後藤愼平

写真拡大

世界で活躍するファッションデザイナーの輩出を目指すファッションプライズ「FASHION PRIZE OF TOKYO」の第6回受賞デザイナーに「エムエーエスユー(M A S U)」の後藤愼平が選出された。国際的知名度向上のために2023年1月(もしくは3月)と6月(もしくは10月)にパリでコレクションを披露するほか、3月の「Rakuten Fashion Week TOKYO」でのイベントの実施を予定している。

【画像をもっと見る】

 FASHION PRIZE OF TOKYOは2017年に設立。国内外で知名度がある東京のファッションデザイナー1組を選定・表彰し、パリでのコレクション発表をサポートしている。昨年は「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」のデザイナー小泉智貴が受賞した。

 審査員は「ロンハーマン(Ron Herman)」のウィメンズクリエイティブディレクター根岸由香里、クリエイティブディレクターの長尾悦美、ファッションキュレーターの小木 “Poggy” 基史の3人に今年度から、「プラスエイティーワン(+81)」を手掛けるファッションディレクターの郄島涼が加わった。審査基準は「今後東京を代表するインターナショナルブランドになる可能性がある」、「デザイン・アイテム数・価格帯で知名度向上の可能性がある」また「海外出展の意欲があり、支援内容を実地する体制がある」という3つの観点。長尾氏は、数多くのブランドがエントリーした中で、今回が3度目の応募だったというエムエーエスユーのエントリーシートに書かれていた「私たちを信じてください」という言葉に、「世界に羽ばたきたいという意気込みがすごくピュアに感じられ、ファッションの楽しさを発信したいという意欲が胸に響くブランドだと感じた」とコメントした。

 後藤は1992年生まれ。文化服装学院卒業後、メゾンブランドのヴィンテージを扱うLAILAへ入社。「セブン バイ セブン(SEVEN BY SEVEN)」の立ち上げメンバーとして企画・生産に携わり、2018年秋冬シーズンからM A S Uのデザイナーを務めている。ブランド名の由来は丁寧語の「ます」。使い慣らされた言語表現さえも再評価し、字面の通り、丁寧な態度を貫くプランドであり続ける意志が込められている。少年期から後藤を魅了し続けているヴィンテージウェアの、思想や哲学、時代背景、アイデアからインスピレーションを得て、歴史の蓄積が作り出した衣服の型や素材がもつ記号に誠実に向き合い、時代を超えて愛される「誰かにとってのヴィンテージになり得る服つくり」を標榜している。

 FASHION PRIZE OF TOKYOを受賞した後藤は、「今までの、王道とアウトサイダー的な要素を兼ね備えたブランドの姿勢を変えることなく、新しいブランド、今まで見たことがない新しい存在になっていく必要があると感じている。期待してもらえれば」と意欲を見せた。

 会場では、MASUの擬似プレゼンテーションが実施され、テーブルについたモデルたちがトランプをするパフォーマンスが披露された。