男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「『このお店、よく来るんだよね』という発言はNG?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:「西麻布で飲む=チャラい」と思われた…?2回デートしてノリノリだった女にバッサリ切られた理由




浩紀と出会ったのは、友人に誘われてて参加したホムパだった。

会場はタワーマンションにある居住者専用の素敵なパーティールームで、男女10人くらいが集まっていた。

その中でも、身長が高くて目立っていた浩紀。

「初めまして、浩紀です」
「初めまして、舞香です」
「主催者の友達?」
「いえ、女友達に呼ばれて来たんです」

一度話しかけられたものの、この会ではこれ以上の会話もなく、ほぼ話せないまま終わっていた。

しかし後日、主催者の人が作ってくれたグループLINEから私を見つけてくれたようで、個別で連絡が来た。

見た目も悪くないし、性格だっていい。肩書もいい。

だからデートに応じたのだけれど、二度デートをした結果、“この人って微妙だな”と思ってしまった。


初デートでこれは微妙。女がデート前にされると嫌なこととは?


A1:駅待ち合わせからの、そこでピックアップ。


個別で連絡を取り合ってから、しばらくLINEのやり取りが続いていた私たち。そんななか浩紀から食事へ誘ってくれたので、デートをすることになった。

最初は、心を踊らせていた。しかし前日彼から来たLINEを見て、思わず「え?」と声に出してしまう。

― Hiroki:今週土曜、よろしくね!18時50分に広尾駅集合でどうだろう?近いけど、そこからタクシーで一緒に行こう。


「まさかの…駅集合なの…?」

移動は基本的にタクシーだし、駅集合は面倒だ。でも初デートでお金のかかる女だと思われたくないし、タクシーで行くことは極力隠したい。

本当はお店の名前を教えてほしいけれど、そこまでよく知らない間柄の相手に店名を聞くのも微妙である。

なぜならお店のレベルで、デート相手のレベルを推測するような人に思われても嫌だなと思うから。

― 舞香:わかりました!楽しみにしています。


当たり障りのない返事をし、当日、私は家から広尾駅までタクシーで行き、駅の前で降車して彼を待った。

ちなみに彼が予約してくれていたのは少量多皿系中華の『蓮 de series』で、気になっていたお店だった。




「浩紀さんって、グルメなんですね」

最初店名が送られて来なかったので、どこへ連れて行かれるのか若干不安だった。けれども、こんな素敵なお店でひと安心だ。

「食べることが好きなんだよね。舞香ちゃん、何が好きか分からなくて…」
「私は何でも好きですが、こういう雰囲気のお店、大好きです♡」

お料理も美味しいし、浩紀さんもいい人だ。

― 良かった、楽しい。

そう思っていた。けれども住んでいる場所の話になり、少し驚くことがあった。

「舞香ちゃんは、普段どの辺りで飲むことが多いの?」
「お家が神泉のほうなので、意外に渋谷とかもありますよ。代官山も多いかな。でも十番、六本木もあるし…どこでもって感じですね。浩紀さんは?」
「僕は家が広尾だから、結局この界隈になっちゃうんだよね」

― あ…。浩紀さんのお家が、近いのね。

ただ、ここは西麻布。美味しいお店もたくさんあるし、2軒目も行きやすい。だから今日は偶然、彼の家が近いところだったのかもしれない。

「西麻布って、美味しいお店多いですもんね。雰囲気も素敵だし」
「そうなんだよね!決してチャラついているわけじゃないからね(笑)」
「わかってますよ〜」

初デートのお店を、彼の家があるエリアにしたことに対して、きっと下心はないのだろう。そう思うことにした。

「舞香ちゃんって、すごく話しやすい子なんだね」
「そうです!よく誤解されるんですけど、意外にイイ奴でしょ?」
「うん、本当に」

結局この日は近くのバーへ移動し、深夜1時くらいまで飲んでいた。

楽しかったし、いいデートだったことに間違いはない。でも次のデートで、私はちょっと冷めてしまった。


二度これをされたらアウト…。女が男を見切った理由は?


A2:“俺”のエリアに毎回呼びつけられるのは嫌だ。


初デートが楽しかったので、すぐに二度目のデートをすることになった。けれどもデート前日に来たLINEで、私はまたモヤっとすることになる。

― Hiroki:舞香ちゃん、明日もまた広尾駅に19時でどう?ちょっと遠いから、一緒にタクシーで行こう!


「え…。また広尾?なんで?」

どうして毎回、“俺”のエリア指定なのだろうか。しかも前回、私は神泉に住んでいると伝えていたはず。

お店が近いならばいいけれど、どうも2軒目に“あわよくば…”的な発想が見え隠れしてしまう。

しかも毎回駅集合の意味がわからない。直接お店へ行きたくて、私はハッキリと彼に伝えてみた。

― 舞香:わかりました。ちなみにお店の場所ってどこですか?教えていただければ直接行きます!
― Hiroki:西麻布交差点を越したあたりなんだけど、場所がちょっとわかりにくいかもだから拾っていくよ〜


「はぁ…。何なんだろう」

もう一度お店を聞くのも面倒で、私は半ば諦めの境地で、再びタクシーで広尾駅まで向かい、そこで降車して彼を待った。

そして彼がこの日予約してくれていたのは、港区民が全員大好きな『田中田』だった。




「あれ?ここ移転したんですか?ゴージャスさが増してますね!すご〜い♡」

― 店名さえ教えてくれれば、直接自分で来たのに!

そう思いながらも浩紀にそのことを伝えるのすら面倒で、私はもう何も言わないと決めていた。

毎回自分のエリアに呼び寄せる男。

これが意外にモテないことを、この人はきっと知らないのだろうと思ったから。

「舞香ちゃんって、本当に可愛いよね」
「ありがとうございます♡浩紀さん、ここのお店よく来られるんですか?」
「うん、移転前から結構来てるかも」
「じゃあ常連さんだ」
「一応、そうなるかな。上にバーもできたから、使い勝手がいいんだよね」

― あぁ、この人毎回、自分のエリアに呼び寄せているのね。女の子がどこに住んでいて、どこなら来やすいかとか考えてないんだろうな。

素敵なお店だから嬉しいけれど、デート前にせめて「どの辺りがいい?」とか聞いてほしい。

「どこでもいいです」と答えると思うけれど、事前に一言あるかないかで、全然違う。

結果として食事も美味しいし、会話も楽しいからいいのだけれど、拭えない下心に、私の気持ちはすっかりクールダウンしていた。

だから食事が終わり、“2軒目どうする?”的な流れになったとき。

「舞香ちゃん、この後なんだけど…」

彼の家に誘われるのが嫌で、私は極力安全で移動も少なくて済む、店内のバーを指定した。

「せっかくだから、上のバーに行ってみたいです♡」
「え、ここの上の?」
「はい。ダメですか?」
「いや、もちろんいいよ。移動してもいいかなと思ったんだけど…上がいい?」
「はい♡」

本当は、どこまで下心があったのかわからない。

でも初デートや二度目のデートで、男性側の自宅エリア近くに呼び寄せられると自然と身構える。

仮に下心があったとしたら、この作戦はむしろ失敗だと思う。

そして男の人の下心が垣間見えると、女性は急に冷めるということをぜひ教えてあげたい。

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▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

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