現在14歳の娘さんを育てるタレントの神田うのさん。セレブで自由奔放なイメージから「母親っぽくない」と言われ続けたものの「誰よりも母親をしてきた」という自負があるそう。娘にきょうだいを作ってあげたいと3度の流産と不妊治療をしていた過去がある神田さん。妊婦に向けられる世間の批判の声に「もっとあたたかく見守って」と語るわけとは。

【写真】「ドレスのスリットから美脚がチラ見え」51歳現在も真っ赤なヒールが似合う神田うのさんの近影(5枚目/全7枚)

「母親っぽくない」と言われ続け

── 娘さんが生まれてから生活をガラリと変え、子育て中心の日々を送られていると伺いました。それでも育児に関して、世間から非難の声を浴びることもあったそうですね。

神田さん:何を言われても、私自身は「誰よりも母親をしている」という自負を持って子育てをしてきたつもりです。でも振り返ってみると「母親っぽくない」とずっと言われてきたように思います。

「現在はスニーカーコーデもお手のもの」娘さんの夏休みをアクティブに過ごす神田うのさん

「難産そう」「母乳でなさそう」など、本当にいろいろ言われてきました。「お尻が小さいから骨盤も小さいだろうし、赤ちゃんが出てこられないんじゃないの」と言われていたんですけど、人間の体ってすごいですね。お産の最後に骨盤がガッと広がって、助産師さんにも褒められました。バレエを続けてきたおかげで体が柔らかいのがよかったようで、3時間の超安産でした。

産後の入院中に、「お母さんはゆっくり休んでほしいので夜は赤ちゃんを預かります」と助産師さんから声をかけていただいたのですが、私は1晩たりとも娘を預けませんでした。「娘のことは全部自分でやろう」と思っていましたし、何より娘と離れるのがいやでした。

── 産後は仕事をセーブしていたそうですね。

神田さん:レギュラー番組や、自分がプロデュースしていたファッションなどのお仕事以外はお断りしていました。1日24時間しかないなかで、仕事と子育ての両方をがんばることは、私には難しくて。私の親も「子育ては今しかできないよ。いちばんかわいいときを見逃しちゃダメ」と言ってくれて、夫の理解もあって子育てを優先してきました。

仕事があるときは、母やシッターさんの力を借りていたのですが、みなさんの心配とは真逆で、娘が溺れるんじゃないかと心配したくらい母乳が出ました。シッターさんが娘を現場に連れてきて、途中、授乳タイムを作りながらウェディングドレスを着て撮影しましたね。

── インスタグラムのストーリーズで娘さんのお弁当を投稿されています。彩りや栄養バランスが考えられていて、とても美味しそうです。

神田さん:今でもお料理ができないと思われているようなのですが、きっとそれは結婚前にほとんど料理をしてこなかったからでしょうね。料理が上手な夫に感化されて結婚後から料理を始め、娘の食事は離乳食から始まり、今もお弁当作りをがんばっています。

── 産後は長くしていた爪をだいぶ短くされたそうですね。

神田さん:ネイルを再開したのは産後5~6年経ってからです。ネイルは、妊娠前はすごく長かったのですが、万が一、ストーンが取れて赤ちゃんが飲み込んでしまっては大変だと思い、短くしました。自分史上、最短ネイルで「これでバッチリ」と思っていたんですけど、いざ娘を産んでみるとそれではまだたりなかったんです。

赤ちゃんのお世話が始まると、お顔をガーゼで拭くときに指先を使うようになって。自分史上、最短ネイルでも「まだダメだ」って。そこからは絶対に赤ちゃんの肌に爪が引っかからないよう深爪にしました。指の腹からちょっと爪先が出ている状態でも「まだたりない」と(笑)。そこから何年も深爪で生活していました。

「妊娠中のヒール」の真相

── 娘さんの妊娠中にヒールを履いていたことがバッシングされたと伺っています。妊娠中は、足のむくみや重心の変化があり、転倒を防ぐためにヒールは避けるよう病院などから言われることが多いかと思います。

神田さん:妊婦さんは「転んだら危ないからヒールを履かないほうがいい」というのは、私も知っていました。赤ちゃんが来てくれたことがすごく嬉しくて、妊娠がわかってからぺったんこのフラットシューズを張り切って何足も買ったんです。ところが、いざ履いてみると、歩くたびにカパカパ脱げてしまって。どこに力を入れて歩いたらいいのかわからず、何度もつまづいて転びそうになりました。フラットシューズを履くなら、底が柔らかいバレエのトゥシューズのほうがしっかり床をつかめていいなと思いました。

