実は今まで謎!ビールの瓶をぶつけると泡が噴き出す原理が解明される―仏西研究

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瓶でビールを飲む時に、瓶のお尻を他の瓶の口にコツンと当てると、泡が噴き出します。パーティーでやったことある!という方も多いと思いますが、実はこの現象、これまで謎に包まれていました。キャビテーションと呼ばれる現象です。

身近な現象にも、意外と説明がつかないことって多いようです。

小瓶でビールを飲む時に、瓶のお尻でもう1つの瓶の口を、上からコツン、と叩いてみて下さい。叩かれた瓶の中のビールはみるみる泡立ち、一瞬で溢れてきます。友達にいたずらでやったことある!という方も多いかもしれません。

ごく軽い衝撃で、なぜ急に泡が噴き出すのか?スペイン、カルロス3世大学とフランス、ピエール・マリー・キュリー大学の研究で、そのメカニズムが明らかになりました。

この現象は、流体力学で「キャビテーション」と呼ばれるもの。水中のプロペラに起こる現象として有名です。波が発生すると、その周辺で液体が急速に凝縮・拡大します。この圧力差で空気の泡が発生するという理論です。

瓶の口が衝撃を受けると、それが一瞬で瓶全体、そして中の液体に伝わります。この波によって、ビールが伸縮して泡ができ(母泡)、さらにその泡が同時に細かく分かれて(子泡)瓶の中に納まらなくなり、噴き出してしまうというわけ。

聞くとなるほど、と思う仕組みですが、これまではっきりと説明されてこなかったというのは意外な事実。泡の発生を見てみたくなったあなたは今夜の晩酌を瓶ビールにしてみてはいかがでしょうか?

参考:The Physics of Beer Tapping
http://www.newswise.com/articles/the-physics-of-beer-tapping?ret=/articles/list&category=science&page=1