カップルでセックスレスとどう向き合うか、という話
今日は「セックスレス」がテーマです。
セックスレスの一般的な定義は、病気などの特別な事情がある場合を除いて、一ヶ月以上セックスがない状態のことを指します。
幸い、我が家の場合、今のところ目立ったレス状態にはなっていません。しかし「油断をするとそうなりかねない」と警報が僕の頭の中でガンガンに鳴っています。
というのも、セックスレスになっている男性たちのアンケート(*1)に必ず書かれている「したくない訳ではないが、仕事で疲れている・面倒くさいという気持ちがそれを上回る」という感覚が僕にもあるからです。
■セックスレスの原因の大半はおそらく「慣れ」
人間はどうしたって慣れる生き物です。
新人の頃には仕事を覚えることで毎日がいっぱいいっぱいだったのに、3年もすればその作業のほとんどがルーティン化し退屈なものになります。
仕事とセックスを同じものだとは思わないですが、その対価として得られる快楽と興奮を生み出す物質が「ドーパミンとアドレナリン」であるという点では似ています。
セックスも仕事と同様に「新しければ新しいほど刺激的」であり、工夫を怠って「作業化・慢性化していくとつまらないもの」になっていきます。
お付き合い初期はセックスをすること自体がお互いにとって新しいことであり刺激的だったのに、その行為自体が「日常」になるとその希少価値が薄れ、「疲れ切った体にムチ打ってするほどのことでもない」と思うようになる可能性があるわけです。
■「セックスする気にならない」は理由にならない
セックスレスに悩む人の多くが、その理由に「自分はしたいと思っているけど、パートナーがその気にならない」ことをあげています。
セックスレスにおいて一番の害は「その気にならないからという理由で何もしない」ことです。
めんどくさいを理由にやらなくなると、「したいと思っているのにやれないのは、この人との相性が良くないからだ」という、「認知的不協和を解消しようとする心理」が働き、しない理由がどんどん正当化されレスを加速させることになりかねません。
仕事でもそう、めんどくさいの大敵は「それを理由にしてやらないこと」なのです。
問題は「いかにしてやるのか?」にある訳ですが、それらの施策を試す前に知っておいたほうがいいことは、性欲が出るからやりたくなるのではなく、やるから性欲が出てくるということだと僕は考えます。
■行動が先、モチベーションは後から付いてくるもの
ところであなたは「部屋の掃除って、始めるまでが大変だけど、一度始めてしまうと模様替えまでしそうになる」といったような体験をしたことがありませんか?
あの現象こそがモチベーションコントロールの全てを物語っています。
多くの人はモチベーションが行動を促すと信じています。だからセックスについても性欲というモチベーションをかき立てる方法をアレコレ考えるわけです。
ところが、実際の順番は世間の認識とは逆で、実は行動が先でそのあとにモチベーションが作られているのです。
「する気が起こらない」問題を解決させるための方法は、どうしたらやるモチベーションが上がるのか?という問いの中にはなく、掃除と同様、いかにして最初の一歩を踏み出すか?という問いの中にあるのです。
その一歩さえ踏み出せればあとは雪崩式に進んでいくのです。
■「いかにしてやるか?」に頭を使う必要がある
僕が意識していることは、「やること」の目的を必ずしもオーガズム達成に固定しない、ということです。
これによってセックスに取り組むこと自体へのハードルが下がり「体を重ねること」という第一歩を実践しやすくなります。
それでも「やっぱり今日はあまり調子が良くないな」と思えば、ハグやキスのみにとどめてサッと寝るというのも全然アリです。それも立派なセックスです。
ちょっとでも「それをした」という事実が、あれもやろう、これもやろうという気持ちを起こさせるのです。
■レス問題は起こってからでは対処が難しい
色々な体験談を読んでいると、セックスレスは一度なってしまうと回復が非常に難しいようです。
ほとんどはメンタルの問題なので、カウンセラーなどの専門家の力を借りてようやっとなんとか、といったような印象です。
できることならそうなる前に手を打っておいたほうが良いでしょう。
もし、今あなたがパートナーとの関係に戸惑いを感じているなら、勇気を出して話してみてください。
セックスについてパートナー真面目に語り合うことは、恥ずかしいことでもなんでもありません。それがきっと2人の関係を深めることに繋がるはずです。(川口美樹/ライター)
(*1)【GLITTY】「仲良しだけどセックス離れ。みんな面倒くさがってる #アンケート結果」
https://www.glitty.jp/2016/07/056071sex.html
(ハウコレ編集部)