「乳がん」を見落とさないために。経験者が語る、知っておきたい“検診”のこと

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■乳がんの患者さんが思うこと

女性のみなさん、婦人科系の検診(乳がん・子宮頚がん&体がん)は、きちんと受けていますか?男性は、奥さんや愛する人たちに「検診にちゃんと行ってね」と、伝えているでしょうか。

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検診を受けていない人の意見をまとめると、面倒だし、お金がかかるから後回しにしちゃう…というのと同時に、「何か出たらイヤだし、怖いから受けない」という言葉も、よく耳にします。

確かに、病気は平穏だった日常に不安や恐怖を連れてきます。けれども、放っておいて良いことは何一つありません。
病気を公表してから、「実は、私もサバイバー(がんを克服した)なのよ」と、打ち明けてくれる人が沢山います。
その中でも、「なんとなく気づいていたけれど、放置してしまった」ことで、進行してから治療に入ったという方もいました。

彼女たちが言うのは、いつも同じです。
「どうして、あの時、たった少しの時間と検診のお金を渋ったのだろう。もしも過去に戻れるならば、自分を引っ張ってでも検診へ連れて行くのに」

乳がんは種類にもよりますが、少しずつ大きくなっていく場合が多いため、そうしたことを治療の段階で知れば知るほど、彼女たちは“あの時”を悔んでしまうのでしょう。

■乳がん検診は、痛い?

私が、よく聞かれるのは「乳がん検診て、痛いんでしょう?」ということです。

みなさんが「痛いんじゃないか…」と心配しているのは、【マンモグラフィー(=マンモ)】という、乳房を挟み、X線撮影を行う検査についてが、ほとんですが、この“乳房を挟む”という、日常で聞かない状況が、女性の「なんだか、怖い」「痛いんじゃないか」という不安を強めているように思います。

私も、初めて受ける際にインターネットで検索をし、「マンモが痛かった」という情報を目にして不安になりましたが…受けてしまえば、怯えるほどの痛みでは全くないと思います。

痛みには個人差がありますが、同じ“挟まれる”という状況であれば、手や指を挟んだ時の方が何倍も痛い気がしますし、「乳腺外科」の方たちは毎日、すごい人数の女性の胸を検査していますので、驚くほどの早業で済んでしまいます。

また、「胸が小さすぎて挟めないかも…」という女性もいますが、胸の脂肪を挟むというより、脇の下の肉からギュギュっと押しこまれるので、その心配もありません。
唯一、意識しておくならば生理前は胸が張っている人が多く、痛みに繋がるようなので、その期間は避けて検診をした方が良さそうです。

■見落とさないために

乳がん検診には、
・マンモグラフィー
・超音波(エコー)
・触診(医師が触れて判断する)
の3つがあります。

よく「どれを受ければいいの?」と聞かれますが、出来れば3つとも行って頂きたいです。
なぜなら、それぞれに特徴があるため、どれかに限ることで見落とさないためです。

また、30代までの人は乳腺が発達しているため、マンモだけでは がんが見つかりづらいという傾向があるそうです。

初期であるほど分かりづらいので、私のように「一年前は無かったもの」が少しずつ、見えてくることもあるため、どの年代であっても、一年に一度の検診を強くお勧めします。

例え、検診で病気が見つかっても、あなたは一人ではありません。医師や看護師さんが、しっかりと支えてくれていますし、同じ想いを分かち合えるサバイバーの人たちが、あなたの不安な心を理解し、応援してくれますよ。

藤森 香衣
11才からモデルを始め、広告を中心に活動、出演したCMは70本を超える。 2013年4月、乳がんにより右乳房を全摘出。がんについての知識を広めるため、手術と同時に病気を公表し、がん全般の啓蒙活動を行っている。 TENCARAT Plume所属。