「石は持って帰っちゃダメ」という話はよく聞く


【漫画】本編を読む

「石は持って帰ってはいけない」という話を聞いたことはないだろうか。河原や山の石など、子どものころはついつい持ち帰りたくなる衝動にかき立てられるが、大人たちから諭された経験を持つ人は多いはずだ。

拾う_P02


彼女の身に何が起こったのか?


異変に気づいた母がリコさんを問いただす


今回紹介するエピソードは、郵便局員のリコさんが集荷先のご婦人から聞かされた話と、自身が幼少期にあるものを拾い、不幸に見舞われてしまった体験を描いた漫画『拾う』である。本作を描いたのは、現役郵便局員である送達ねこ(@jinjanosandou)さん。郵便局員が経験した不思議な話を漫画化しているうちに、同僚たちから体験談や怪談が次々に舞い込んでくるようになったという。今回のエピソードもそのなかの1つだ。

■不幸を呼ぶ山の石と、手放せなかった謎の「何か」

N支店に勤めるリコさんは、ある荷物の集荷でご婦人宅を訪れた。荷物の中身は「石」だという。ご婦人は少し話しづらそうに「登山でこれを持ち帰ってから不幸が立て続けに起こって…」と教えてくれた。不安になって寺に相談したところ、山の管理者に返した方がいいとアドバイスされ、石を送り返しているのだという。

この話を聞き、リコさんにも思い当たることがあった。小学生のころの学校の帰り道、リコさんはある「もの」を拾ったのだ。それは汚れているのに「とてもいいもの」に思えて仕方なく、一度捨てられてもごみ収集車を追いかけて取り戻すほど執着していたという。

幼少期のリコさんが何に執着し、何を拾ったのか。送達ねこさんは「自分も描くうえで知りたくて聞いてみたのですが、伏せられました。災いの再演を今も怖れているから、とのことだそうです」と明かす。

■縁を傷つける?読者から寄せられた恐怖の体験談

本作が公開されると、「私の父も、山深いところにある川から石を持って帰り、金縛りにあったと言ってました」「河原の石は絶対に拾って持って帰ってはいけない、って昔から言われていました」など、大きな反響が寄せられた。

送達ねこさんは「『石を拾うと、縁に傷がつくと言われました』という興味深いコメントもありました」と語る。「縁に傷がつけば、出会うべき人に出会えず、逆に出会ってはならない人に出会ってしまう。たしかに石には特別な力が宿っていて、持ち主に影響を及ぼすという話を聞きます。お店で売られるようなパワーストーンは逆にいい意味で縁をもたらすといわれますし、たまたま拾った石で出会いが変わってしまうとしたら怖いですね。目にとまったモノに、ふと執着を感じて運命が変わる…奥深い神秘を感じます」

なぜか気になる、異様に執着してしまう。そんなものを山や川、道で見つけたときは、絶対に拾って持って帰らないようにしよう。リコさんも最初は「とてもいいものに思えました」と振り返る。「いいもの」に見えるものが、本当に「いいもの」とは限らないのだから。

送達ねこさんが描く『郵便屋が集めた奇談』は、日本のどこかの町でひっそりと起こっている怪異をのぞき見できると好評だ。

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