楽しい旅の帰りのスーツケースが他人のお土産で毎回パンパンというのも、ちょっと辛いですよね……。

大型連休目前。働く女性が気になるのが「旅行に出かけたら社内へお土産はやっぱり買わないといけないのか……?」ということ。女子マナー診断を担当してくださっている鈴木真理子先生から以前、「働く女性としての夏休みの社内のお土産は、最高2000円程度を目安に日持ちするお菓子を買うのがベストマナー」と教えていただきましたが、さて、大型連休は?

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GWの社内のお土産は「必須」ではない

 

夏季休暇と大型連休を比較するとき、大きく違う点がふたつあります。

ひとつは、その休みが有給休暇かどうか、ということです。

夏季休暇は、一部の大手メーカーなど、全社員一斉に「会社の休業日」として取得させる企業もありますが、基本的に社員の有給休暇です。
しかし、4月から5月にかけての大型連休は、たまたま土日と祝日が連続するだけで、基本的な会社の休日です。

また夏季休暇は、ほとんどの会社が抱えている仕事の状況に応じて、決められた期間内ではあるものの、個々に夏季休暇を取得させています。一方、大型連休は、全員で一斉にお休みする。

もちろん、有給休暇取得は会社員の権利ではありますが、自分が休むことによって、チームのメンバーに少なからず迷惑がかかります。だから、夏季休暇のあとは感謝の気持ちを込めたお土産が必要なのですが、大型連休はこれにはあてはまりません。
つまり、もし連休にどこかへ出かけたとしても、社内の方へのお土産は「必須」ではありません。たとえ、お土産を購入しなくてもマナー違反にはなりませんし、“会社の人になんてどうしても買いたくない”……という人も、重荷に感じる必要はないのです。

2日と6日に有給を使った人は社内にお土産を買うべし

しかし、そんな大型連休でも、社内にお土産を買うべき人がいます。それは、5月2日と6日に有給休暇を取得して10連休にした人。もちろん、4月28日に有給を取得する人も同様ですよ。

この場合は、おわかりのように平日に出社している方に、なにがしかの迷惑がかかっている場合があります。たとえ迷惑がひとつもかかっていなかったとしても、「私が働いているのにあの子は休んでいる。ムカつく」と不満に思う人はいるもの。ここはマナーだと思って、お土産を購入してください。夏休みのお土産のときにご紹介した、「最高額2000円をめどにした日持ちするお菓子」がベストです。繰り返しになりますが、お土産そのものではなく、「感謝の気持ち」を表すことが大切なのです。

お土産をいただいたら感謝する

とはいえ、お土産を買ってきてくださった方に「別に大型連休のお土産はマストじゃないし、本人が勝手に旅の自慢をしたくて買ってきただけでしょ?」なんていう気持ちで、もらってあげる、というような態度で接してはいけません。

また、自分は買ってこなかったから、もらわない、手をつけない、というのもマナー違反です。

社内のお土産は、渡すときには「感謝の気持ち」ですが、受け取るときは「コミュニケーションツール」なのです。

どちらに行かれたのですか? 楽しかったですか? おいしいものは召し上がられましたか? というように、2〜3分、質問形式の会話をするだけで、職場の人間関係はまろやかになるものです。

また、食べ物をいただいた際には、「先ほどはお土産をいただき、ありがとうございました。とてもおいしくいただきました」(食べていない場合には、「家に帰ってゆっくり味わわせていただきます」)など、業務メールの末尾にひとことお礼の文章を添えるとエレガントです。

大型連休のあとは5月病になりやすいといわれるなど、社内で揉めなくても仕事への意欲そのものが低下しがち。仕事が辛くなる、その要因のほとんどが人間関係のトラブルです。お土産を通じて、社内の方と、積極的なコミュニケーションを図ってみてください。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『もう必要以上に仕事しない!時短シンプル仕事術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部に迫るヒットとなる。 

(株)ヴィタミンMサイトhttp://www.vitaminm.jp/