男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

-あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:2回目の和食デートで29歳女が男から嫌われたワケ。美食女子が犯しがちな失態とは




年下だから、対象外にされてしまったのだろうか。

今年で33歳になる亜美と、28歳の僕。

でも亜美に対して「好き」と言った時。向こうも頬を赤めていたし、良いムードだった。

そもそも、「年齢は関係ない」とハッキリ言ってくれていたし、アプリで出会っているのでお互いの年齢は先に知っているはずだ。

それなのに食事デートへ行ったきり、亜美からの連絡はない。

マッチした後のメッセージのやり取りも順調だったし、初めての顔合わせも成功したから二度目のデートに繋がった。

最初は、たしかに手応えを感じられていたはずだった。

果たして、年上の綺麗なお姉さんを落とすには、実際に会った時にどうすれば良かったのだろうか…。


Q1:マッチングアプリで無事にマッチ!好印象を残すメッセージは?


亜美と出会ったのは、マッチングアプリだった。

最初見た時に、すごく顔がタイプだったのと、明るい笑顔が印象的で、僕はすぐにいいねを押すと同時にメッセージを送る。

― 篤:初めまして、あつしです。すごくお綺麗だったので、思わずいいねを押してしまいました。よろしくお願い致します。

すると亜美からも返信が来て、見事にマッチした僕たち。こうして、メッセージのやり取りが始まった。

― 亜美:初めまして、亜美です。ありがとうございます(笑)。

そこから何度かやり取りをしているうちに、僕は恵比寿、亜美は中目黒に住んでいることがわかった。

― 篤:良ければ近々会いませんか?

すると亜美からも「ぜひ」と連絡が返ってきたので、僕たちは土曜の昼下がり、渋谷の『WHITE GLASS COFFEE(ホワイト グラス コーヒー)』で会うことになった。




当日、シェア型の電動キックボードで待ち合わせ場所まで向かおうと思っていたのだが、近場のポートにキックボードがなく、少し遠くの場所まで取りに行ったため、5分ほど遅れてしまった。

「ごめん!遅くなって」

先に待ち合わせ場所に着いていた亜美。遅れる旨は伝え済みだったけれども、初デートから遅刻は心象が悪い。

でも亜美は、写真と同じような笑顔で迎えてくれた。

「全然大丈夫です。むしろ今日暑かったから、先に来て涼めたので良かったです」

― なんていい人なんだ…!

前の彼女が少し年下だったせいか、デートに遅刻すると毎回怒られた。しかもちょっとのことで不機嫌になっていた覚えがあるけれど、やっぱり年上の女性は余裕があるのか、それとも人間力の差なのか…。

「ごめんね。電動キックボードが近場で見つからなくて」

少し遅刻はしてしまったものの、初めて実際に会えた僕たち。コーヒーを片手に、お互いのことを探り合っていく。




話していくうちに強く感じたが、亜美はアプリ上でも素敵そうな人だなとは思っていたけれど、会うともっと魅力的だった。

「篤くんは、営業職ってことですか?」
「そうそう…って、敬語やめない?」
「じゃあお言葉に甘えて」
「亜美さんは?お仕事は何をしているんだっけ?」
「外資系のIT企業で働いてるよ」
「すごいね!」

お互いの仕事の話や住んでいる場所、出身地などいろいろと話しているうちに、あっという間に時間が過ぎていく。

初対面だけれど一緒にいると話も盛り上がるし、僕はまた会いたいと思った。だから解散前に、素直にその思いを伝えてみる。

「良ければ…また会えないかな?次はご飯とか」
「もちろん!いつがいい?」

こうして、すぐに次のデートが決まった。

アプリで出会う人は、初回や2回目で何となくこの先進むかどうかがわかる気がする。

亜美とは、この先真剣交際にまで発展しそうだなと直感で思った。


Q2:食事デートで女が年下男にガッカリした点は?


