新潟でアートと自然を満喫!親子で楽しむ芸術の秋「大地の芸術祭2024」開催中
家族のおでかけが気持ちのよい季節ですね。この秋おすすめしたいのが、新潟へのアートな親子旅。豊かな自然の中でのアートに触れる体験は、子どもの感性を刺激し、ママやパパもリラックスした気分に。先日参加したプレスツアーから子連れ旅行向けのポイントを紹介します!
■3年に1度「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」
新潟県の十日町市と津南町からなる越後妻有地域は、農業を通して大地と関わってきた里山の暮らしが、今も豊かに息づいています。このエリアを舞台に11月10日まで開催されているのが「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。2000年から3年に一度開催されている芸術祭で、今回で9回目を迎えます。
のどかな田園風景の中にアート作品が点在している「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。エリアの広さは760平方kmと東京23区より広く、作品数は311点(うち新作・新展開85点)にも上ります。
さすがに一気には見られないので、気になったスポットをいくつか選んで、のんびり巡るのがおすすめ。屋外展示が多いので、作品を見ながら里山の自然も満喫できます。田んぼのあぜ道を歩くような都会ではなかなかできない体験に、子どもはもちろん大人も心が躍ります。
作品は基本的にいわゆる現代アートなので、なかには「難しそう」と思うママやパパもいるかも。でも、子どもたちの素直な反応に驚かされたり、「そんな見方があるんだ!」と新たな視点をもらったり。さわれる作品が多いので、子どもたちが楽しみやすいのもポイントです。
拠点の一つである総合文化施設「まつだい『農舞台』」の周囲の里山には、代表的な作品「棚田」をはじめ、約40点の作品が点在。まつだい「農舞台」フィールドミュージアムと呼ばれ、ハイキング気分での作品鑑賞にぴったりです。
食の豊かさもこの地を旅する楽しみの一つ。新潟といえば、日本有数の米どころ。秋は新米も登場し、ごはんのおいしさも格別です。
地元の人との温かな交流も思い出に残ります。大地の芸術祭サポーター「こへび隊」には、地元の小学生から80代まで参加しており、いろいろな人との会話から、アートを通じて地域が元気になっているのを感じます。なお、会期後も約200点は恒久作品として展示されるので、今秋以外も楽しめます。
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024
会期:2024年7月13日(土曜日)〜11月10日(日曜日) 火・水曜定休
※10・11月は、10:00〜16:00
※各作品によって公開日・公開時間が異なる場合あり
開催地:越後妻有地域(十日町市、津南町)760平方キロメートル
https://www.echigo-tsumari.jp/
■美しきバンブーアートの世界「たがみバンブーブー」
秋の新潟はイベントがもりだくさん。2024年度はすでに終わってしまいましたが、ぜひ紹介したいのが、新潟県北部の田上町で2022年から行われている「たがみバンブーブー」です。
地元の特産品である竹を使ったアートイベントで、会期の約1カ月間で、人口1万人の町に約3万人が訪れるほどの人気ぶり。田上町には広大な竹林がありますが、近年は放置竹林などが問題になっていました。その課題を解決し、むしろ地域の魅力に変えようという想いがイベントの発端になっています。
メイン会場は、放置竹林を整備して作った竹林です。一歩足を踏み入れると、幻想的な世界にうっとり…! バンブーアートはすべて熊本県の竹あかり総合プロデュース集団「CHIKAKEN(ちかけん)」が監修しており、唯一無二の世界観を作り出しています。
さらにすごいのが、これが町の人たちの手作りであること。竹の切り出し、切断、穴あけ、設置など、すべて地元の有志やボランティアスタッフが協力して作りあげました。
「CHIKAKEN」のデザインを型紙にして、竹に貼り、電動ドリルで穴をあけていくのが主な作業です。準備期間は約1カ月。町民のおよそ4000人が関わったそうで、中学生は総合学習の一環として制作に取り組みました。ちなみに、このイベントを始めてから子どもたちが「竹ってきれいだね」と誇らしげに口にするようになったとか。地域の思いが詰まった美しいイベントです。
別会場の「椿寿荘」の庭園を使ったバンブーアートも見事でした。このほか、「道の駅たがみ」でも、無料のバンブーアートが展示されました。ちなみに会期が1カ月間と短めなのは、竹の耐久性を考慮してのことです。
ライトアップイベントは終了してしまいましたが、田上町の竹の魅力はまだまだ楽しめます。子どもたちに大人気なのは、道の駅たがみに設置された高さ6mの「たがみバンブーブランコ」。雪が降る頃までは楽しめます。
また同じく道の駅たがみでは「バンブーアート製作体験」を通年実施しています。竹に好きな型紙を貼り、電動ドリルで穴をあけます。もちろん、作ったものは持ち帰ることができます。家族みんなで作って並べて飾ってもかわいいですね。
