ニトリCM卒業に大反響「Nクールおじさん」清水伸(54)が語る11年、愛された悲哀と撮影裏話「実は当時ぎっくり腰に」
「Nクールおじさん」として11年もの間、ニトリのテレビCMに出演していた俳優の清水伸さん。7月上旬には2026年春で契約が終了したことをSNS投稿で公表しましたが、その反響がすごかったそう。現在、NHK連続テレビ小説『風、薫る』の出演ほか、10月には舞台の出演も控えている清水さんに、今だから言える裏話をお聞きしました。
【写真】「鍛えた腹筋もチラリ」秀逸なワンカットのため何度も水をかぶった「Nクールおじさん」笑える貴重写真(12枚目/全22枚)
最初は、サラリーマンの「悲哀」を表現していた
── ニトリのテレビCMといえば、「Nクール(Nウォーム)おじさん」と言われるくらい、清水さんの存在感がすごく光っていたと思います。そもそも出演のきっかけは?
清水さん:事務所からオーディションに行くように言われて、会議室みたいな会場に行ったんです。事前にもらっていた絵コンテに合わせて、15秒、30秒くらいの芝居をしました。起用の理由は、自分のそれまでの芝居の経験と、親しみやすさが評価されたのかわかりませんが、オーディションに合格して出演が決まりました。実際のテレビCMでも、絵コンテに沿って、自分なりに演技をしていました。
── テーマは「おっちょこちょいなサラリーマン」だったと伺いましたが…。
清水さん:最初はそうじゃなく、サラリーマンの悲哀を表現した内容だったんです。もともと冬用の暖かい寝具シリーズ「Nウォーム」のCMから始まったんですけど、当時は、家に「ただいま」と帰ってきても、誰も玄関で迎えてくれないし、奥さんと娘はテレビゲームをしているとか。コンビニでビールを買おうと思ったけど、お財布の中身が寂しかったから発泡酒にしたとか。「お財布は冷たいけどNウォームは暖かい」という感じだったんです。
ただ、回を重ねるごとに僕の持ち味のコミカルさがいい具合に出てきたということで、どんどんコミカルな内容や表情になっていきました。たとえば、道を歩いていたら車に水たまりの水をバシャッとかけられてボー然、みたいな。あのときは、何回も撮影したからその度に着替えて、裏でスタッフがドライヤーで濡れた服を乾かしていました(笑)。
朝からの撮影中、突然「ぎっくり腰」に
── 今振り返って、11年の間で大変だったことはありますか?
清水さん:1回、朝イチの撮影中に突然ぎっくり腰になっちゃって、1歩も歩けなくなったことがあったんです。でも当然、替わりがきく仕事じゃないですから、やるしかないと思って。痛み止めを飲み、さらに整体師の方を現場に呼んでケアしてもらったら2、3歩くらい歩けるまで復活し、どうにか撮影を乗りきることができました。でも、あれはさすがに大変でした。
もし、ぎっくり腰をしたのが撮影の前日だったら事前に連絡して、クライアントさんに相談したかもしれませんが、当日だったし、到底そんなことができるような状況じゃなくて。もしかしたら、CMのなかで歩いているシーンとか、勘の鋭い人とか見る人が見たら「あ、もしかしてぎっくり腰?」って気づいたかもしれないですね。「顔が引きつってるんじゃないか?」って(苦笑)。
── CMでの活躍によって「ニトリの人」とも言われていた清水さんですが、ご自身はそのことをどう思われていたんですか?
清水さん:すごく光栄に思っていました。僕は新潟県出身なんですけど、ニトリさんのCMが定番化してからは、帰省するたびに甥っ子や姪っ子の友だちが「あ!帰ってる!」ってのぞきにきてくれていましたからね。
飲食店では、食事後に会計中、お店の人が小声で「ニトリのコマーシャルの方ですよね?」って声をかけてくださったり。「そうです。ありがとうございます」と答えるんですけど、「ああ、月見そばじゃなくて天ぷらそばくらいにすればよかったかな」と思ったこともありましたね(笑)。
「あのCMはこんなに愛されていたんだと」
── 7月上旬には、契約に関するSNS投稿をされました。その後の反響はいかがでしたか?
清水さん:SNSに「今年、CMはやらないんですか?」という質問がたくさんきていたんです。ただ、僕個人が発信するわけにもいかなかったので、事務所ともどうしようか話し合っていたのですが、先に週刊誌の記事が出て、「ちゃんと発表したほうがいいね」となって、あの投稿を出すことになりました。
SNS投稿後はものすごい反響で、ここまでとは思いもよらずびっくりしました。いただいたコメントの大半が、「ご苦労さまでした」「楽しませてもらいました」「清水さんがあのCMに出ないと思うと寂しいです」という温かい内容で。あのCMが大勢の方々に愛されていたことが実感できる反響ばかりだったので、すごく嬉しかったですね。
僕としては年2回「Nクール」と「Nウォーム」のCM撮影を一生懸命やってきただけでしたが、みなさんに愛されるCMに育て上げてもらったんだなぁと思いました。この11年という年月の間に積み重ねたものの大きさをしみじみ感じました。
アスリートと同じルーティンだらけの毎日
── 大きな積み重ねをされたその先として、次のスタートを切った清水さんですが、今後の目標はありますか?
清水さん:年齢も50代半ばで、撮影中にぎっくり腰になったときの反省も込めて、健康第一で、みなさんに笑顔を届けられる俳優であり続けたいです。健康でなければ、みなさんに笑顔も感動も届けられない。自分自身が元気でいること、いつも笑顔でいられるように健康であることを大切にしています。
そのための毎日のルーティンはたくさんあって。まず、朝7時に出かけるとしたら、2時間前の朝5時には起きて、コーヒーを飲んだ後、Youtubeを見ながら朝ヨガを30分くらいしています。朝ヨガはコロナ禍のときに始めたんですけど、ぎっくり腰予防として続けています。それと、朝ごはんは野菜中心に、ご飯とお味噌汁、納豆、魚をしっかり食べます。台本も午前中に覚えるようにしています。それに、休日はウォーキングをしたり。
── 本当に健康に気をつかわれた生活をされているんですね。
清水さん:俳優としての強靭な体づくりのためにも健康を維持することが大事だし、1日でもやらないと落ち着かないんですよ。アスリートの生活と同じですね。ニトリで買ったマグカップやテフロン加工のフライパンを愛用しながら頑張っています。
取材・文:たかなしまき 写真:清水 伸

