命の危険! 冬は、こんな症状に要注意!

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病気には、季節によって起こりやすい病気があります。たとえばインフルエンザやノロウイルスは冬に多く、とびひや、はやり目(流行性結膜炎)は夏に多くみられます。ここでは、冬に起こりやすく、命を落としかねない病気について、少し解説したいと思います。

■冬に注意したい、2大疾患

・心筋梗塞

〈発生メカニズム〉
寒いところへ行くと、無意識のうちに体は熱を奪われないようにするために、血管をぎゅっと収縮させ、心臓の血管も同じように、細くなります。このとき、もともと血管に狭いところがあると、さらに細くなってしまうために、心臓に十分な血液を送れなくなってしまうことがあります。すると心臓の筋肉が酸素をもらえず、動きを停止してしまう、これが心筋梗塞の原因です。

〈症状〉
典型的な症状としては、胸(特に左側)が強く締め付けられる、呼吸が苦しくなる、冷や汗がでる、左肩や左顎が痛い、などがあります。痛む場所は心臓がある場所とは限らず、左顎が痛くて虫歯かと思って歯医者に行ったら、じつは心筋梗塞だった、という怖い話もあります。

・大動脈解離、大動脈瘤破裂

〈発生メカニズム〉
体の中心にある太い動脈が裂けてしまったり、破裂してしまったりする病気です。冬は血圧が上がりやすいので、夏よりも起こる頻度が高くなります。

〈症状〉
典型的な症状としては、背中に突然裂けるような激痛が走ります。あるいは、血管が裂けて全身に血液を送れなくなると、突然気を失ったり、手足に力が入らなくなったり、しびれたりするなど、一見脳卒中と思われる症状が出ることもあります。運が悪いと、体の中で出血多量になり、そのまま突然死してしまうこともあります。また、慢性的にじわじわと血管が裂けてしまうこともあります。

■2大疾患に注意が必要な人の特徴

これらの病気は、夏にももちろん起こりますが、冬には特に注意が必要です。どちらも動脈硬化が進んでいると起こりやすいので、喫煙している人、糖尿病や高血圧、脂質異常症がある人、肥満ぎみの人では、要注意です。命に直結する怖い病気ですので、上記のような症状があったら、早めに病院を受診してご相談ください。

(28歳女性医師/Doctors Me)

※画像は本文と関係ありません