脇坂英理子先生

白衣からのぞく胸の谷間に金髪のロングヘアという、セクシーな出で立ちだが職業は医師。いま話題の美人女医・脇坂英理子先生が、自身の恋愛メソッドと医学的知識を織り交ぜて綴った著書『あざといGirl -教えてRicoにゃん先生! ラブマナー73』(ワニブックス)を刊行しました。医師のイメージを大胆に覆す脇坂先生に、アラサー女性の恋愛で大切なことについてお伺いしました。

アラサー女子はザコにモテても意味がない!

――恋愛からセックスのテクニックまで、かなりストレートに書かれていらっしゃいますね。

脇坂英理子先生(以下、脇坂):中身はけっこうぶっこんでますね。表紙も女性が手にとりやすくてバッグの中からチラッとみえてもかわいくなるようにデザインしてもらいました。

――本書に「子宮がうずく男」というフレーズがありますが、先生が「うずく」男性はどんな人ですか?

脇坂:空気的なものですが、オスのにおいがする、無人島にいっても生き残れそうな生命力と向上心、開拓の能力を持っている人。

どんな仕事でもプロ意識を持って、その道を貫いている人がいいですね。あとイケメン(笑)。最近はヴァンパイアっぽい人にひかれます。年齢不詳で、「悪魔に魂売ってます」みたいな。例えば、Gacktさんとか、あとは福士蒼汰くんも(笑)。

――表紙にも大きくありますが、「ザコにモテても無意味」というのは具体的にどういうことなのでしょうか。

脇坂:不特定多数のオトコにモテても、貴重な時間と労力のムダ。ザコにモテたら、「そんなレベルの女になっちゃったんだ」って反省してマイナス1とカウントしてます。でも自分好みのいい男にモテたらプラス100に回復(笑)。「マグロ一本釣り」は常に心がけています。地引き網漁法じゃないんで!

メイクは「武装」、それを見抜くオトコが理想

――本書に「ナチュラルメイクは無意味」と書かれていますが。

脇坂:私が好きなタイプの男性は、華やかな女性を好む人が多いので、だから私も派手めな外見にしています。清楚系な女性が好きな男性にモテたければ、清楚系でもいいんですよ。

自分がどこにニーズがあるかを見極めていく能力が大事だと思うんです。恋愛って自分の売りと相手の買いが一致しないと成立しない。需要と供給の問題なんですよね。

――普段、ナチュラルメイクはしないんですか?

脇坂:私は「ばっちりメイク」か「すっぴん」です。私にとってメイクは鎧でもあるんですね。薄いメイクとか地味な格好は、弱い自分をさらけ出しているようで。攻撃耐性がないから武装してるんです。

でも、こういう外見も武装だとわかって、私の中のちっちゃい乙女の“リコにゃん”を、そっと手のひらで温めてくれる男性が理想(笑)。ベタだけど「強がってるけど本当は弱いんだろ」と言われるのって、特に社会で頑張ってるアラサーの女子は好きですよね。さらにこれが年下の男性だと萌え死ぬ! 年下はいいですよね。だって、この歳になると年上はだいたい既婚者じゃないですか。私、不倫反対派なんです。

――最近ドラマの影響もあって、不倫が増えてるようですが。

脇坂:そもそも不倫が流行るとかおかしい! 若気の至りならまだしも、アラサー、アラフォーの人生を折り返す大切な時期になんでそんなことを! 本当に好きならいいですよ。でもお互いが本気なら、身辺をちゃんと整理して、「本当の恋愛」になりますよ。

「あざとさ」を散りばめつつ「純真無垢」で

――アラサーともなると、恋愛に対しても、つい頭で考えがちですよね。

脇坂:この本で一番言いたいのは「頭を使うのは仕事をしているときだけで十分じゃない? 男性に対しては素直な乙女の心でぶつかって心を裸にしていいんじゃないの?」ということ。ただし、アラサーはもう「何も知らない乙女」じゃなくて、きちんと経験を積んでるわけですから。本に書いた「ちょっとした」メソッドをちりばめながら、なおかつ純真無垢というのがベストなんじゃないかな。

