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「日本人女性は、世界で最も睡眠時間が短く、とりわけ40代の女性にそれが顕著です。」と話すのは、快眠セラピストの三橋美穂さんだ。「人生の約3分の1の時間を費やす睡眠を意識して改善してみると、ただ単に昼間のパフォーマンスがあがるというだけでなく、人生のクオリティそのものを変えていけるはず。」三橋さんはこう続けた。

三橋さんが、昨年監修した絵本『おやすみロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)は、空前のベストセラーとなっており、各地で朗読会や眠りにまつわるセミナーが開かれている。

(写真左)3月10日、東京・丸の内「GOOD DESIGN Marunouchi」で丸の内で働く女性向けて開催されたイベント「【Zzz Marunouthi】 音と光の優しい夜」の様子。暖かい光と心地よい音楽を奏でる「Relit(レリット)」で演出された会場では、大人の女性と休息・眠りのお話の他、休息呼吸法、ストレッチ、「おやすみロジャー」の朗読がなどが行われた。

「『おやすみ、ロジャー』は、元々は小さなお子さんをお持ちの親御さんのために、お子さんを早く寝つかせるためにと誕生した絵本なのですが、"眠り方を体で覚えることができる"という意味で、お子さんだけでなく、大人にも大変参考になる良書だと思います。体の力を抜いて、ゆっくりと呼吸をし、頭の中にある物事を一旦、枕元の箱の中に入れておいて…、絵本に出てくるこんなくだりは、睡眠導入の効果的な方法そのものです。」三橋さんによると、睡眠導入を見直すだけでも、眠りの質は上がり、朝の目覚めが各段に変わってくるのだと言う。

そこで今回、verita編集部では、睡眠不足になりがちな女性たちに向けた"5つの快眠TIPS"を三橋さんに教えてもらった。これをきっかけに、人生を楽しむために、あなたにとっての最高の眠りを追求してみてはいかがだろうか?




― 睡眠時間と生活のリズム。基本的なことだけれども、やっぱりとても大事。具体的にどんなポイントをチェクしてみたらよいかを伺った。

三橋:「睡眠時間は6〜8時間とるようにしましょう。年齢によって適切な睡眠時間は変わってくるのですが、45歳くらいだと6時間半が目安。寝つくまでの時間を30分プラスして、7時間くらいとるのが理想的です。また、メラトニンという睡眠ホルモンは起床後、15〜16時間後から分泌が始まり、そこから1〜2時間すると眠気が強くなって眠りに落ちるという仕組みになっているので、眠りに就く時間と朝起きる時間はセットになっていると考えて、生活のリズムを整えてみてください。」

― 明かりは、ムードづくりだけでなく、直接的に眠りの質を左右するという。

三橋:「睡眠にとって、とても大事な要素が明かりです。私の自宅では昼と夜で明かりのモードが変えられるように照明をカスタマイズしています。夜になったら、夜用に明かりを変える。それだけでもずいぶんと寝つきが変わってきます。小さなお子さんが夜更かししやすいご家庭は、一度、部屋の明るさについて確認してみるとよいでしょう。また、灯りと音楽が融合したライティングオーディオシステム「Relit(レリット)」という商品シリーズが、ヤマハから展開されているのですが、音と明かりで空間全体を演出してリラックス効果を高められるようなユニークなアイテムなので、試してみるとよいかもしれません。」

(写真右)「Relit(レリット)」は、デザイン性も優れ、寝室のインテリアにもぴったり。こうした新しい家電を利用して、明かり、音、アロマなど、自分が気に入った空間演出でスムーズな入眠へ導いてみて。

― 最近、枕にもさまざまなタイプが登場していますが、枕選びのポイントはありますか?

三橋:「枕に関する相談も多く寄せられます。ただし、枕を選ぶときは、必ずマットレスとあわせて考えるということを覚えておいてください。枕の高さはマットレスの硬さによって変わるので、一緒に選ぶのがベストなのです。体を支えるマットレスと枕は、あお向けの状態で、立ち姿勢と同じような自然な状態を保てるものが理想です。スリムな人は低めの枕&やわらかめのマットレス、がっちり体型の人は高めの枕&かためのマットレスがよいでしょう。

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三橋美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)

寝具メーカーの研究開発部長を経て独立。わかりやすく実践的なメソッドが、テレビや雑誌等で支持を集め、睡眠のスペシャリストとして多方面で活躍。特に枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど。『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』(かんき出版)などの著書のほか、子どもがすぐに眠ると話題の世界的ベストセラー『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)の日本語版を監修。
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