今週のテーマは「旅行をした後、振られた男。その理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:年上彼氏と2泊3日の初旅行。沖縄の高級ホテル滞在中、26歳女が男に幻滅したワケ




羽田空港に到着した瞬間、私は肩の荷がスーッと下りた。

「楽しかったね」

隣で呑気に言う和也に、私は愛想笑いを浮かべる。

― もう二度と、この人とは旅行に行かない、っていうか別れよう。

そう決意しながら…。

本人はまったく気づいていないようだが、旅費の分担など和也とは合わないことが多いことが旅行中に発覚した。


A1:顔が良かったから。


和也とは、恵比寿横丁で出会った。しょうもない食事会へ行った後に、女友達と反省会をしようとエビ横へ移動した。

店の中にいる男女の熱気に驚いていると、早速声をかけてきた男性二人組がいた。そのうちの一人が、和也だった。

「一緒に飲みませんか?すごく可愛いなと思って…。僕たちも男二人なので、良かったら!」

一瞬、私と女友達の亜子で顔を見合わせる。変な人だったら断ろうと思ったが、かっこよかったし悪い人ではなさそうだったので、私たちは笑顔で頷いた。




4人で飲み始めると、和也が積極的に話しかけてきてくれた。

「よく来るんですか?」
「私は全然…。この雰囲気に、圧倒されてます」

話しているうちに、和也は4歳年上の30歳で大手ディベロッパー勤務だとわかる。いい人そうだし、話も面白い。

「歩美ちゃんは、今どこに住んでるの?」
「私は祐天寺です。和也さんは?」
「僕は中目だよ!近いじゃん」

この日はそんな会話で終わったが、翌日、和也からデートの誘いがあった。そして二度目のデートの時に、和也が交際を申し込んできたので、私たちは付き合うことになった。




とんとん拍子で付き合うことになり、1ヶ月後に旅行に行くことになった私たち。

「良ければ旅行しない?有休が溜まっててさ。歩美は休み、取れたりする?」
「金曜だったら休めるかも!2泊3日でどうかな」
「じゃあ国内か。九州とか…北海道とか?逆に沖縄もいいけど」
「沖縄いいね!行きたい!!」

でも、この旅行が別れの始まりだった。

そもそも旅行の計画を立てていた時から、気づくべきだった。

「この飛行機で行こうか。歩美は自分で取れるよね?」
「うん、大丈夫だよ」
「ホテルはどこがいいかな…」

飛行機代は少し多めに払ってくれるのかと期待をしていたが、和也にそんな発想は皆無なようで、飛行機代は自腹となる。

― 和也も普通のサラリーマンだし、仕方ないよね…。

飛行機代のことは、割り切ることにしたものの、結局、旅行中は和也に対して減滅することばかりだった。


A2:ネガティブ過ぎる。決断力もないし、つまらない。


新年度でバタバタしているうちに、あっという間に旅行の日がやってきた。

「着いた〜!!やっぱりもう暑いね」

那覇空港へ着いた途端に、夏の熱気に包まれて私のテンションは一気に上がる。

「今日は何する?」
「…何しよう。一旦チェックインしてから、ホテル内でランチでもする?」
「歩美って、沖縄詳しいの?」
「いや、全然だけど。ランチしながら計画立てようよ」

こうして、私たちはまずはホテルへ向かった。でも実はこの時から暗雲フラッグが、立ち始めていた…。




和也が予約してくれていたのは綺麗なコバルトブルーの海が一望できる部屋で、私の気分は上がる。

しかし、その後フロントでレンタカーを借りようとしたら「今すぐに借りられる車が一台もございません」と言われてしまったのだ。

「うわミスったわ…ごめん、歩美」
「全然いいよ!でもさ、ホテルが素敵だからホテルでお籠もりっていうのもアリだし。明日は予約が取れそうだから、ドライブは明日にしよ」

本当に、私はどっちでも良かった。それにこんなに素敵なホテルなのだから、一日中ここにいても構わないと思った。

しかし和也から出た言葉に、私のテンションが下がりそうになる。

「そうだね。あ〜でも最悪だ」

― “最悪”ってほどのことかな…。せっかく楽しもうとしているのに、そんな言い方しなくても良いのに。

一旦聞き流したものの、その後も同じようなことばかりが続く。

それは、翌朝のこと。起きると残念ながら雨模様だった。するとここでもまた、和也はネガティブワードを発し始めた。




「沖縄で雨降ったら、することなくない?せっかくレンタカー借りる日だったのに残念だなぁ…」

今日はレンタカーを予約して、ビーチホッピングを予定していた。でも雨を嘆いたところで、どうしようもない。

気分を切り替えて他の楽しいことを考えればいいのに、ひたすらウジウジと愚痴を言っている和也。そんな彼のことが、段々と鬱陶しくなってきた。

「そんなこともあるよね。とりあえず、朝食でも食べようよ和也」
「その後何する?」
「『沖縄美ら海水族館』とか?美術館もあるみたいだよ!あとはね…やっぱり絶対に『Tギャラリア沖縄 by DFS』には行きたい」
「買い物はアリだね。東京とやること変わらないけど平気?」
「うん、全然大丈夫。和也は?」
「僕はなんでも」

やはり和也は、計画性がない。いや、計画は立てていなくても良いのだけれど、スマホという便利なものがあるのだから調べようとは思わないのだろうか。

“沖縄 雨 デート 過ごし方”などで調べれば、いくらでも出てくる。

それなのに何の提案もなく、他力本願でネガティブ思考の和也の印象はどんどん悪くなっていく。

結局、DFSで和也は高級バッグなどを爆買いし、私は欲しかった物を買ったのだけれど、そこでも違和感は拭えなかった。

「和也楽しそうだったね、良い買い物ができて」
「そうだね。歩美も、欲しかったカバンが買えて良かったね」

彼からすると、楽しい旅行だっただろう。

和也は、自分の好きな物を好きなだけ買ったうえに、私に何か買って欲しいとねだられることもなかったのだから。

そして極めつきは、チェックアウトの時。

「和也、ここの宿泊代って…」
「あぁ、いいよ。先に僕のカードで切っておくから」
「ありがとう」

― もしかして割り勘ってこと?

もし割り勘なら最初から言ってほしかった。ホテルだって自分が支払えるレベルに変えることもできた。

結局、和也は、気遣いもなしで勝手に楽しんでおきながら、支払いはきっちり割り勘…違和感が拭えない。一応年上だし、多少多めに支払うとかはないのだろうか。

今回の旅行で、彼の本質が見えて一気に冷めてしまった。

この先、人生でいざ何かが起こったとき、彼は頼りにならないと思う。嫌なことがあったとき、彼は気持ちの切り替えがすぐにできないし、機転が利かないから。

もしずっと一緒にいるなら、ポジティブで楽しい人がいい。ウジ虫君は御免だ。

― 付き合い始めの段階で、旅行しておいて良かった…!

そう考えることにして、私はこの旅行から帰って早々に彼に別れを告げた。

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▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

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女が萎えたデートとは