「あの子とは何もナイ」と彼は言うけれど…。女の情報網を見くびっていた男
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:女を喜ばせるテクに長けている男。それでも女を最後まで落とせないのには、理由があって…
あの日、あの瞬間。僕は久しぶりに恋をした。
それは1ヶ月前に、友人たちと飲んでいる時のこと。
透き通るような白い肌に、華奢な体型。見た目がとにかく僕のタイプで、紗奈を見た途端、僕は一瞬言葉を失ってしまった。
「ちょっと、理央。誰あの子。めっちゃ可愛いじゃん」
「紗奈のこと?可愛いでしょ〜。しかも最近彼氏と別れたばかりだよ」
「マジか。頑張るわ。って、下手なこと話すなよ?」
「分かってるよ」
理央とは結構仲が良かったけれど、紗奈に会うのはその時が初めてだった。
そして頑張って何度も誘い、ようやくデートにまで漕ぎ着けることができた。
しかし二度ほど会うと、紗奈からの連絡はパタリと途絶えてしまったのだ。
俺、モテるはずなのに…他の女からモテても本命からモテない理由
Q1:女がまず引っかかっていたことは?
紗奈と初めて会った日。その時は僕も含めて男3名、そして理央以外の女性4名にいる場に来たのが紗奈だった。
「私、ここに来ても大丈夫でしたか?お邪魔な気が…女子のほうが人数多いし」
「全く問題なし。そんな合コンでもあるまいし、人数なんて関係ないから」
僕はとにかく紗奈に好かれたくて、飲み物をオーダーしたり、必死に話しかけたりしていた。
すると最初はちょっと冷たそうな印象を受けた紗奈が、徐々に打ち解けてきてくれた。
「雄也くんって、いい人だね」
「そう?わかってくれた?(笑)」
しかしせっかくいい感じになっていたのに、理央が横から釘を刺してきた。
「紗奈、気をつけて。雄也は本当に手が早いから」
「おい。余計なこと言うなよ」
「あ、ごめんごめん〜」
理央とは仲良しだからいいけれど、「今、それを言うなよ」と一瞬イラッとしたことは事実だ。
好きな人にはよく思われたい。たしかに理央の周りの女友達何人かとそういう関係になったことはあるけれど、紗奈は特別だ。そこら辺の女の子とは、ワケが違う。
絶対邪険には扱わないし、大事にしようと決意していた。
その様子を、ジントニックを飲みながら静かに見ていた紗奈。しかし理央が去ると、可笑しそうに笑っている。
「理央ちゃんと雄也くんは、仲良しなんだね」
「まぁ仲は良いほうかな。楽なんだよね、理央って。サッパリしてるし」
「わかる。理央ちゃんっていい子だよね。実は私、雄也くんのこと見たことあるんだ」
「え?どこで?」
どこかの食事会で会っていたのだろうか。もしくは、友達の彼女とか…?でもこんな綺麗な人忘れるわけもない。
一生懸命思い出そうとしていると、また紗奈が笑った。
「理央のインスタに、雄也くんたまに出てくるでしょ?だから一方的に知ってるんだ」
「あ〜そう言うことか!アイツ、よく人のこと勝手にSNSにあげるからな。飲んでいる時とかだよね?」
「そうそう」
SNSとは不思議なもので、実際に会っていなくても、ずっとその人を見ていれば知っているかのような錯覚に陥る。
僕自身もそういう経験はあるので、言っている意味はよく理解できた。
「そうだ、紗奈ちゃんのアカウント教えて!インスタ交換しようよ」
「うん、もちろん…。って、雄也くん凛ちゃんとか瑞稀とかとつながっているの?」
アカウントを交換すると共通の友人が出てくるが、僕と紗奈も何名か共通の知り合いがいたらしい。
けれども、紗奈が名前を挙げた女の子たちの顔が思い浮かばなかった。
「誰だろう…?」
「この子たち。知り合い?」
顔写真を見て、ようやく思い出した。昔ちょこっと遊んでいた子たちだ。
「あ〜この子ね!何度か会ったけど、最近はまったく」
「そっか。世間は狭いね」
こうしてこの日は解散したけれど、翌日、僕はDMでお礼がてら食事に誘ってみた。
すると紗奈のほうからもOKがもらえ、僕たちはデートをすることになった。
最初からスムーズに進んでいたけれど…女が男を拒絶した理由は?
Q2:男が遊ぶ際に心がけていなければならないことは?
紗奈との初デートは、恵比寿にある和食屋にした。ここは知る人ぞ知る隠れ家で、お気に入りの店でもあった。
「雄也くんってお店選びのセンスまでいいんだね」
「そうかな。ありがとう」
今日も紗奈は抜群に綺麗で、きっとこのデート中、僕の鼻の下は伸びっぱなしだったと思う。
「紗奈ちゃんって、今彼氏とかいないの?」
「うん。この前別れちゃって…」
理央が言っていた通り、別れたてらしい。これは大いにチャンスだ。
「そうなんだ〜。今好きな人は?」
「好きな人もいないよ。募集中♡」
今を逃せば、彼女はすぐに他の人に取られてしまうかもしれない。そんな焦りが生まれてくる。
「紗奈ちゃんのこと、世の中の男たちが放っておかないでしょ」
「そんなことないよ〜」
くすぐったい会話を繰り返しながらも、紗奈が僕に多少なりとも興味を持ってくれていることは察することができた。
「雄也くんも絶対モテるよね。女友達も多そうだし」
「あ〜たしかに女友達、多いかも。でもみんな友達で、何もないよ?」
「そうなの?まったく何も?」
酔っ払って記憶がない限り、何もないはずだ。特に理央とは、本当に何もない。ただ仲の良い友達だった。
「うん。理央とは何もないよ」
「そうなんだ。すごく仲が良いから、てっきり何かあったのかと思ってた」
「ナイナイ!一緒に寝ても何もないんじゃない?」
「へ〜そういうものなんだ。いいね、そういう異性の友達がいるのって」
氷を張った涼しげな器に入った日本酒。
それをゆっくり確かめるように、伏し目がちに飲む紗奈。その仕草があまりにも色っぽくて、僕は思わず生唾を飲み込んでしまった。
「紗奈ちゃんは?そういう友達はいる?」
「私はあまり男友達っていないなぁ。恋愛関係になっちゃうかも」
「そっか。まぁそういう人もいるよね」
そこから会話は他愛ないことから恋愛の話まで、多岐に渡った。
そしてお会計をしながら、考える。本当はこのままどうにかなりたいけれど、さすがに早すぎるし軽すぎる。
紗奈は大本命だったので、むしろ大事にしたい。
だから僕は、あくまでも紳士的なデートにしようと考えた。
「この後どうする?2軒目、感じの良いバーがあるんだけどどうかな」
「いいね、行きたい♡」
そして2軒目でもいい感じで会話も進んだ僕たち。てっきり、紗奈は僕のことを受け入れてくれていたのかと思っていた。
しかしこの1週間後。
次のデートに誘ってみると、返信はそっけない。そしてそれ以降、紗奈からの連絡は途絶えてしまったのだ。
― なんで…?初デートでグイグイ行ってないし、紳士的だったはずなのに…。
果てして、紗奈はどうして突然態度が変わったのだろうか。
▶前回:女を喜ばせるテクに長けている男。それでも女を最後まで落とせないのには、理由があって…
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
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デート中に、女が気になる男の発言とは