【浮気事件簿】過去のスマホはパンドラの匣だった!?完璧家事メン夫の裏の顔〜その1〜
探偵歴10年以上、浮気調査に定評があるリッツ横浜探偵社・山村佳子が目撃した、男と女の浮気事情。
パートナーがいる男女の恋愛の詳細を、美人探偵・山村佳子がその事件簿から紹介します!
浮気がバレた後の夫婦関係、浮気調査のポイントについても語ります。
☆☆☆
今回の依頼者は、久永真美子さん(仮名・40歳)。8歳の娘がいるワーキングマザーです。大手広告代理店の営業職とのことで、かなり“やり手”という印象。ネイビーブルーのカジュアルなスーツに、ヨガで鍛えたスリムなボディーを包んでいます。
ワンレンボブにアートな印象のイヤーカフが光っており、バッグは人気ブランドの新作ボストンバッグ。ハイブランドの非売品のトートバッグにはリンゴのマークのPCが無造作に突っ込まれており、デキる女オーラがハンパないです。
私に対しても、営業スマイルを絶やさず、何が起こったかをまとめた時系列を示したメモを読みながら、話し始めました。
「まずは、夫について説明します。私たちは結婚10年で、夫は5歳年上の私の元上司です。彼の方から告白されて、交際を開始。真面目なことだけが取り柄の男です。私はホントに曲がったことが大嫌いで、私たちの業界は経費をネコババする人も少なくないのですが、夫はとにかく潔癖。そういうところが評価されて、誰よりも早く出世街道を走っています」
とにかく真面目な旦那様は、家庭的でもありました。娘の誕生を涙を流して喜び、産後3か月は真美子さんに一切の家事をさせなかったといいます。
「夫は義母にネグレクトされていたので、自分の家族に対する愛情とケアがハンパない。結婚してから8:2の割合で、夫が家事を負担しています。顔こそイマイチですが、非の打ち所がない夫なんです」
当然、今まで浮気の疑いは一切なく、誕生日と結婚記念日には高級レストランでディナー、長期休暇には年に2回、家族でインドやロシア、アメリカなどの絶景を旅しており、夫婦仲良くやってきたといいます。そこで私は、夫婦生活について伺いました。
「夫も私も淡白です。今まで付き合った歴代の彼は、私の淡白さに激怒して別れていましたが、夫は違う。産後に私に性欲が起きなくても、『そのままでいいよ』と言ってくれて、それ以降の接触はほとんどありません。夫も夜にコーヒーや紅茶を飲みながら、音楽を聴いたり、本を読んだりしているのが楽しいのだと思っていました」
しかし、そんな日々が一変したのは、娘の通塾のためにスマホが必要になったこと
「夫のクローゼットに使っていないiPhoneがあると思い、引っ張り出しましたが、電池がへたっていたんです。電池を交換して電源を入れたら、夫の今のiPhoneと同期されたんです。すると、夫と見知らぬ女性が絡み合っている写真が、数百枚単位で出てきました。あまりにも気持ち悪かったのですが、写真を見ると、ウチの会社の社員もいるんです。『社内結婚は出世する。しかし、恋愛するヤツは出世しない。それは欲望の管理が甘いからだ』などとほざいていたのに、言っていることとやっていることが、全然違う」
そのスマホを見せていただきましたが、女性ひとりにつき、写真は8枚。几帳面な旦那様らしく、顔写真、全裸全身、胸、入浴……と一定のフォーマットがあり、そのルールに従って撮影していることが解ります。一番古い日付は、5年前の2014年。旧式iPhoneの容量が、すぐにオーバーしてしまい、それ以上はさかのぼれなかったとのこと。
「合間、合間に、家族旅行の写真が入っていますよね。この白人女性はロシアに家族旅行に行った時に交渉を持ったに違いありません。私、夫がホテルから抜け出していたことに、一切気が付かなかったんです。しかもこれは、夫の顔が一切映っていない。どうとでも言い逃れがデキるんですよ。なんかそういうところもサイコパスっぽくて怖い。そんな夫の子供を産み、10年間ものうのうと暮らしている自分を呪います」
あらゆる家事を完璧にこなし、共働きの妻を支える誰もがうらやむ夫だった。
妻が仕掛けた罠に、夫はすぐに乗っかってきて……〜その2〜に続きます