出会いが少ないコロナ禍で、まるでドラマのような出会いをしたエリカさん(32歳・仮名)。同じマンションの同じ階に住む彼とは、テレワークをしながらデートを続け、いつしか半同棲状態に…とんとん拍子に話は進みいよいよ結婚か!? と思っていた矢先、年末に起きた大事件。実は彼には結婚ができない衝撃の事実が!今回はコロナ禍でハマってしまった、危険で切ない恋愛体験談をお届けします。

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私と彼との出会いはマンションのロビーでした。コロナ禍でテレワークが始まり、めっきり人とのふれあいがなくなった時、外の空気を吸いに行こうとマンションのロビーに降りると、ちょうど同じタイミングでロビーに降りてきた男性がいたのです。

彼は同じマンションに住む某自動車メーカー勤務の会社員ナオヤさん(33歳 ・仮名) 。芸人かまいたちの濱家さんに似たスラリとした印象でした。

その後、何度も共有スペースのロビー周辺で顔を合わせるようになるのですが、コロナ禍ということもあって話しかけるチャンスはなく、軽く会釈をする程度の関係が続きました。

「こんにちは。私たち、同じマンションに住んでいますよね?」

コロナ禍が少し落ち着きだしたころ、私はマンション近くのカフェでテイクアウトのお弁当を買う彼を見かけ、声をかけてみました。私はよくそのカフェのお弁当を買っていたのですが、彼もまたそのカフェでテイクアウトをすることが多かったようで、ついに話す機会ができたのです。

「はい、何度かお見かけする機会があったけど、こんなご時世だし話しかけづらくて…テレワークしているんですか?」

彼もまた、私のことを気にかけていてくれました。私はその時、なんとも言えない気持ちが芽生え、妙な緊張をしたのを覚えています。

コロナ禍の寂しいおうち時間が楽しい時間に変わった出会い

それからおいしいテイクアウト店の情報を交換し合ったり、コロナ禍のストレス解消法を話したり、仕事の話をしたり、いろいろな話をしました。道端で話すこともあれば、ロビーで話すこともあり、そしてついに運動不足解消のために一緒に散歩を始めることに。気が付けば、毎日のように散歩デートをする仲になったのです。

「今日はちょっと体調がすぐれないからお散歩はお休みします。また明日にでも…」

「それなら、お弁当を買いに行った帰りに、エリカさんの分も届けましょうか? お部屋番号を教えていただければドアの前に置いておきますよ」

その日、彼は昼食、夕食、そしてデザートまで部屋に届けてくれました。それ以来、彼が部屋に遊びに来るように。彼はとても優しく紳士的でした。

「付き合おう」の言葉はなかったけれど、半同棲生活が始まった

そして初めて話をした日から3カ月、ついに交際へと発展。私たちはほぼ毎日、散歩に出かけ、そのまま夕食を一緒に食べ、気づけば出会って半年後には半同棲のような生活を送ることになったのです。

実をいうと彼から付き合おうという提案はなかったのですが、ここまで毎日の生活を一緒にしていると、もう付き合っているというより、家族のような状態でした。ほぼ毎日の行動を把握しているので、私はこのまま結婚するだろうなーと思っていました。

「結婚する人に出会うと、とんとん拍子に事が進み、この人ときっとずっと一緒にいるんだろうなーと思うようになるよ」

友人がいう言葉を真に受け、これこそ運命だと信じてしまったのです。

テレワーク中は彼が私の部屋に着て作業をすることも。それを見ているのも幸せだった…

「私、ナオヤと一緒にいるからコロナ禍でもやってこれたんだと思う。本当に出会えてよかったよ…コロナがいつ収まるかわからないけど、このまま2人で支え合っていけば、辛くないよね」

私は彼に、なんとなく結婚を考えていることを伝えてみました。

「どうせ同じマンションに住んでいるんだし、一緒に住むのもありかもな! まあ今の状態でも一緒に住んでいるようなもんだけど…」

なんて彼が言ってくれていたので、私はますます結婚するだろうと確信していました。そして、年末が近づき、そろそろ彼の家族に紹介してくれる時期かしら?と期待していました。

しかし期待は大きく裏切られました。年末、彼はしばらく一人で実家の青森に帰ると言ってきたのです。

「私も青森に行ってみたいな。もうしばらく旅行も行っていないし、コロナも去年よりは落ち着いてきているし…」

私が積極的に提案してみたものの、答えはNOでした。

【後編】へ続く。