リモートワークをさせてくれない会社に不満。社員の要望を通す3つの方法
今回のお仕事ハックは「リモートワークをさせてくれない」とのお悩みについて、ライターのぱぴこさんがアドバイス。
リモートワークをさせてくれない
リモートでもできる仕事内容なのにも関わらず、「コミュニケーションが大事だから」という理由で出社勤務をさせられています。リモートワークに切り替えてもらう方法はありますか?
(30代/事務系専門職)
リモートワーク、活用していきたいですよね。と、言いながら、私は約2年ほど出社がほとんどない状態です。月1回出社だったとしても24回程度……? 緊急事態宣言やまん防がない時期の出張や出社はしたとはいえ、多めに考えてもここ2年で出社した回数は40回はいかないと思います。そう考えると少なすぎてびっくりしますね。
相談者さんからすると「うらやましい」と思われる環境だと思いますが、ここまでの出社制限をされている身からすると「コミュニケーションコストが高すぎる」と感じることは多々あり、「コミュニケーションが大事」という方針も理解できます。
ただ、本来的には業務や、働き方の選択ができることが望ましいですし、感染が拡大する中で「出社必須」で管理されると、リスク管理の面からも不安が湧くのは仕方がないことです。私も「出社前提、理由はコミュニケーションのため」と言われたら絶対に会社を辞めていると思います。
とはいえ、理不尽だなと思っていても、「リモートワークさせてください!」と自分の願望をぶつけても100%通りはしないので、どうすれば認められる確率が上がるか? を考えていきましょう。
■会社方針なのか、上司の方針なのか
前提として「出社が必須」というのが、会社の方針なのか上司の方針(チームや部単位の方針)なのかは重要なポイントです。
会社でリモートワークを推進しているのに、上司がコミュニケーションのために出社を強制しているのであれば、人事総務に相談したり、会社方針をエビデンスとして上司を説得できたりする可能性があります。
会社自体が「出社前提」なのであれば、周囲や上司を巻き込んで要望をあげていく必要があるので少し手間がかかります。とはいえ、実施する観点は同一なのでポイントを絞って確認していきましょう。
■要望を通すための3つのポイント
リモートワークを認めてもらうための交渉ポイントは3つです。「リモートワークにしましょう!」とただ主張しても難しいので、要求を飲んでもらうテクをお伝えします。
1.リモートワーク希望者を募り、大多数の意見として訴える
2.リモートワークによる利益をエビデンスと共に訴求する
3.使用期間・試験導入を設置するなど緩やかに制度化する
個人より団体の力が強いのはこの世の理です。おそらく「リモートワークをしたい」と考えている社員は相談者さん以外にも多くいると思いますので、その人たちを巻き込んで協力してもらいましょう。
コロナ禍で普及したリモートワークの効能はさまざまな形でレポートになっています。定量・定性で「リモートワークがプラスである」エビデンスをそろえて、客観的事実を伝えましょう。
急に「フルリモート化」はハードルが高いのであれば、テスト導入を訴えてみましょう。期限が決まっている「お試し」であれば受け入れてもらえる確率は上がります。
■一番大事なのはタイミング
上に述べた3つのことはもちろん重要ですが、一番大事なのは結局「タイミング」です。今年に入っても新たな変異種が確認されるなど、まだ感染対策が必要とされる今だからこそ、“安心安全に働いていく仕組み”としてリモートワークを導入していくべき……というストーリーラインに乗せることができると思います。
ぜひポイントを抑えつつリモートワーク導入を進めてみてください。
Point.
・現状の出勤体制が「会社方針」なのか「上司方針」なのかを確認する
・ポイントを抑えて、要望・要求を伝える
・世論や世相に「流れ」がきているタイミングを生かす
(文:ぱぴこ、イラスト:黒猫まな子)