大好きな“ももクログッズ”を新婚の妻に捨てさせられた男性。嫉妬?軽蔑?原因は誰でも抱く「ある欲望」
ここ数日、「大好きなももクロ(ももいろクローバーZ)グッズを新婚の妻に捨てるよう言われ」、言われた通り処分したものの、生きる気力をなくした男性のSNSへの投稿が話題になっている。

興味深いのはそのグッズが新婚宅ではなく、彼の実家にあったものだということだ。つまり新居が狭くなるから処分してほしいという要望ではないこと。このふたり、マッチングアプリで出会って2ヶ月で結婚したという。

交際期間の短さから、お互いのことをよく知らないままに結婚してしまったのではないか、あるいは妻がよほど嫉妬深いのではないかとも推察できるが、彼によれば「妻はももクロが嫌いなわけではなく、アイドルにはまる人が嫌い」なのだという。

ただ、彼にとってももクロは自分がつらかった時期、生きる支えになった存在でもあったため断腸の思いで処分したようだ。

◆「相手をコントロールしたい」気持ちの表れ

好きで集めているものを夫に捨てるように言われた、という女性はあまり多くないように思う。ところが今回のように妻から、自分が蒐集(しゅうしゅう)しているものを処分しろと言われる男性の話はときどき耳にする。男性のほうが蒐集癖があるからなのか、あるいは蒐集癖のある男性を嫌う女性が多いからなのか……。

新婚時だからこそ、今のうちに「私の色」に染めたい願望があるのかとも感じたが、結論からいえばどう考えても「相手をコントロールしたい」気持ちの表れなのだろう。夫がはまっているのが女性アイドルだったことが、その気持ちに拍車をかけた。

これがスニーカーやジーンズ蒐集だったら、妻はそこまで処分することに固執しなかったかもしれない。彼女の気持ちの中に、「男性が女性アイドルにはまるのはみっともない」という価値観があるからこその「支配欲」ではないだろうか。

◆フィギュア用にアパートを借りている男性も

結婚するとき夫の大好きな女性アイドルのポスターをすべて捨ててもらったという女性がいる。

「つきあっているとき、夫はそのアイドルが好きだったことを話してくれなかったんです。いざ結婚して新居に合流したとき、夫の荷物の中にアイドルのポスターがたくさんあった。

新居に貼るつもりはないというから、だったら捨ててよと。オレの青春だったんだと言っていましたが、私と一緒に新しい生活を始めるのに他の女性の影があるのが嫌だった。結婚して10年以上経った今思えば、芸能人のアイドルが好きだっていいじゃないかと思うんですが(笑)。

あの当時は嫉妬もあったけど、私の言うことをどこまで聞いてくれるのか試していたのかもしれません」(40代女性)

相手の愛情を試したかった。一見、かわいい動機に聞こえるが、よく考えるとそれもまた支配の第一歩ともいえそうだ。

40代男性からも、こんな声があった。

「僕はアニメ系のフィギュアにはまってしまいまして……。数年前、そのことを妻にちらっと話したらものすごく軽蔑したような目で見られてビビりました。

どう考えても賛同してもらえそうになかったので、ある程度、フィギュアを集めたところで小さなアパートを借り、そこに好きなように並べて愛でています。その部屋に行くと自分が自分でいられるような気がするんです」

理解してもらえないなら、こっそりと自分の世界を大事にしていくしかないのだろう。

◆相手をコントロールしたい気持ちは誰にでもある!?

相手を支配したい心理は誰にでもあるのかもしれない。支配というと言葉が強烈すぎるが、「自分の知らない世界をもってほしくない」という気持ちというとわかりやすい。

もう少し広げてそう考えると、それは「モラハラ」のひとつの大きな特徴にもなる。