今回のビジネス女子マナーは、繊維メーカー勤務の横川智子さん(仮名・27歳)からの相談です。

「毎朝、会社で着る服に悩んでしまいます。オフィスで下品と思われない薄着のマナーを教えてください」

今年はデザイントップスが大流行り。オフィスの定番の白シャツやブラウスも、背中が広く開いたものや肩が出るオフショルダーなど、凝ったデザインのものが多くでています。これは会社に着て行っていいのだろうか……と悩みつつ着ている、という人も多いよう。
また、ノースリーブは涼しいけれど、二の腕の太さと脇が気になる、という人も。
自分らしく、快適に仕事をしたい、でも、ビジネスマナー的には……?ルールとして知っておきたいですよね。鈴木真理子先生に聞いてみましょう。

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暑くてもそうでなくても、生足は基本NG

真夏日が続いています。日差しが強く、湿気も高く、通勤や勤務時間中の外出がキツイ時期です。熱中症にならないよう日差し対策のひとつとして、薄着にならざるを得ませんね。しかし冷房の効いたオフィスでは、マナーが求められます。

まず、ビジネスファッションのルールとして頭に入れておいて欲しいのが、生足はオールシーズン、基本的にNGであるということ。ペディキュアを自慢したいのか、「オフィスで生足にサンダル」の女性をしばしば見受けます。しかし、ビジネスシーンには好ましくありません。生足はカジュアルな印象。つまり、オフィシャルな雰囲気が損なわれるのです。

この暑いのにストッキングなんて履いていられない、という人もいるでしょう。そういう人は、冷感加工や涼感加工をされたものをチョイスしてみてください。ストッキングを履かなくてもわからない、パンツスタイルをセレクトするというのも手ですね。

デザイントップスは露出面積に注意

今年のトップスは、スモックのような形をしていたり、体が服の中で泳ぐようなビックサイズだったり、ボリューム感があって、ピタッとしているものよりも涼しくていいですね。ただし、後ろ身頃を下げて、襟足に空間を持たせて着る「背抜き」トップスやオフショルダーは、ビジネスシーンでは避けるのが賢明です。

オシャレな女性が見れば、それがトレンドなのだとわかるでしょうが、一般からすると、洋服がズレ落ちている、だらしがない、という印象を持たれかねません。透明のものや、見せてもいいようなデザインになっている肩紐のブラジャーもありますが、見せられている方にとっては、やはり、「見てはいけないもの」を見せられている気になるのです。
ビジネスシーンでは、「生肌を感じさせない」ことがマナーだと覚えておいてください。

背中がVに開いているもの、また、フロントの開きが広いものも同様です。露出面積が広ければ、その分「生肌感」が増えてしまいます。ご自身で着ていて、落ち着かない、服のことが気になる、という時点で、それは本人も仕事向きの服ではないと思っているということではないでしょうか。何度も言うように、オフィスのファッションマナーの軸となるのは、オシャレではなく身だしなみです。「きちんとして見えるかどうか」を第一に考えてみてください。

薄手の素材には、インナーを必ず挟むべし

薄手のトップスやボトムは涼し気です。しかし、下着が丸見えなのは、目のやり場に困ります。以前、ブラジャーのレースが丸見えのシフォンのブラウスを着ている中年女性がいて、男性陣は困るだろうなぁと思いました。「私のこと、見てたでしょ!」なんて、セクハラ呼ばわりされたら、彼らもたまりませんね。

薄手のトップスを着る場合には、キャミソールやタンクトップなど、下着の上に1枚挟んでください。今は、汗を吸収して速乾してくれたり、熱を発散して涼しく感じさせる高機能素材のインナーも数多くでています。それらをぜひ利用してください。

白いスカートやパンツを履くときにも、下着が透けていないかをチェックしてください。色ばかりでなく、体のラインに沿ったデザインのものは、下着のラインが響くものです。パンツの場合、膝上までは裏地がついていてカバーしてくれ、でも、下部分は下地なしで涼しい、といったものもありますね。買い物の際は、必ず試着をして、それがオフィスで着られるかどうか、確かめてみてください。

あからさまに暑くて辛い、という風情を出すのもビジネスマナーとしてどうかと思うからこそ、涼しくありたいと思うわけだが。



■賢人のまとめ
盛夏のビジネスシーンに涼感のあるファッションは好印象です。ただし、生肌を感じさせる、露出が高いものは基本的にNG。高機能素材などを賢くチョイスして、「本人は涼しく、見た目はきちん」とを心がけてください。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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