FUMITO GANRYU 2026-27年秋冬コレクション「Suit(e)」──自由な選択から生まれる、新しい“揃い”

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服を「揃える」とは、どういうことでしょうか。ジャケットとパンツを同じ生地で仕立てること。あらかじめ決められた組み合わせを着ること。あるいは、色や素材を統一すること。FUMITO GANRYUが2026-27年秋冬コレクションで掲げる「Suit(e)/揃い」は、そんな固定された関係から少し離れたところにあります。

Courtesy of FUMITO GANRYU
今季、ブランドが見つめるのは、気温やシーンといった「その日の環境」と、気分やインスピレーションという「その日の感覚」。移りゆく日々と季節、そのグラデーションの中で、一人ひとりの自由な選択とスタンスによって生まれる、互換性を前提としたコンフォートなアンサンブルを提案します。

「Suit(e)」という、新しい“揃い”
コレクションタイトルの「Suit(e)」から想起されるのは、“Suit”という言葉です。スーツとは本来、複数の衣服が一組として成立するもの。しかし、FUMITO GANRYUが今季提示する「揃い」は、最初から完成した一組をそのまま着ることではありません。今日は何をするのか。どこへ行くのか。気温はどうか。そして、その日に何を着たいと感じるのか。そうした環境と感覚に応じて、自分自身で服を選択していく。それぞれのピースが互いに組み替えられる「互換性」を持つことで、選んだ結果として、その日だけのアンサンブルが立ち上がります。

Courtesy of FUMITO GANRYU
英語で記されたコレクションノートでも、そのアンサンブルは“based on compatibility”であり、“created by your own free choices and stance”と表現されています。

環境と感覚、その間にある服
興味深いのは、FUMITO GANRYUが服を選ぶ基準として、「環境」と「感覚」を並列に置いていることです。気温やシーンは、身体の外側にあるもの。一方、気分やインスピレーションは、その日の自分の内側にあるものです。

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服を着るという行為は、その二つの間にあります。寒ければ重ね、暖かければ軽くする。過ごす場所によって必要な機能を選びながら、その日の気分によってシルエットや組み合わせを変える。装いは決められた完成形ではなく、外側の環境と内側の感覚が交わるところで、その都度つくられていきます。

季節を、境界ではなくグラデーションとして捉える
コレクションノートに登場するもう一つの重要な言葉が、「グラデーション」です。秋から冬へ、冬から春へ。季節はある日を境に突然切り替わるものではなく、日々少しずつ変化していきます。そこに、その日の天候や場所、着る人自身の感覚まで加われば、同じ服を必要とする日は一日として同じではありません。FUMITO GANRYUは、そんな「移りゆく日々と季節、そのグラデーション」の中に服を置きます。

Courtesy of FUMITO GANRYU
だからこそ必要になるのが、異なる状況に応じて組み替えることのできる互換性です。一つの用途や一つの組み合わせに服を固定するのではなく、着る人の選択を受け入れる余地を残しておく。その自由度そのものが、今季のワードローブを形づくります。

「揃える」のではなく、「選ぶことで揃う」
「Suit(e)/揃い」というテーマから見えてくるのは、着る人と服との関係です。何と何を組み合わせるのか。その日、どのようなバランスを選ぶのか。そこには唯一の正解があるわけではありません。ブランドが提示するのは、完成されたスタイリングを一方向から受け取ることではなく、互換性を持つ服を通して、着る人自身が選択できる状態です。

Courtesy of FUMITO GANRYU
環境が変わる。季節が移る。気分も変わる。その変化に合わせながら、自由な選択とスタンスによって一つのアンサンブルをつくる。あらかじめ「揃えられた」服ではなく、選ぶことで、その人なりの“揃い”になる。FUMITO GANRYU 2026-27年秋冬コレクション「Suit(e)」は、変化し続ける日常の中で、服と人との新しい関係を描き出しています。