さらに田上町内にある湯田上温泉の旅館の一つ、「ホテル小柳」には、竹を使ったアート作品「Bambooboo Garden(バンブーブーガーデン)」を通年楽しめる特別客室ができました。客室の露天風呂やサウナからも、のんびり幻想的な風景を眺められます。ちなみに同宿にはインフィニティスタイルの絶景露天風呂や家族向けの貸切風呂もあり、子連れ旅行にもおすすめです。
道の駅たがみ
営業:ショップ&食堂4月〜11月 9:30〜17:00、12月〜3月は10:00〜16:00
※ランチタイムは11:00〜15:00
※ショップ&食堂は毎月第2火曜 12/31〜1/2に休業
■ものづくりが身近に感じられる燕三条エリア
子どもが小学生以上であれば、ものづくりエリアとして知られる燕三条へ立ち寄るのもおすすめです。毎年秋には「工場の祭典」というオープンファクトリーイベントが開催されており、100以上の工場を気軽に見学できます。今年のイベントは終了していますが、イベント期間以外でも20カ所くらいは見学ができます。
燕三条で作られているのは、カトラリーやキャンプ用品など身近なアイテムが多いので、子どもたちが興味を持ちやすいのも魅力。子どもたちがものづくりのおもしろさや伝統工芸の良さを知るきっかけにもなってくれそうです。
参考:「燕三条 工場の祭典2024」
力強くやさしい自然、地域の人の心が宿るアートやものづくり、そして豊かな食の宝庫である新潟。五感が喜ぶ家族のおでかけを計画してみませんか。
取材協力:大地の芸術祭の里、たがみバンブーブー実行委員会、株式会社玉川堂
(古屋江美子)
■3年に1度「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」
「花咲ける妻有」草間彌生(Photo Nakamura Osamu)。数々の野外彫刻をつくってきた草間さんが「お気に入りナンバーワン」だという作品
新潟県の十日町市と津南町からなる越後妻有地域は、農業を通して大地と関わってきた里山の暮らしが、今も豊かに息づいています。このエリアを舞台に11月10日まで開催されているのが「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。2000年から3年に一度開催されている芸術祭で、今回で9回目を迎えます。
大地の芸術祭の拠点施設の一つ「越後妻有里山現代美術館 MonET(モネ)」。ウクライナのアーティストの作品もあり、アートが世界とつながる機会に。全体で、41の国と地域から275組の作家が参加している
のどかな田園風景の中にアート作品が点在している「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。エリアの広さは760平方kmと東京23区より広く、作品数は311点(うち新作・新展開85点)にも上ります。
渡辺泰幸+渡辺さよ「回る音」(Photo by Nakamura Osamu)。MonETの回廊を中心に企画展「モネ船長と87日間の四角い冒険」を展開。実際に触れて体験できる
作品は基本的にいわゆる現代アートなので、なかには「難しそう」と思うママやパパもいるかも。でも、子どもたちの素直な反応に驚かされたり、「そんな見方があるんだ!」と新たな視点をもらったり。さわれる作品が多いので、子どもたちが楽しみやすいのもポイントです。
「棚田」イリヤ&エミリア・カバコフ(Photo by Nakamura Osamu)。耕作放棄地を再生した作品。実際に米作りが行い、棚田を保全している
拠点の一つである総合文化施設「まつだい『農舞台』」の周囲の里山には、代表的な作品「棚田」をはじめ、約40点の作品が点在。まつだい「農舞台」フィールドミュージアムと呼ばれ、ハイキング気分での作品鑑賞にぴったりです。
「関係 - 黒板の教室」(教育空間)河口龍夫。なんと教室全体が黒板に。お絵描きもOK!
まつだい「農舞台」内にある「越後まつだい里山食堂」。鏡のテーブルに美しい地域の風景が映しだされ、空間自体がアート。越後妻有に伝わる郷土料理や家庭料理を味わえる
食の豊かさもこの地を旅する楽しみの一つ。新潟といえば、日本有数の米どころ。秋は新米も登場し、ごはんのおいしさも格別です。
右/十日町にあるレストラン「IKOTE」は建物自体が作品。左上/とろけるやわらかさの妻有ポークやお米のおいしさに感動!左下/キッズメニューもあり、子連れに大人気
地元の人との温かな交流も思い出に残ります。大地の芸術祭サポーター「こへび隊」には、地元の小学生から80代まで参加しており、いろいろな人との会話から、アートを通じて地域が元気になっているのを感じます。なお、会期後も約200点は恒久作品として展示されるので、今秋以外も楽しめます。
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024
会期:2024年7月13日(土曜日)〜11月10日(日曜日) 火・水曜定休
※10・11月は、10:00〜16:00
※各作品によって公開日・公開時間が異なる場合あり
開催地:越後妻有地域(十日町市、津南町)760平方キロメートル
