「一般企業のほうが働きやすかった」身体障害のある37歳女性が直面した、“働くこと”の難しさ
先天性の骨形成不全症を持つ渡辺みのりさん(仮名・37歳)も、その一人だ。現在は一人暮らしをしながら働いているが、そこにたどり着くまでには、現実的なハードルが多く存在したという。
◆車椅子で入れる不動産屋すら少ない。一人暮らしで直面した壁
介助者がいる状態で生活することを説明しても、もし家の中で車椅子のまま転んだら……と、物件の管理者側から渋い顔をされることが多く、結局、理解してくれる管理会社の人に出会えたことで、一人暮らしを始めることができたという。
そこから実際に生活が始まってからは、自分の生活がどのようにして構築されているのか?を自分に問う日々だったそうだ。
「重度訪問介護という行政サービスを利用しているのですが、ヘルパーさんが自発的に障害者の世話をするというわけでなく、ヘルパーさんは出された指示に沿って動くというものになります。
そのため、自分自身がたとえばどれくらいの頻度で洗濯するのか? とか、掃除の仕方をどうしたいか? など、自分がどう生活したいのか? ということを理解していないと、適切な指示が出せません。健常者だったら、親の手伝いをする中で、自然と家事が身についたりすると思いますが、私はそういう機会もなかったので、家事ってどうやるの? 生活ってどうしたら成り立つの? という基本的な疑問を解消していくところからスタートしましたね」
障害者の場合、家族の支えが”見えないインフラ”となっているケースも少なくないが、渡辺さんは、親の反対を押し切って一人暮らしを始めたということや、親が自らの障害のことを否定的に捉えていたことで、心の距離ができ、親には経済的にも精神的にもまったく頼れない状況だったという。
