W杯直前に再炎上。不同意性交で逮捕の佐野海舟を代表に選出…森保ジャパンが向き合うべき“大甘処置”のツケとは
日本代表の佐野海舟選手を巡る、過去の不同意性交事件の議論が再燃しているためです。
◆ワールドカップ日本代表に選出される
佐野選手は2024年7月、知人男性らと共謀して30代女性に性的暴行を加えた疑いで逮捕されました。
その後、示談が成立したと見られ不起訴処分となり、森保一監督もこの事件を本人の「ミス」と表現。「本人にも反省の意思が見える」として代表への復帰を許可し、今回のワールドカップメンバーにもその名を連ねることになりました。
なぜ過去の事件がこれほどまでにぶり返してしまったのでしょうか。その理由を、いくつかの視点から考えてみたいと思います。
◆他の競技に比べ「大甘」な処置
1つ目の理由は、他のスポーツ競技における不祥事への処置と比べた際、今回の対応が際立って異質に見える点です。
記憶に新しいところでは、プロ野球・読売ジャイアンツの阿部慎之助前監督のケースが挙げられます。娘への暴行容疑で逮捕された際、翌日の会見で代理人によって「ここまで大がかりなけんかは初めて」「父とはすでに仲直りしている」などと綴られた娘の手紙が読み上げられ、後に世間で擁護論が生まれるきっかけにもなりました。
それでも読売グループは、「逮捕された」という事実そのものを重く受け止め、辞任を受け入れる決断を下しています。
また、バレーボール界でも厳しい対応が見られました。代表合宿中に大麻所持の疑いで逮捕された佐藤駿一郎選手に対し、日本バレーボール協会は逮捕当日の5月28日付で、即座に日本代表登録を抹消する処置を取りました。
これらと比べるとサッカー界の対応がいかに「甘い」ものかが見えてきます。もし佐野選手が「身に覚えがない」「冤罪だ」と訴えているのであれば話は別ですが、本人も「甘さがあった」と一部事実関係を認めています。
つまり森保監督は、故意による犯行だと本人が認めている性加害について、それを「ミス」という軽い言葉で片付け、再び代表ユニフォームを着せているのです。
これは、どんなに贔屓目(ひいきめ)なしに見ても、相当に寛大な、悪く言えば「大甘」な処置と言わざるを得ません。海外のファンはもちろん、日本のサッカーファンからも強い疑念や拒絶反応が生まれるのも仕方ないことだと言えるでしょう。
◆森保監督の“配慮に欠けた言葉のチョイス”
そこで改めて振り返りたいのが、当時の森保監督の記者会見での言葉です。あのタイミングで、なぜ監督は世論以上に厳しい態度で本人の非を認め、たしなめることができなかったのでしょうか。監督は会見で、次のように語っていました。
「チームの一員を家族と考えた時に、指導者として選手と向き合う中、1人の人間としてミスを犯した選手をそのまま社会から放任するのか、サッカー界から葬り去るのかということに関しては、再チャレンジする道を家族として与えることの方がいいのではないか」(『日刊スポーツ』2025年5月23日)
この発言には、決定的な問題をはらんだ表現が2つあります。それが「再チャレンジ」と「家族」です。
まず、性加害という重大な疑いがもたれた件で、安易に「再チャレンジ」という言葉を使うこと自体、被害女性への配慮を著しく欠いています。
もちろん、監督が個人的に佐野選手に強い思い入れを抱き、救いたいと願うのは自由かもしれません。しかし、日本代表監督という立場は、極めて公的な職業です。その発言は、社会にどのようなメッセージとして受け取られ、どんな影響を及ぼすかまで計算されていなければなりません。

