気を付けたい風邪、インフルエンザ…免疫力を高めるためにできること
老若男女関わらず疲労を感じる現代社会では、全身の倦怠感、肩こりなどの“肉体疲労”とやる気が出ない体がだるい、食欲がないなどの“慢性疲労”に分けることができます。
ご自身のタイプによって、食べ方・内容に気を付けないとストレス太りや生活習慣病になりかねないので注意しましょう。
今回は管理栄養士の筆者が、免疫力を高めるために摂りたい栄養素をご紹介します。
肉体疲労(筋肉疲労)のときに必要な栄養素肉体疲労は体内に“乳酸”がたまることで細胞が栄養や酸素を運搬しにくくなり、血液循環が悪く、身体全体のコリや疲労感、冷え性につながっています。
乳酸を撃退するには、消費されたエネルギーを補給して糖質の代謝に必要なビタミンB1(穀物・豚肉・大豆製品・ウナギなど)やB1の利用を高めるアリシン(にんにく・たまねぎ・ねぎ)、クエン酸(柑橘系・酢・梅干し)などを補います。
慢性的疲労(精神疲労)のときに必要な栄養素長期にわたり日常生活に支障をきたすほどの疲労感が続き、だるい、眠い、思考力低下の症状が現れます。過労により、活性酸素を増加させたり、免疫力を低下させたりすることがあります。
βカロテン・ビタミンC・E、ポリフェノールなどの抗酸化成分を多く含む緑黄色野菜、果物、きのこなどの植物性食品をしっかりとるようにしましょう。ストレスの消耗によるたんぱく質、ビタミンB群・Cを補います。
精神的に安定させるビタミンB群・カルシウム・マグネシウムを摂ろう神経の興奮を鎮め、精神を安定させる作用があります。不足するとイライラしてストレスを感じやすくなるので、必要量を摂取することが大事です。
(1)ビタミンB群の食べ物
ビタミンB群は、赤身肉・レバー・カツオ・マグロ・さんま・さば・あさり・シジミ・かき・卵・焼きのり・干ししいたけ・牛乳・納豆・豆腐・穀物・バナナ・さつまいもなど身近な食材に含有されています。
(2)ビタミンB群の働き
・ビタミンB1・・・糖質をエネルギーに変える働き、神経機能正常に保つ、消化液の分泌
・ビタミンB2・・・糖質・たんぱく質・脂質をエネルギーに変える働き
・ビタミンB6・・・たんぱく質の分解や再合成の働き、神経伝達作用、皮膚の抵抗力
・ビタミンB12・・・赤血球をつくる
精神的疲労のタイプにうなぎや焼肉などのスタミナ食では、効果がありません。かえって肥満の原因になるので自分がどのタイプか疲労の種類をチェックしましょう。
日頃の同じものばかり食べる、ダイエットしていると多様なビタミンB群を摂取することがむずかしいことが考えられます。多様なメニュー・多様な食材を選ぶ心掛けが、免疫力をアップさせてくれて若さを維持する食べ方に繋がっていますよ。
ビタミンB群で今日のランチを選んでみてはいかがでしょうか?
【参考】
※ 『オールガイド食品成分表2017 日本食品標準成分表2015年版(七訂)準拠』(実教出版)
【画像】
※ Syda Productions / shutterstock
【筆者略歴】
ユメカン
管理栄養士 総合病院勤務 一般企業の営業職を経て、アラサ―で管理栄養士になる夢を叶え、アラフォで病院栄養士の道へ。転勤族の妻・二児の母・自立した女性として心も身体もお肌も輝くアラフィフを目指す。 ブログ『夢の管理栄養士になったユメカンの日常』発信中。