https://www.echigo-tsumari.jp/
■美しきバンブーアートの世界「たがみバンブーブー」
「たがみバンブーブー2024」のメイン会場は放置竹林を整備した竹林の中のアート会場
秋の新潟はイベントがもりだくさん。2024年度はすでに終わってしまいましたが、ぜひ紹介したいのが、新潟県北部の田上町で2022年から行われている「たがみバンブーブー」です。
地元の特産品である竹を使ったアートイベントで、会期の約1カ月間で、人口1万人の町に約3万人が訪れるほどの人気ぶり。田上町には広大な竹林がありますが、近年は放置竹林などが問題になっていました。その課題を解決し、むしろ地域の魅力に変えようという想いがイベントの発端になっています。
竹林は3つのエリアで構成。3名のバンブーアート作家が演出を手がけた
メイン会場は、放置竹林を整備して作った竹林です。一歩足を踏み入れると、幻想的な世界にうっとり…! バンブーアートはすべて熊本県の竹あかり総合プロデュース集団「CHIKAKEN(ちかけん)」が監修しており、唯一無二の世界観を作り出しています。
さらにすごいのが、これが町の人たちの手作りであること。竹の切り出し、切断、穴あけ、設置など、すべて地元の有志やボランティアスタッフが協力して作りあげました。
美術家の郄橋匡太さんによる「まきまき竹あんどん」。端切れを活用。下の部分は子どもたちが巻いた
「CHIKAKEN」のデザインを型紙にして、竹に貼り、電動ドリルで穴をあけていくのが主な作業です。準備期間は約1カ月。町民のおよそ4000人が関わったそうで、中学生は総合学習の一環として制作に取り組みました。ちなみに、このイベントを始めてから子どもたちが「竹ってきれいだね」と誇らしげに口にするようになったとか。地域の思いが詰まった美しいイベントです。
越後豪農の館である「椿寿荘」の庭園を会場にしたバンブーアート。虫の音が心地よく、心が穏やかになった
別会場の「椿寿荘」の庭園を使ったバンブーアートも見事でした。このほか、「道の駅たがみ」でも、無料のバンブーアートが展示されました。ちなみに会期が1カ月間と短めなのは、竹の耐久性を考慮してのことです。
左/田上町の竹で作られた高さ6mのバンブーブランコ。右上/イベント期間中は無料でライトアップされていた。右下/道の駅は地元の食材の宝庫。開店前に人が集まるほど人気
ライトアップイベントは終了してしまいましたが、田上町の竹の魅力はまだまだ楽しめます。子どもたちに大人気なのは、道の駅たがみに設置された高さ6mの「たがみバンブーブランコ」。雪が降る頃までは楽しめます。
バンブーアート製作体験は、小学生以上なら参加可能で、所要時間は1時間ほど。中にLEDキャンドルを入れると幻想的なインテリアに。リモコン入れやスマホスピーカーとして活用する人も
また同じく道の駅たがみでは「バンブーアート製作体験」を通年実施しています。竹に好きな型紙を貼り、電動ドリルで穴をあけます。もちろん、作ったものは持ち帰ることができます。家族みんなで作って並べて飾ってもかわいいですね。
湯田上温泉ホテル小柳の特別客室。専用庭園に竹を使ったアート作品「Bambooboo Garden(バンブーブーガーデン)」を常設。この風景をひとりじめ!
さらに田上町内にある湯田上温泉の旅館の一つ、「ホテル小柳」には、竹を使ったアート作品「Bambooboo Garden(バンブーブーガーデン)」を通年楽しめる特別客室ができました。客室の露天風呂やサウナからも、のんびり幻想的な風景を眺められます。ちなみに同宿にはインフィニティスタイルの絶景露天風呂や家族向けの貸切風呂もあり、子連れ旅行にもおすすめです。
道の駅たがみ
営業:ショップ&食堂4月〜11月 9:30〜17:00、12月〜3月は10:00〜16:00
※ランチタイムは11:00〜15:00
※ショップ&食堂は毎月第2火曜 12/31〜1/2に休業
■ものづくりが身近に感じられる燕三条エリア
左上から時計回りに、鎚起(つばめつい)銅器の老舗「玉川堂(ぎょくせんどう)」の急須/玉川堂 燕本店では併設の工場で1日5回製造工程を見学できる。/料理家にもファンが多いステンレスキッチン用具のブランドconte(コンテ)はショールームもおしゃれ/日本初のカトラリーメーカー燕物産はイベント時のみ見学可能
子どもが小学生以上であれば、ものづくりエリアとして知られる燕三条へ立ち寄るのもおすすめです。毎年秋には「工場の祭典」というオープンファクトリーイベントが開催されており、100以上の工場を気軽に見学できます。今年のイベントは終了していますが、イベント期間以外でも20カ所くらいは見学ができます。
燕三条で作られているのは、カトラリーやキャンプ用品など身近なアイテムが多いので、子どもたちが興味を持ちやすいのも魅力。子どもたちがものづくりのおもしろさや伝統工芸の良さを知るきっかけにもなってくれそうです。
参考:「燕三条 工場の祭典2024」
力強くやさしい自然、地域の人の心が宿るアートやものづくり、そして豊かな食の宝庫である新潟。五感が喜ぶ家族のおでかけを計画してみませんか。
取材協力:大地の芸術祭の里、たがみバンブーブー実行委員会、株式会社玉川堂
(古屋江美子)