「ゲノム解読」が進むと、結局どんなメリットがあるの？「長生きできる」「職業の適性が分かる」
学者たちが競って研究している遺伝子。人間の遺伝子の解読は、「病気の予防」「職業適性の判断」など、私たちの生活にもメリットをもたらすようです。
ヒトの遺伝子は、A、T、C、Gの4種類の「ヌクレオチド」という物質の組み合わせでできています。これらがどのような順番で並んでいるのかを解明し、再現するのがヒトゲノムプロジェクト。
現在はその解読が終了し、その遺伝子の各部分がどのような意味や働きをもっているのか、ということが盛んに研究されています。
そもそも遺伝子の配列や機能が分かることは、どんな風に私たちの生活に関わるのでしょうか。例えば、「裸のモルモット」。
毛のないモルモットはいかにも痛々しい様子なのですが、彼らは特に痛みを感じることもなく、がんになることもなく30年生き続けます。
なぜそれが可能なのかというと、彼らの細胞は変質したたんぱく質を取り除く能力が、われわれ人間よりも強いからなのだそうです。
この体質は遺伝子によるもので、人間にも応用できれば、医療医術の飛躍的な進歩につながるのではないかと期待されています。
また、遺伝子検査は盛んに行われるようになってきました。身元の特定や親子の証明だけでなく、自分の適性や病気の可能性を知ることができます。
例えばピアニストになるかどうか迷っている人が、遺伝子検査の結果、関節炎になるリスクが30%あるという事実を知ることができれば、選択の一つの手助けにはなります。
ちなみに現在、これらの遺伝子研究の最先端を知れる企画展が、スミソニアン博物館で開催中。スミソニアン科学博物館、全米ヒトゲノム研究センター、そして遺伝子学者たちの協力で開催されています。
展示ではほかにも、遺伝子組み換えやクローンの是非を考えるコーナーや、肌・髪・目の色など身体的特徴を解説するコーナー、今後の研究課題を紹介するコーナーなど、かなり見ごたえのあるものになっています。
ワシントンDCを訪問する予定のある方は、立ち寄ってみても面白いかもしれませんね。企画展は2014年9月1日まで開催中です。
※ 当記事は、ハイブリッド翻訳のワールドジャンパー（http://www.worldjumper.com）の協力により執筆されました。
参考：The ABC’s of Your DNA‘Genome: Unlocking Life’s Code,’ at the Smithsonian
http://www.nytimes.com/2013/08/30/arts/design/genome-unlocking-lifes-code-at-the-smithsonian.html?hpw&_r=0
