あの時、声をかけていれば…。弟が事故死した夜から、胸に残り続ける後悔


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「息子さんが事故に遭われまして」

高校3年生の夏の夜、警察から一本の電話が…それは、1つ下の弟がバイク事故に遭ったことを知らせるものでした。

職人気質でマイペースな父、世渡り上手で肝のすわった母、思春期をこじらせていた姉、そしてヤンチャだけれど誰からも好かれていた弟。ケンカは絶えないながらも、4人家族のありふれた日常は、突然の事故によって一変します。

弟を亡くした悲しみ、変わっていく周囲の人々、真偽不明の噂、少しずつ狂い出す家族の歯車。遺された家族は、後悔や痛みを抱えながらも、それぞれの形で前を向こうとしていきます。

大切な人を突然失った家族の崩壊と再生を描いたコミックエッセイ『16歳で帰らなくなった弟』を15回連載でお送りします。今回は第2回です。

※本記事はきむらかずよ著の書籍『16歳で帰らなくなった弟』から一部抜粋・編集しました。

■死ぬほど後悔していたこと

死ぬほど後悔していることがある


楽しそうだな


胸が騒いだ


いつもならそんなこと頭をよぎりもしないのに


どこ行くの?


邪魔したら悪いか


出ていくあんたたちを呼び止めてたら


事故は起きなかった?


長い間ずっと消えることはなかった


事故の日の夜は他にも不思議なことが続いた


我が家から500メートル先の弟の事故の現場から聞こえる音だった


そして夜遅く突然電話が鳴った


あいついますか


...っそうですか


わたしにも激しい動悸が襲ってきた


しばらくするとそれはおさまった


この時刻が妙に目に焼きついていた


同時刻


母にも不思議なことが起こっていた


あら!孝?


今まで間違えることなんてなかったのに


11時56分...


父は眠れない夜を過ごしていた


弟が病院で身元不明のまま、息を引き取った時間だった


著=きむらかずよ/『16歳で帰らなくなった弟』