――それが「あざとさ」ということですか。

脇坂:人をだますとか裏をかくとか、そういう「あざとさ」ではなく、いい意味での「あざとさ」ね。「かわいい」と「賢さ」の融合的なニュアンスです。

そういうことを若くてカワイイ子が言っても「若いしきれいだからモテるんじゃん!」って話なんですけど、私もアラフォーですからね。

やっぱり女性は、職場環境も私生活も、25歳から35歳くらいが激動の時代ですよね。私はそのあいだに大恋愛をして、結婚に離婚、開業もしました。これからアラサーを迎える女子には「こういう心構えで挑めよ」、「ここから厳しいよ」と伝えたいです。

結婚から離婚、そして開業

――先生は一度結婚のご経験があるそうですが、お相手は頭で選んだ相手だったんですか、それとも子宮で?

脇坂:26歳で結婚して31歳で別れました。見た目も家柄も、そして性格も良いみたいな、周りからみると完璧な人だったんですけど。

――なにが原因で離婚に至ったのでしょうか

脇坂:相手が優しすぎたんです。私はお互い刺激しあって、どんどん成長していける相手じゃないとダメなんです。自分に甘いので、叱ってもらわないと。

実は、結婚する前に付き合っていた大好きな人との結婚を、親に反対されたことがあったんです。若い頃から悪い人が好きで、よくあるお嬢様と不良少年の恋ですね。でも親からしたら、きちんとした家で育てて、十分な教育を受けさせて。結婚するならそれなりの人でないと、と思ったんでしょうね。

結婚した彼なら親も納得するし、周りも文句は言うまいと思ったんですが、結局、別れることになった。その経験を踏まえて、より頭で考えちゃいかん、と思いました。

接客のプロ「ホスト」から学ぶこと

――ところで、先生といえばホストクラブのイメージが強いですが、通いはじめたのは離婚後ですか?

脇坂:離婚後のある一時期、ちょっと荒れてたというか……、普通の男性と一から関係を築くのが面倒くさくて(笑)。プロは女性への対応もパーフェクトで、熟知してるから、荒んだ心が癒されたんですよ。私はキャバクラにも遊びに行くんですが、女の子たちが初対面の相手の心にスッと入っていく技術があって、すごく勉強になるんです。コミュニケーション技術に長けた人っていうのはやっぱりすごいなって。接客業とは何ぞやという興味は尽きないので、学びに行く感覚で楽しんでいます。

高級美容液より「女性ホルモン」

――アラサー女性は仕事も忙しくて恋愛する時間がないと聞きますが、医師とタレントとして多忙の先生はどうやって時間を捻出しているのですか?

脇坂:忙しくても睡眠時間はありますよね。私はその時間を削ります。そこで「眠い」と思う相手なら会わない。

時間は平等に与えられているので、自分で区切ることは必要です。仕事ばかりじゃパサパサした人になっちゃう。美容に一番いいのはやっぱり「恋愛」じゃないですか。

確実に裏付けされてはいませんが、恋するときめきとか性行為による刺激で女性ホルモンの分泌が高まるのは医学的にも言えることなので、どんな高い美容液よりも「女ホル」出した方が効果があります。だって自分の中から出せるんですから、原価がタダです(笑)。

――この本を読んで先生は潔いと感じました。ある意味、男らしいですね。

脇坂:この歳だったらそれくらい自分を持ってないと。例えば好きな相手が「黒髪が好き」って言ったら黒髪にするとか、それくらいのマイナーチェンジはいいんです。でもやっぱりコアがブレたらあかん!

だから本を読んでもこの通りにするんじゃなくて、自分の核となる部分にプラスしていただけたら嬉しいな。自分のことを自分が一番愛してあげてくださいね。


●脇坂英理子

東京都出身。医師。東京女子医科大学医学部卒業後、心臓麻酔をはじめとし、移植手術にも携わる。現在は、内科・ペインクリニック・美容を扱う『Ricoクリニック』を開院、院長を務める。一方、プライベートでは奔放な恋愛スタイルと卓越されたテクニックを持ち、「恋愛マスター」、「キャバ嬢の駆け込み寺」の異名をとる。テレビ出演も多数。

(蒼井バナナ)