5歳からクラシックバレエを始めて、つま先に重心をかけて歩くことに慣れていたのもあったと思いますが、ヒールでバランスをとる体になっていたのだと思います。転倒しないために、あくまで自己責任でヒールを履いていたのですが、私の産前の印象から、自己中心的なイメージで取り上げられてしまいました。

ただ、お腹が大きくなるにつれて体のバランスがとりにくくなり、妊娠8か月以降はスニーカーを履くように。産後もそのまま、スニーカー姿で娘を追いかけました。さらに9年前にヘルニアの手術をしてからは、腰のことを考え、ファッションにもスニーカーを取り入れています。

── マタニティファッションについては、肌の露出や安全面の懸念から、批判の声がテレビに映る妊婦さんに向けられることが多いです。その様子を神田さんはどうご覧になっていますか。

神田さん:みなさん誤解しているようなので伝えたいのですが、芸能人が人前に出ているときに身につけているものは、ほとんどが衣装です。事情がない限り、スタイリストさんが仕事上のイメージやその場に合わせたものを準備してくださいます。ステージにヒールで登場したとしても、きっとその直前で履き替えています。もし、批判を浴びそうな懸念がある場合は、マネージャーや現場のスタッフさんが表に出る前にひと声かけてあげるのも優しさだと思いますね。

表に出ているワンシーンだけ切り取られて、批判されてしまうのは本当に残念ですし、特に妊婦さんが非難の対象になるのは悲しいです。私は、お腹が大きくなってきた妊婦さんの姿を見るとまず「かわいいな」と思います。子どもって日本の宝ですよ。妊婦さんをもっとあたかかく見守って、みんなで「無事に生まれてほしい」と願ってほしいと思います。

娘の子育て「ダメなものはダメ」

── 神田さんが育児で特に大切にしていることは何ですか。

神田さん:私の親から、子育ては「1に愛情、2に愛情」と言われてきましたので、愛情深く接することを意識しています。私自身、厳しく育てられたのですが、子育てをしてその厳しさが愛情ゆえのことだったとわかるんです。親子関係が愛情で強く結ばれていたら、どんなことがあっても子どもは乗り越えていけると信じています。

── 娘さんのしつけもしっかりされているそうですね。

神田さん:みなさんから「甘やかしていそう」と思われているんですが、「これ買って、あれ買って」と娘が言って、義父母が娘にものを買い与えそうになっても、「買わないでください」とお願いしていました。これはお金の問題ではなく教育の問題だと思っていて、注意できるのは親しかいないんです。

小さい頃、お弁当箱におかずを詰めたあとに「こっちのお弁当箱がよかった」と娘が駄々をこねたときも、私は「もう詰めちゃったから今日はこれね」と言って貫きました。何度言っても聞かず、「絶対嫌だから変えて」と騒ぐと、パパさんは「わかったわかった」と根負けしてしまうんです。私は決して曲げないので、パパさんから「すごいね」と褒められます。

── 子育てをしていると、面倒を避けたくてついつい子どもの要求を飲んでしまうことも多くあります。

神田さん:わかります。子どもの言うことを聞いてあげるほうが簡単ですよね。でも、それを続けていたら我慢ができない子になっちゃうと思うんです。娘のことを「目に入れても痛くない」と思ってくれるのは、親と祖父母くらいで、社会に出たらそんなこと言ってくれる人なんていません。なんでもまかり通る世の中だと勘違いしないように、私は「ダメなものはダメ」と伝えてきました。14歳になった今は私も感心してしまうほど「ずいぶんしっかり育ったな」と思います。

── 娘さんはまもなく15歳になるそうですね。これまでの子育て期間を振り返ってみていかがですか。

神田さん:親になったおかげですごく鍛えられたと思いますし、私の母からも親になることについて学んで、娘からも学んでいると感じます。子育てを通じて私自身が娘に育ててもらっていますね。娘がもしいなかったら、きっと世間知らずのヤバい51歳になってたと思います。「年だけ取って、あの人イタいよね」と言うみなさんの声が聞こえてきそうです(笑)。

娘が生まれてから子育てを優先してきたのですが、子育ても少しずつ落ち着いてきましたし、娘も応援してくれているので、還暦に向けて今後はお仕事のアクセルも踏んでいけたらいいなと思っているところです。

取材・文:内橋明日香 写真:神田うの