北欧ブロンド美女は幻想だった―ホントは何色?

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北欧女性と聞いて浮かぶイメージといえば、金髪に青い目。ノルウェーの町を行きかう女性の多くが、美しいブロンドヘアを風になびかせています。しかし、男性に目を向けてみると、あれ? ブロンドの男性ってほとんどいないんです。これってどういうことでしょう?

■大きくなるにつれ変わっていく髪の色
ノルウェー人の多くが、生まれたときはとても明るいブロンドの髪をしています。髪の色素がとても薄いうえ、髪の量が少なく細いので、まるで髪の毛が生えていないように見えます。逆に、日本人のように生まれた時から髪の毛が黒々と生えている赤ちゃんを見ると、ノルウェー人はびっくりしてしまいます!

2歳を過ぎるころになると、髪の毛はだいぶしっかりして生えそろってきます。プラチナブロンドという言葉がぴったりな、とても明るい髪の色をした子どもも多く、まさに皆さんがイメージする「北欧の子ども」といった雰囲気です。

そんなブロンドヘアも、成長するにつれ、色が濃くなっていくことが多いのです。ティーンエージャーになるころには、子どものころのブロンドヘアからはすっかり様変わりし、茶色い髪の毛になる人が大半です。茶色と一口に言ってもさまざまなトーンがありますが、赤味の少ないアッシュ系の茶色い髪の毛の人が多いように見受けられます。

中には、大人になってもブロンドヘアのままの人もいますが、成人女性のブロンドヘアのほとんどが、カラーリングやブリーチによるものなのです。ノルウェー人の男性で髪の毛にカラーを施す人はあまりいませんので、男性と女性におけるブロンドヘアの出現率に差が出てくるというわけです。

■カラーリングは自宅で手軽に
ノルウェーは物価が高いことで有名ですが、美容院も例外ではありません。カットとカラーで2万円以上かかるのが一般的です。そのため、自宅でセルフヘアカラーを行う人もたくさんいます。化粧品店や衣料品店、一般のスーパーでも様々な種類のヘアカラー剤を購入することができます。

ブリーチ剤でブロンドにするとなると、髪がとても傷みそうな気がしますが、実は、ノルウェー人の薄い色の髪の毛はとても丈夫なのです。一般的な日本人の髪の毛に比べると、とても細くて頼りなさそうに見えるノルウェー人の髪の毛ですが、強く切れにくく、まるで釣り糸のようです。

また、茶色といっても色素の薄い髪の毛ですから、日本人の黒髪をブロンドにするのに比べると、髪へのダメージも少なくて済みます。

■バリエーション豊富なヘアカラー
圧倒的に人気のカラーはブロンドですが、それ以外にも、地毛の茶色を活かしている人や、黒髪に染めている人もいます。また、元の髪の色が薄いためカラフルなカラーにも染めやすく、ピンクや青、緑など、思い思いの色に染めている人もいます。

日本のように髪の色が学校や職場で問題になることはありませんが、年齢が上がると、やはり定番のブロンドや茶色に落ち着く人が多いようです。

年を取るにつれ、白髪が出てくるのはノルウェー人でも同じこと。白髪を染める際には、黒や茶色など濃い色に染める人もいますが、地毛より明るいブロンドに染める人もいるんです! ノルウェー人の白髪は、日本人の白髪のように黄色みがからずに真っ白になるケースが多いため、あえて染めずに美しいシルバーグレーを活かす人もいます。

■紫外線に弱い髪の色
濃い茶色の髪の人でも、夏になると「染めたのかな?」と思うくらい明るくなることがよくあります。これは子どもでも同じで、こんな小さなうちからヘアカラー? と不思議に思うかもしれません。

実は、色素の薄い髪の毛は紫外線に当たると退色しやすいのです。そのため、カラーリングをしなくとも、特に表面の髪の毛の色が薄くなり、まるでメッシュを入れたかのような雰囲気に!

「髪は女性の命」はノルウェーでも同じ。化粧にはあまり手間暇かけない人が多い印象のあるノルウェー人女性ですが、美しい髪を保つためのケアには余念がありません。

(文・御供理恵)