NHK朝ドラ『風、薫る』で視聴者をメロメロにした28歳俳優。退場後の生歌唱でさらにファンを増やしたワケ
陸軍人である吾郎が退場した第22週放送を踏まえ、トーク番組『土スタ』(NHK、2026年8月29日)に甲斐が出演したことも印象を強めた。吾郎役は、上坂演じる主人公・大家直美とのラブコメ的発端から夫婦生活まで、視聴者の心を温めた。
◆ぼた餅男のギャップにキュン!
2026年前期の連続テレビ小説である『風、薫る』の最終回(2026年9月25日)が放送されたが、明治時代の(主に)東京府を舞台にした本作には実に多彩な登場人物たちがひしめいていた。
物語の要所でそれぞれの新風を吹き込んだ彼らの中から、勝手にMVPを選んでみたい。
基準となるのはやはりギャップだろうか。ギャップはその人の個性際立つ魅力になり得る(その逆もまた然り)。初登場から退場までの間、もっともギャップが大きかった人物は、陸軍二等軍曹である小川吾郎(甲斐翔真)だったと思う。
主人公の看護婦・大家直美(上坂樹里)と夫婦になる吾郎の初登場はどんなだったか?
第13週第63回、直美が勤務する帝都医大の内科病室に軍服姿の吾郎がやってくる。軍人らしく堅苦しい動作で入ってくるのだが、友人を見つけた途端にさわやかな笑顔になる。まずこのギャップ。引きのカメラも思わずポンと寄っていた。
吾郎は友人のためにぼた餅を持参するのだが、このぼた餅男のギャップにさらにキュン!
◆退場後の歌唱パフォーマンスにメロメロ!
吾郎はさっそく、ぼた餅を食べるよう友人に促す。そこに直美がやってきて、ぼた餅などもっての他だときつく注意する。
ムッとした吾郎はとっさに「女ならもっと優しく言い方ってもんが」とあからさまに差別的な発言をしてしまうのだが、そこに悪意が含まれていないことはあとの場面でわかる。
第65回、再度見舞いにきた吾郎は、廊下にいる直美に駆け寄る。彼は看護婦という職業があるとは知らなかったと素直に謝る。
そしてむしろ、直美のことを尊敬し始めた眼差しを向ける。悪気はないし、悪い人でももちろんない。
ほんとはいい人というギャップが瞬発的に描かれたことで、視聴者はすんなり吾郎ファンになることができた。
