りゆく私に聴き入る
今週のおとめ座は、自身の内面世界の在り様を、いつも以上に繊細に感じ取っていこうとするような星回り。
「心音を聴きゐる部屋の夏景色」の作者・布川武男の専門は、小児科だという。それもあってか、この作品にはさわやかな明るさが感じられます。日差しの感じが変わって室内がすこし明るくなり、窓のカーテンも涼し気に揺れている。看護師の白衣もよりクッキリして見えて、診察室の花瓶には小ぶりのひまわりが活けてある。きっと、胸に当てた聴診器から聞こえてくる鼓動もさざなみのようにかわいらしいものだったはず。
作者はいつもと変わらずに仕事に励みながらも、そういうかすかな季節の変化の機微を感じているのでしょう。同時に、掲句の「部屋」とは作者のこころそのもののメタファーでもあり、自身のかすかな変化にも意識を研ぎ澄ませているのかも知れません。
そういう意味では、作者にとっては俳句そのものが、自身のその時どきの在り様を浮き彫りにしてくれる、心の医者のような存在なのだとも言えます。あなたもまた、世間の喧噪に振り回されるのではなく、少しずつ変わっていく自分自身の在り様にこそ意識を向けていくとといいでしょう。
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今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
吐息と解放
今週のてんびん座は、追い詰められた重苦しいさから、一時的に解き放たれていくような星回り。
南海の孤島にたてこもり、180名の部下たちと特攻作戦に従事し、逃れられぬ死の呪縛の中で出撃命令を待つ、局限的な状況を描いた戦記小説である島尾敏雄の『出孤島記』。その小説の中には、特攻隊の基地のある浦の陰を描くとは対照的な筆致で書かれた、浦の外側、その外界へと抜ける岬の描写があります。
島尾にとって、この岬の鼻が特別の昂揚感と自由さとともに描かれたのは、その隣村に住むひとりの女性のためでもありました。言うまでもなくそれはのちの島尾夫人ミホだったのですが、この浦の外側へと抜けていく描写は、本来は決して交わりえない、軍という公的世界の規律が海=女性という自然の律動へと開けていく奇跡的な交わりの光景でもあったのです。
あなたもまた、そんな規律から律動への開けと軌を一にしていくところが出てくるのではないでしょうか。
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今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
日常三昧
今週のさそり座は、流行に乗っていくよりも、心の深い味わいへと降りていくような星回り。
「怒り妻蚊帳(かや)に大波立てて出し」の作者・桜井土音は大正時代の人で、農家としての仕事の傍ら、その日常などを題材に句を詠んだことから「土の俳人」と称された人。もちろん、ただ土の句を詠ったばかりでなく、掲句のように実に味のある句も詠んでいる。
まず「怒り妻」という出だしがいい。蚊帳の中の妻を愛するというのではないところが、なんとも痛快である。言ってはならない一言をつい漏らしてしまったのか、ひとり残された作者はこの時どんな表情を浮べていたのだろうか。それは蚊帳の暗がりの中で不確かなままだが、一つだけはっきりしていることは、作者の胸の内では「なぜ」と相手を責める気持ちよりも、ここまで相手を怒らせてしまった自分の愚かさを情けなく思う気持ちの方が優っていたのだろうということ。
こういう句を読むと、表面に出て華やかに活躍し、時代を風靡している作家と、本当の俳句だけから見たらどちらが立派なのか、ということをつい考えてしまう。あなたもまた、たとえ地味であったとしても生活の中にある自分なりのドラマを丁寧に掘り下げていきたいところ。
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今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
交友ゲームの再構築
今週のいて座は、いつも何気なくしてきたことを、少し違った形に再構築していくような星回り。
「カード・ダイアローグ」とは、カードで言葉を可視化して、フラットな対話の場をつくっていくためのメソッド。テーマを提示する「トピックカード」に対して、「引用カード(他者の言葉)」と「考えカード(自分の言葉)」を使い、順番にカードを出して話をしていくのですが、「書く⇒話す⇒聴く」という流れを繰り返すことによって、コミュ力が高い人に引っ張られたり流されることなく、フラットに議論していくことができるのだそうです。
また、他者の言った言葉や本のテキストを書く「引用カード」と自分の思ったことを書く「考えカード」を同じサイズにすることで、自他の考えを分けつつもそれらを等価値に扱えるようにしておくことで、誰が言ったかではなく、議論そのものに集中できるのも特色。
