ジェシカ・チャスティン(Jessica Chasten) photo : Getty Images

カンヌ映画祭で審査員を務めたジェシカ・チャスティン。出品作品に登場する女性像に対する違和感を語った。

エンタメサイト「ザ・ラップ」に今回の映画祭についてコメントしたジェシカ・チャスティン。「10日で20本の映画を見たのはこれが初めてだった。映画は好きだわ。今回の経験で描かれている女性キャラクターからよくわかったことは、世界が女性をどう見ているのかということ」「正直に言って、いくつかの例外を除いてとても動揺するようなものだった」。出品作の女性の描き方に満足できなかったと語った。

ジェシカはこれが女性の監督や脚本家が少ないことが原因だと分析。「もっと女性の語り手を受け入れれば、私が毎日の生活で見ているような女性たちが登場するのではないかと希望を込めて思う。積極的で主体性があって、周りの男性に反応するだけでなく、自分自身の視点を持っている女性よ」。

ソフィア・コッポラ監督が監督賞を取ったり、河瀬直美監督の作品がコンペティション部門に出品されエキュメニカル賞を受賞したりと、ハリウッドの賞に比べて女性映画人の活躍が目立つカンヌ国際映画祭だけれど、ジェシカの理想はまだまだ実現しないもよう。ハリウッドやカンヌが、言ってみれば内部にいるジェシカからの指摘をどう受け止めていくのか、今後の変化も見守りたい。

text : Yoko Nagasaka