職場の人間関係で悩む人が見直したい4つのこと
職場で感じる悩みやストレス。その理由は様々ですが、職場の悩みで男女共に一番多いのが“職場の人間関係の問題”という厚労省の調査結果があります。それだけ働く人は、職場の人間関係に悩んでいるわけです。
人は社会的動物ですから、周りと上手く折り合いをつけていかなければ生きてはいけません。でもそこが上手くいかないと、自分自身が辛くなってしまいます。
そこで心理カウンセラーでもあり、企業の研修サポートも行っている筆者が、職場の人間関係で悩む人が見直したい4つのことをご紹介します。
■相手のパーソナリティについて指摘していないか
人間関係が簡単に壊れてしまう場面として挙げられるのが、相手のパーソナリティを否定したり傷つけるような発言をした場合です。
例えば恋人や夫婦間でもそうなのですが、「あなたってそういうところあるよね!」といったように、性格的特徴をつくような発言をした際に、途端に相手から「じゃあ言うけど、きみもああいうところを直したら?」と言われ、ケンカがヒートアップしてしまった……そんな経験はありませんか?
人が最も大切にしているのが、自分のパーソナリティです。それはとてもデリケートな領域なのです。
業務の進め方で問題があって議論や指摘をする際、不満に私情を絡めてつい相手のパーソナリティまで踏む込むような発言をしてしまうこと。これは絶対に避けましょう。
■孤独のプレイヤーになっていないか
「自分には関係がない」「ここから先は担当範囲じゃない」といったように、仕事を進めるうえで自分と周りとの間に壁を作り、自分の世界だけで完結しようとする。あなたはそんな仕事の進め方をしていませんか?
独りで黙々と仕事をこなす職人さんでもない限り、多くの仕事は周りと連携をして進めるもの。ですが自己中心的であったり協調性がない人の場合、つい独りで仕事をしている気になって進めてしまいます。
結果、リレーションが上手く取れなくなり孤立して、周りとの関係性を悪くしてしまいます。特に業務が分担制のような場合は、あたかも自分独りで仕事をしている意識が強まってしまうので要注意です。
■他人の個性、多様性を認められているか
当たり前ですが、わたしたちにはそれぞれに個性があって、同じ人間は2人として存在しません。職場ではつい「みんなができてるんだから、あなたもできないとおかしい」といったように、横並びで他人を評価しがちです。
最近ではダイバーシティ(多様性)が提唱をされていますよね。様々な個性を持った人が集まる場所が職場なわけですから、自分とは違った価値観や個性、多様性があって本来当然なのです。ですが、そこを認め受け入れることができない人は他者理解に乏しく、人間関係で悩むことが多くなってしまいます。
職場では相手の一面性ばかりを見がちですが、実は自分にはない能力を持っていた……なんていう可能性もあるわけです。「色んな人がいて、みんな違っていい」そう個性や多様性を認められるようになることで、職場の人間関係も変わってきます。
■人の話をちゃんと最後まで聴けているか
あなたは上司、部下、同僚とのやり取りで、発信ばかりではなく受容もできていますか?
結論を早く出すことばかりに必死になって、相手の話を先回りして発言してしまう。または感情的になり先走って相手の話を遮って発言をしてしまうなど、置かれている状況にもよりますが、このように人の話を聴くのが下手、または苦手という方の場合、結果的に周りとコミュニケーション不良を起こすことになります。
人は誰しも自分の話をきちんと聴いてくれる人に好感を持ちます。良好な人間関係を築ける人というのは総じて相手の話を聴くのが上手なのです。あなた自身の発話と受容の割合はどうですか?
人が集まるところには何かしら問題は発生します。ですが冒頭にも書きましたが、人は社会的動物ですから周りと上手く折り合いをつけていかなければ生きてはいけないのです。
人間関係の悩みは多くの場合、自分の考え方や行動ひとつで変えられるものです。ぜひ自身の周りとのやり取りを見直してみてくださいね。
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【筆者略歴】
大間 秀章
大学や企業を対象に専任カウンセラーとして従事する傍ら、執筆活動も行っている。専門分野は人間関係、恋愛、キャリア、メンタルヘルス、人生論。保有資格は産業カウンセラー、気象予報士 など。