さらに、各カードには書き込んだ時間も記録できるため、さながら楽譜のように後から議論を時間軸に沿って再現することもできるなど、会話の可能性を広げてくれる工夫と創意がちりばめられているのです。あなたもまた、会話であれデートであれ睦み事であれ、まるではじめてそれを行うかのように、新鮮な気持ちと新たな創意工夫とともに取り組んでみるといいでしょう。
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今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
大きなリズムと小さなリズム
今週のやぎ座は、波打つムーブメントを、どうにか自分の腑に落としていこうとするような星回り。
「箱眼鏡」は、水面上から水中を透視できるように箱の底にガラスやレンズを取りつけたもので、漁師はこれで海中をのぞいて魚や貝などをねらいます。「もりあがる海に押しつけ箱眼鏡」(光部美千代)は、漁師の道具の使い方を的確にとらえており、海が単に波打つだけでなく時どき「もりあがる」瞬間があって、そのタイミングで箱眼鏡を押しつけているのです。
いわば、一句の中で大自然である海と人の力が拮抗している訳ですが、シンボリズムの世界では海は集合的無意識の象徴であり、それを踏まえれば、「箱眼鏡」はそれが盛り上がった瞬間を捉えるインターフェイスであり、個人的なリアリティへと落とし込むための物語化のための装置といったところでしょうか。
ある意味で、海にのまれたり、流されたり、溺れてしまうのではなく、その奥底にある自分なりの獲物をどう捕まえていけるかどうかが試されるのが「箱眼鏡」という道具の面白さなのかも知れません。あなたもまた、社会や時代の波を無視するのでも過剰に適応するのでもなく、自分なりの仕方でその本質を捉えていくべし。
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今週のみずがめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
現実逃避or現実脱出
今週のみずがめ座は、存在は体感しているのに、これまで直面せずにきた現実をスッと浮き彫りにしていくような星回り。
坂口恭平は、自身の思考の軌跡や原体験について綴った『現実脱出論』の中で、実際に彼が子供の頃にやっていた「新聞の折り込みチラシに入っているマンション広告の間取り図に上から落書きして、自分の理想の部屋を描く」という遊びを紹介しています。
この遊びは少しずつエスカレートして、「斜め四十五度の線を部屋の角から伸ばして「天井高」を作り出し、架空の二階建てのマンションを作ったりするようになった。紙の上なのに、立体的に空間を作り出せることに喜びを見出していたのである。さらに、二点透視図法を覚えてからは、空中に電車が走る透明のチューブが縦横無尽に張り巡らされた未来都市を描きまくっていた。」という。
坂口は同書で現実逃避と現実脱出を区別した上で、先のような遊びを後者に位置づけています。すなわち、「本人の意図とは裏腹に現実の存在感を強化してしまう」のが前者だとすれば、後者はこれまで「現実的ではないと切り捨ててきたことを直視してみる」ことなのだ、と。あなたも、どうも自分がピンとくる現実とはこういうものらしいという感覚に、具体的なカタチや輪郭を与えていくことがテーマとなっていくでしょう。
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今週のうお座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
日陰の花
今週のうお座は、人が目を向けない美しさにこそ、目を向けていこうとするような星回り。
「向日葵にとりどりの花のあはれかな」(杉本禾人)で詠まれているのは、庭の花園に種々雑多な夏草の花が咲いているけれど、その中で王者のごとく突っ立っているのはいちばん大きな向日葵(ひまわり)で、その他の夏草はどこか気圧されているように咲いている情景。
ただし、作者はその向日葵の王者のごときには興味を抱かず、その下にあるところの他のくさぐさの花の方に感じるものがあったのでしょう。もちろんくさぐさの花と言っても、それぞれ異なる花の特色を備えて、おのおの姿態をつくしている訳で、それがなかなかにあわれげに見えたのかも知れません。
そして恐らくそれは、作者がまだ幼い頃に孤児となり、その姉にあたる人はさらに苦しい立場に身を置いていたという、きわめて不遇な境遇にあったということも大きく影響していたはずです。あなたもまた、かりそめの栄華よりも自己の安んずるところをこそ大切にしていくべし。
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