性犯罪者のジェフリー・エプスタインの元恋人でソーシャライトのギレーヌ・マクスウェル。エプスタインへの未成年の女性たちの斡旋や人身売買など6件の容疑で逮捕、昨年12月にそのうち5件で有罪判決を受けた。現地時間6月28日(火)に量刑が言い渡された。懲役20年の実刑と5年の監視下での釈放、75万ドル(約1億円)の罰金が科された。

アリソン・ネイサン判事は法廷で「マクスウェルが少女たちに与えたダメージは計り知れない。被害者たちは痛々しく恐ろしい、永遠に続くトラウマの影響の中で生きていくことを余儀なくされた」とコメント。「性的虐待に関与し助長するものは法律によって責任を問われることになる。富裕層であろうと権力者であろうと法の上に立つものはいない」と語った。また法廷でのマクスウェルについて「反省の色もなく、責任を認めていないように見えた」とも。

そのマクスウェルは法廷でエプスタインを「人を操る、狡猾で支配的な男だった」と評し「彼に出会ったことが私の人生で最大の後悔だ」と語った。また彼女の容疑について証言したサバイバーの女性たちに「すべての犠牲者のみなさんへ、私はみなさんが経験した苦痛を申し訳ないと思う」「私に対する判決があなたたちに平和と終わりをもたらすこと、これらの経験を整理し前に進む手助けになることを願っている」と直接語りかけた。被害者の1人はこの謝罪を「中身がない」と批判。「彼女は犯した犯罪の責任をとっていない」とテレビ局「スカイニュース」にコメントしている。

マクスウェルを刑事告訴した被害者の1人、ヴァージニア・ジュフリーは法廷で弁護士を通じて声明を発表。彼女が真の悪だと改めて強調した。「1つだけはっきりさせておきたいのはジェフリー・エプスタインは間違いなくひどい小児性愛者だったということ。しかしあなたがいなければ私がエプスタインに出会うことはなかった。あなたは残りの人生を刑務所の独房で過ごすに値する。あなたが犠牲者を閉じ込めたように、あなたも永遠に檻の中に閉じ込められるべきだ」。ジュフリーはエプスタインの邸宅でアンドルー王子から性的暴行を受けたとして提訴した人物である。ジュフリーと王子の裁判は示談になっている。

マクスウェルの弁護士は彼女がすでに連邦刑務所で2回服役していることから4年3か月から5年3か月の刑期を主張していた。一方で検察側は30年から55年がふさわしいとしていた。ちなみにマクスウェルは現在60歳。

エプスタインは2019年に逮捕され、謎は残るものの勾留中に自殺したとされている。今回マクスウェルの量刑が決まりサバイバーたちの長かった闘いがようやく終結する。