天女像の前に、アストンマーティン──日本橋三越「英国展」で出会う、英国ラグジュアリーの現在

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百貨店の1階に、クルマ。それも、日本橋三越本店の象徴ともいえる天女像の前に、3台のアストンマーティンが並んでいます。8月21日から30日まで開催される「英国展 日本橋三越本店 2026」に、英国のウルトラ・ラグジュアリー・ハイパフォーマンス・ブランド、アストンマーティン(Aston Martin)が登場。国の重要文化財に指定されている本館1階中央ホールに、「Valhalla」「DB12 S」「Vantage S Roadster」の3モデルを展示しています。

Courtesy of Aston Martin

ショールームでもモーターショーでもない、歴史ある百貨店という場所でクルマを見る。そこにはスペックや走行性能だけでは語ることのできない、アストンマーティンというブランドのもう一つの表情が見えてきます。

天女像の前に、3台のアストンマーティン
日本橋三越本店の本館1階中央ホール。吹き抜けの大空間にそびえる天女像は、1960年の創立50周年を記念して設置された、日本橋三越を象徴する存在です。その足元に今回、3台のアストンマーティンが並びました。

Courtesy of Aston Martin

歴史ある百貨店の建築空間と巨大な芸術作品、その中に置かれた現代の自動車。普段なら交わることのないように思えるものが一つの空間に共存する光景には、不思議な緊張感があります。クルマを単なる移動手段としてではなく、デザインや技術、素材、クラフトマンシップが結晶した一つのプロダクトとして見る。その視点に立つと、百貨店の中央ホールという場所も、少し違って見えてきます。

なぜ、百貨店にクルマなのか
今回の展示は、日本橋三越本店で開催される「英国展」の一環です。英国には、長い歴史の中で育まれてきた伝統やクラフトマンシップがある一方、ファッション、音楽、アート、デザインなど、新しいカルチャーを生み出し続けてきた側面があります。

Courtesy of Aston Martin

1913年に設立されたアストンマーティンもまた、そうした英国を象徴するブランドの一つ。最先端のテクノロジーとクラフトマンシップ、そして美しいスタイルを融合しながら、ラグジュアリー・カーを生み出してきました。英国の食や工芸、文化を紹介する英国展の中にアストンマーティンが存在することで、クルマもまた、現代英国のものづくりや美意識を伝えるクリエイションの一つとして浮かび上がります。

未来のアストンマーティンを映す「Valhalla」
3台の中でも、とりわけ象徴的なのが「Valhalla」です。ブランド初のプラグインハイブリッド・スーパーカーであり、アストンマーティンにとって技術のフラッグシップとなるモデル。今回が、ディーラーやブランドセンター以外の場所で一般公開される初めての機会となります。

Courtesy of Aston Martin

システム合計出力は1,079PS、最大トルク1,100Nm。0-100km/h加速2.5秒、最高速度350km/hという性能を備えます。しかし、日本橋三越でこのクルマを見る面白さは、その数字だけにあるわけではありません。未来的なフォルムを持つValhallaの背後には、長い歴史を刻んできた百貨店の空間と天女像がある。英国の自動車づくりが積み重ねてきた伝統と、ハイブリッドという現在のテクノロジー。その時間の重なりまで含めて眺められることが、この展示ならではの体験です。

3台が見せる、異なるラグジュアリー
同じアストンマーティンでも、並ぶ3台が示す個性はそれぞれ異なります。「DB12 S」は、モデル名の末尾に“S”を冠するハイパフォーマンス仕様「Sシリーズ」の一つ。最高出力700PS、最大トルク800Nmを発揮するV型8気筒4.0リッターツインターボエンジンを搭載し、パフォーマンスとラグジュアリー、日常的な使いやすさを併せ持つ次世代のスーパーツアラーとして位置付けられています。

Courtesy of Aston Martin

一方、「Vantage S Roadster」は、ドライバーを中心に据えたオープントップスポーツカー。手作業で製造されたオールアルミ製4.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンから680PS、800Nmを発揮し、ルーフはわずか6.8秒で開閉します。

Courtesy of Aston Martin

未来のテクノロジーを象徴するValhalla、優雅さとパフォーマンスを両立するDB12 S、そして走ることの楽しさを追求するVantage S Roadster。3台を同じ場所で見ることで、現代のアストンマーティンが考えるラグジュアリーの幅も見えてきます。

百貨店で出会う、英国ラグジュアリーの現在
ラグジュアリーとは、価格だけで決まるものではありません。素材を選び、技術を磨き、細部までつくり込み、そこにブランド独自の美意識を宿すこと。ファッションやジュエリーと同じように、自動車にもまた、長い時間をかけて培われてきたものづくりの文化があります。

Courtesy of Aston Martin

1913年の創業から100年以上。アストンマーティンは、英国に根差したブランドとして、スタイル、ラグジュアリー、パフォーマンス、クラフトマンシップを現在へとつないできました。そのクルマを、自動車のためにつくられた空間からあえて離し、日本橋三越本店の中央ホールで見る。天女像の前に並ぶ3台のアストンマーティンは、クルマを「走るもの」としてだけではなく、英国が生み出してきたデザインや技術、クラフトマンシップの現在形として眺める機会をつくっています。

Courtesy of Aston Martin

ショールームとは少し違う距離からクルマと出会うこと。それもまた、百貨店という場所だからこそ生まれる、ラグジュアリーとの新しい出会い方なのかもしれません。

【INFORMATION】
アストンマーティン「英国展 日本橋三越本店 2026」実車展示

会期:
2026年8月21日(金)〜8月30日(日)

会場:
日本橋三越本店 本館1階 中央ホール
東京都中央区日本橋室町1-4-1

展示車両:
Aston Martin Valhalla
Aston Martin DB12 S
Aston Martin Vantage S Roadster