ブラピ主演のラブロマンスを、彼が手掛けるロゼ・シャンパンとともに楽しむ
毎月、映画とワインのマリアージュを提案していく連載、ほろ酔いシネマ。
今月は、死神が人間に恋するロマンティックファンタジー『ジョー・ブラックをよろしく』。
主演のブラッド・ピットが手掛けるロゼ・シャンパンを片手に、ラブロマンスに酔いしれてみては?
▶前回:Vol.13「『ショコラ』×アメリカのクインテッサ」
若かりしブラピが演じるチャーミングな死神
柳:わくわく、わくわく。
嵩倉:柳さん、そんなにわくわくして、『SPY × FAMILIY』のアーニャですか?
嵩倉:あの自動車レースの?
新谷:ええ、そうなんです。監督は『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー。
この映画でブラッド・ピットは、チャンピオンを目指す若手F1レーサーのサポートのため現場復帰した元F1レーサーを演じるそうです。
柳:去年の英国グランプリでは現役F1レーサーを交えた撮影をしたらしい。
新谷:長くブラピを追ってきた私もわくわくです。
嵩倉:この前、レオ様推しをカミングアウトしたかと思えば、今回はブラピ?
新谷:元を辿ると私の推しはロバート・レッドフォードで、彼の監督作品『リバー・ランズ・スルー・イット』を観に行き、若き日のレッドフォードにクリソツなブラピの美しさに心を奪われたんです。
柳:最近はB級としかいいようのない、『ブレット・トレイン』のようなドタバタ映画にも出演し、二枚目半ぶりも板についてきたブラピですけど、新谷さんご推薦の1本は、1998年の作品『ジョー・ブラックをよろしく』。
まあ、うらやましいを通り越して、ねたましいとしか言いようのないイケメンぶりですね。
90年代のややオーバーサイズなスーツ姿はダサいんですが、ピーナツバターを舐めるシーンとか、ああいうのに世の女性はイチコロなんだろうな。
嵩倉:ピーナツバター?それ、いったいどんな映画なんです?
新谷:名優アンソニー・ホプキンス演じる大富豪のビル・パリッシュは、まもなく死が訪れる運命。しかし、人間社会の案内をしてくれるなら、寿命を数日延ばしてやろうと死神が取り引きを持ちかけます。
死神はその朝、交通事故に遭い死亡した青年の体を借りてビルの前に現れるのですが、それを演じるのがブラッド・ピット。
青年は事故に遭う前に偶然、ビルの娘で医師のスーザンと出会い、お互いにひと目惚れ。その夜、晩餐の席に出席した青年をビルは苦し紛れにジョー・ブラックと紹介し、そこに仕事から帰ってきたスーザンが現れて……という展開ですね。
今月のワインシネマ『ジョー・ブラックをよろしく』
ブラッド・ピット主演のロマンティックファンタジー。
大富豪パリッシュ(アンソニー・ホプキンス)の死期が近づき、迎えにやって来た“死神”は、少しの間、人間の世界を体験することに。
事故で亡くなった青年の体を借り、パリッシュに案内役を頼む中で、彼の娘スーザン(クレア・フォーラニ)と恋に落ち……。
死神が人間の人生を体験する!?ロマンティックファンタジー
恋に落ちる瞬間をなんとも素敵に映し出している、朝のコーヒーショップでのやりとり。
この後、青年は事故に遭い、“死神”が彼の体を借りて彼女と再会。見た目は同じなのに別人?という展開に!
◆
柳:物語の終盤、ビルとジョーが会社の重役ドリューの背任行為を暴くシーンが痛快でした。
南仏のロゼワインに続き、シャンパンも手掛けるブラピ
嵩倉:ところでブラピといえば、ワインも造ってませんでした?
柳:おっ、よくご存知で。南仏プロヴァンス地方のシャトー・ミラヴァルね。
元妻のアンジェリーナ・ジョリーと共同でシャトーを手に入れ、ローヌの有力生産者ペラン家の力を借りて、とくにロゼワインを主力に造っている。
ただ、アンジーは3年前、自分の持ち株を売却してしまったらしい。
嵩倉:あらま。
柳:一方、ブラピの方は南仏のワインだけでは飽き足らず、ロゼ・シャンパン専門のメゾンを立ち上げた。
それが「フルール・ド・ミラヴァル」で、醸造には小規模ながら優れたシャンパンの造り手として名高いロドルフ・ペテルスが携わっている。
嵩倉:では、今回の映画はラブロマンスですし、ぜひともそのロゼ・シャンパンを片手に!
柳:いや、それが1本6〜7万円もする高級品なんだ。
新谷:パリッシュ家並みの大富豪なら気軽に開けられるけど(涙)。
柳:でもね、ありがたいことにその妹分が新たに登場した。名前は「プティット・フルール」。死神ジョーとスーザンの恋模様にも似て、あやういほど繊細、かつ複雑なロゼ・シャンパンだよ。
「FLEUR DE MIRAVAL Petite Fleur(フルール・ド・ミラヴァル プティット・フルール)」
ブラピとローヌのペラン家、そこにシャンパーニュの名門ペテルス家のロドルフが助っ人に加わり、ロゼ・シャンパン専門のメゾンを設立。
シャルドネが95%を占めるところが、ブラン・ド・ブランのスペシャリストらしさ。名前のとおり、フローラルなアロマが印象的。
18,150円/ジェロボーム TEL:03-5786-3280
◆
新谷:今度のF1映画でも、表彰台のブラピがシャンパン・ファイトするシーンあるのかしら?
柳:それが「フルール・ド・ミラヴァル」なら、ぼくは表彰台の下で口開けて待ってます。
マリアージュをお届けするのはこの3人!
幅広い分野の雑誌で執筆を手掛け、切れ味のあるコメントに定評があるワインジャーナリスト。実は“ブラピ”の映画は数多く観ていて、中でも1番お気に入りの作品は『トロイ』。
映画を中心に書いたり取材したり喋ったり。ブラピの映画はほぼ制覇。この映画で語られているような「胸を震わす恋の情熱」がどこかに落ちていないかしら……と考える日々。
本連載の担当になって7年目に。ワインの知識は着実に積み上がっていると信じ、柳氏にしがみつく日々。「オーシャンズ」シリーズでサンドイッチを食べる“ブラピ”が大好き。
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