今の時代、オンラインで何かを嘆願するのは簡単だ。だが支援者たちと団結し、雨の中でも外に出て、個人的に自分の意見を主張することのほうが、もっとやりがいがあるだろう。

13歳の少女、ジュリア・ブルームはこれを実行した1人。彼女はアメリカの人気雑誌『Seventeen』に対する"女の子たちのリアルな姿を紹介して!"という請願活動に参加した。ジュリアや彼女の母親、そしてSPARK a Movement(直訳:活動の火付け役となろう)の代表者らは5月2日、『Seventeen』誌のフォトショップの使用に抗議し、編集長に署名を手渡そうと、同誌の本部があるハースト・タワーの前に集まったのだ。

「フォトショップが女の子たちにかなりの影響を与えるのはわかっていたわ。(画像処理によって)彼女たちが自分の体や自分自身についてどう感じるかってことにもね」と、<Huffington Post>に語ったジュリア。「何か現実的なものを見るべきだと思うの。今の10代の女の子を本当に反映しているものをね」

ジュリアいわく、『Seventeen』誌やメディア全般はこれをしていないという。だから彼女は同誌の編集長に、毎号"(修正などを加えない)ありのままの写真"を掲載するよう求めたのだ。

画像処理に対するネガティブな影響は、大人の間でも話題になっている。そしてジュリアのような10代の子どもたちも、思うところがあるようだ。ジュリアと友人の1人が雑誌を買い、仲間に見せると、同じ反応が返ってくるという。「多くの子は、写真が"偽物"だってわかっている。(それでもなお)そういった写真と自分を比べてしまうの。自分のありのままに姿に対し、いい気分にはならないわよね」

その結果、低い自尊心(自己評価)につながってしまうというわけだ。今回の活動に参加したSPARK a Movementのメンバーの1人、クリスタル・オガーは、米国心理学会(American Psychological Association、APA)が、健康面にも悪影響が出ていることを証明していると話す。ここには、"うつ病や自傷行為、そして摂食障害の比率がより高くなること"も含まれているそうだ。

SPARK a Movementのブロガー、ケイ・トールはまた、やせ気味の体はティーン向け雑誌の誌面に登場するステレオタイプのイメージの1つにすぎないと語る。

「メディアは、女の子というものは性的対象で、やせていて、(肌の色が)白く、異性愛者で、シスジェンダー(cisgender、もって生まれた性別に違和感のない人)だと言ってるのよ。そんな人はごく少数。仮にこういった条件を持つ女性がいても、驚くほど完璧な理想像にはあてはまらないわね。だってそんなもの、実際に存在しないんだもの」

ジュリアはさらに、「実生活でフォトショップ(画像処理)される人なんていないでしょ」と<Huffington Post>にコメント。そんな彼女の行動を受け、『Seventeen』誌は次のように回答している。

「ジュリアが1つの問題にかなりの熱意を持っていることは、称賛に値します。これはまさに、私たちが読者に働きかける姿勢だからです。私たちは今朝、弊誌編集長のアン・ショケットと直接会ってもらおうと、ジュリアをオフィスに招きました。彼女たちは実り多い議論を交わし、私たちは読者がありのままの自分でいることを称賛していると、ジュリアは理解してくれました。私たちは"リアルな女の子たち"を誌面に登場させます。『Seventeen』誌ほど、サイズやスタイル、肌の色、そして民族性に焦点をあてた雑誌はありません」


"反フォトショップ法"を推進するアリゾナ州の政治家