1週間後の土曜日。僕たちの初めての食事デートが始まった。

「篤くんって、食事するの好きなの?」
「いや、実は俺は全然詳しくなくて。同僚に聞いたんだ」
「そうなんだ。でもここのお店、雰囲気いいね!」

僕が選んだのはリーズナブルながらも美味しい、学芸大学駅にある創作和食店だった。




「ここ、コスパがいいって聞いて」
「そうなんだ。私結構お酒飲むから助かる」
「それなら良かった!グラスワインも1杯1,000円以下だし。料理もそこまで高くないんだよね」
「本当だ。コスパいいね。篤くんも初めてということは…一緒に、店員さんにオススメのお料理とかを聞こう!」

こういう受け答えをしてくれる女性は、モテると思う。機転が利き、相手を立てつつ盛り上げてくれる。

「亜美ちゃん、絶対モテるよね?どういう男性がいいの?」
「私は、尊敬できる人かな。篤くんは?」
「僕は仕事を頑張っていたりとか、自立している人がいいな」
「自立は大事だよね」

大人の恋愛に大事なのは、自立だと思う。なんとなく、亜美の生活感を知りたくて、少しだけ探りを入れてみる。

「亜美ちゃんって今中目黒だよね?どんな家に住んでいるの?」
「…駅前のタワマン、わかる?」
「え!?そこに住んでいるの?すご。俺の狭い部屋とか、絶対入れられないわ…」
「そんなことないでしょ」

想像以上のレベルだったことに軽く落ち込みながらも、優しく微笑む亜美に、僕はワインを飲みながら気になっていたことを聞いてみた。

「ちなみになんだけど…年下はアリ?」

マッチしている時点で大丈夫だとは思うけれど、年下男が無理な人もいる。この確認はとても大事だ。

すると亜美は、目を丸くしている。

「全然大丈夫。年齢は関係ないかな。むしろ篤くんは大丈夫なの?私、5歳も年上だけど…」

大丈夫どころか、ウェルカムである。




「もちろん!前の彼女が年下だったんだけど、すごく幼くて…。年上の女性のほうが、落ち着いてるし包容力があるでしょ?」
「包容力があるかどうかはわからないけど…。年下の女の子よりはあるかな」
「でしょ?」

― よっしゃ!!

年齢の問題はクリアしたし、今日のデートも盛り上がっている。これは、かなり良い感じだ。

「篤くんって、普段はどういう生活リズムなの?」
「平日は仕事帰りにジムに行って、週末はのんびりかな。大学時代の友達と恵比寿界隈で飲んだりも多いし、バラバラだけど。あとはお笑い芸人のYouTubeを見たり?」
「お笑い好きなんだ!」
「うん、好き。亜美ちゃんは?お笑い好き?」
「私は、テレビはほとんど見ないからなぁ…」

亜美は意識高い系のようで、平日も英語の勉強をしたりしているらしい。そんな生活に、僕はただただ感心する。

「すごいね」
「すごくないよ〜。一応先々のキャリアも考えつつ…って感じかな」
「俺、そういう人好き。自分を持っていて、向上心ある人」
「そう?ありがとう」

「ありがとう」と言いながら、頬を赤らめた亜美。これはもう勝ち確定バターンかもしれない。

「でも私さ、彼氏が欲しいし、結婚もしたいんだよね」
「僕も結婚願望あるよ!今すぐにでもしたいくらい」
「そうなんだ」

こうして、ちゃんと結婚願望があることもアピールできていた。しかしこの日は、予想外に1軒目で解散となってしまった。

「中目黒駅だよね?日比谷線まで一緒に行こうよ」
「いや、私はタクシーで帰ろうかな…」

こうして、さっさとタクシーに乗って去っていった亜美。先程までの良いムードを一人引きずったまま、僕はポツンと取り残された。

果たして、僕はこのデートで何かしてしまったのだろうか…?

▶前回:2回目の和食デートで29歳女が男から嫌われたワケ。美食女子が犯しがちな失態とは

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

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年下男はそもそも眼中になかったのか?