カミラ王妃は自身の77歳の誕生日でもあった7月17日(現地時間)、“ステート・ダイアデム”ティアラを身に着け、イギリス議会開会式に出席した。王妃がこの特別なティアラを使用するのは、2度目のこと。

「ジョージ4世・ステート・ダイアデム」の異名を持つこのティアラを王妃が初めて着用したのは、2023年11月に行われた議会開会式だった。

今回の議会開会式では、7月初めに実施された総選挙で誕生した新政権の施政方針を、チャールズ国王が読み上げた。これは「キングズ・スピーチ」と呼ばれ、議会開会式では伝統的に毎回、君主によって行われている。

“ダイヤモンド・ダイアデム”とも呼ばれるこの“ステート・ダイアデム”ティアラは、国王ジョージ4世の戴冠式に向け、ロンドンの宝石商ランデル&ブリッジが1820年に制作したもの。ジョージ4世は戴冠式が行われるウェストミンスター寺院までの移動の際、「キャップ・オブ・エステート」と組み合わせて、このティアラ(サークレット)を使用した。

その後、このティアラは国王ウィリアム4世の妻アデレード妃をはじめ、歴代のロイヤルレディたちに愛用されてきた。特に、エリザベス女王は毎年行われる議会開会式に必ず、このティアラを着用。1953年に行われた自らの戴冠式でも、ウェストミンスター寺院に到着するまで、このティアラをつけていた。

王室が所有する美術品などを管理するロイヤル・コレクション・トラスト(RTC)によると、ゴールドとシルバーで裏打ちされたこのティアラには、1333個のダイヤモンドが使われている。

また、4つのクロスパティー(十字の紋章)のうち、正面に置かれたひとつには、4カラットのブリリアントカットのイエローダイヤがセットされている。さらに、小枝をモチーフにした4つの飾りが表しているのは、イングランドとアイルランド、スコットランドそれぞれの国章に描かれた花、バラ、シャムロック(クローバー)、アザミとなっている。

エリザベス女王は1991年、「ダイヤモンド・ダイアデム」ティアラをクラウン・ジュエルズの一部として、ロンドン塔で展示することを許可している。

王妃となって以降、カミラ妃は王室が所有する数々のジュエリーを着用。6月には国賓として招いた日本の天皇皇后両陛下のためにバッキンガム宮殿で開催した晩さん会に、“バーミーズ・ルビー”ティアラをつけて出席した。

また、2023年12月には外交団レセプションで、「ガールズ・オブ・グレート・ブリテン&アイルランド」ティアラを披露した。

From TOWN&COUNTRY