積丹町にある「田村岩太郎商店」。「朝うにぶっかけ丼」の看板が目印

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北海道・積丹エリアで今、イチバン熱いお店がここ、美国(びくに)の「田村岩太郎商店」さん。ウニ丼が食べられる店は積丹エリアにたくさんありますが、この店では、なんと「客自身がウニをすくってウニ丼を作る」んです! 名付けて「朝うにぶっかけ丼」。果たしてどんなウニ丼が食べられるのか? さっそく取材してきましたよ!

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■ 予約不可! 食べられるかどうかは運次第のウニ丼とは……

「田村岩太郎商店」があるのは、積丹町の役場所在地である美国(びくに)の中心部。札幌から行くと、市街に入って2つめの信号を左折すると、すぐ右手に見えてきます。劇画タッチの「朝うにぶっかけ丼」という看板があるので、迷うことはありません。駐車場も店の横と向かいに完備されているので安心ですよ。

店内には、実際に漁で使われる網やウキ、大漁旗などがディスプレイされていて、港町の食事店らしい雰囲気満点。その一角に、ありましたありました。薄オレンジ色のウニの身がたっぷり入った、巨大なステンレスのボウルが。

■ 自分でウニをすくう! ただし、チャンスは1回だけ!

「朝うにぶっかけ丼」(3800円。変動の可能性あり)。これはもうメニューというより、ひとつの「参加イベント」と表現したほうがいいかもしれません。だって、そこだけステージみたいな感じで、ウニをすくって盛りつけるだけなのに、不思議なくらいドキドキしてしまうのです。もちろんルールはごく簡単。ごはんの入った丼に「かす揚げ(おたま型のザル)」で塩水ウニをすくって乗せるだけです。ただし、すくうのは1回だけ。1回でどれだけすくえるかは、あなたの腕次第、というわけです。どうです? 想像するだけでドキドキしてきませんか?

上手な人は、ひとすくいでこれくらいのウニを乗せられます。コツは、慌てず、なるべくゆっくりすくうこと。下からすくうのではなく、横から少しずつウニを乗せるような感じですくってゆくのがイイみたい。店主のお父さんと弟さんが現役のウニ漁師で、漁があった日だけ食べられるというだけあり、ウニの鮮度と味の良さは折り紙つき。だから決して醤油はかけず、そのまま味わっていただきたい。新鮮なウニ本来の磯の風味と優しい甘みが堪能できます。

■ 「ぶっかけ丼」と通常ウニ丼の食べ比べもおすすめ

こちらは「ぶっかけ」ではない、通常の「生ウニ丼」(3400円)。「ぶっかけ」が、店主の家族が捕ってきたウニを使用しているのに対し、生ウニ丼は、漁協に入札して仕入れる高級なウニを使っています。もちろんこれも実に美味しい。ただ「朝うにぶっかけ丼」とは、また違った美味しさであることは確かです。その味の違いは、ぜひご自分で確かめてみてください。

■ 食べられるかどうか分からないのも「面白さ」のひとつ!

強調しておきますが、田村岩太郎商店の「朝うにぶっかけ丼」、予約はできません。そのため開店から並ぶ人も多いようですが、並んでも食べられるかどうかわからないのです。しかし、それすらも田村岩太郎商店を訪れる際の面白さのひとつ。ありつくこと自体がスリルと冒険に満ちた「朝うにぶっかけ丼」。この夏、味わえることを祈っております。

■住所:積丹町船澗132-1 ■電話:0135・48・6300(予約不可。営業時間中は多忙につきほとんど出ません) ■時間:10:00〜ウニがなくなり次第閉店(5月・9月は11:00〜15:00) ■休み:なし ■席数:32席(禁煙)