【8/23〜8/29の運勢】8月4週目の運勢はどうなる?SUGARさんが贈る12星座占いをチェック!

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今週のおひつじ座の運勢


illustration by ニシイズミユカ


狂ったわけではありません


今週のおひつじ座は、知らず知らず一緒になって活動していたものとのつながりに、気が付いていくような星回り。

「四五人に月落ちかかるおどり哉」(与謝蕪村)は盆踊りについて詠んだもので、英一蝶(はなぶさいっしょう)という狩野派の画家でもあり、歌人でもあった人の絵につけた句。夜が更けるにつれて人がいなくなり、最後に残ったのが四五人であるということで、もう月も落ちかかっている訳です。

それでもこのお月さまの下で、つまり私たちの心の暗かったり、曇ってしまっている部分を、サーっと照らし出されて、思わずこの身が踊りだして止まらない。そうして、踊り狂ってトランス状態になってしまった人たちの熱気というのが、描かれている。

しかも、絵を見ると、実際にそこにいるのはどう見ても三人なんです。つまり、そこに付加されている「一、二人」というのは、ともに踊っている先祖であり、ここでは生者と死者が混然一体となっている、この世の真実相が示されているのではないでしょうか。あなたもまた、意外なところで自分に寄り添い力を与えてくれているものの存在を感じていくことができるかも知れません。

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今週のおうし座の運勢

illustration by ニシイズミユカ


当たり前のことを当たり前に


今週のおうし座は、自分がもっとも「平常心」でいられる現場を、みずから確保していこうとするような星回り。

吟行とは、俳句の題材を求めて景色のいい場所へ出かけて、その場で何句かを作っていくこと。しかし、ただ名所・旧跡のような“いい素材”を得たからといって、いい俳句ができるとは限らないのです。そのためか、吟行で作られた作品でいいなと感じるものは、大抵どこかひっそりとしていたり、あるいは、余計なこわばりのない、あっさりとした印象のものが多いように思います。

それは、人の目にどう映るかはともかく、自分としては一番ウブな気持ちになって、そういうウブな気持ちのなかにあざやかにみえた風景を17文字で切り取っているからでしょう。そして、そういう一句を自分の作品としていく上で一番大切なことは、「平凡さを恐れない」ということなのではないでしょうか。

今週のあなたもまた、そんな「吟行」に臨んでいるつもりで過ごしていきたいところです。

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今週のふたご座の運勢

illustration by ニシイズミユカ


悪童のまなざし


今週のふたご座は、言葉にならない思いの前で、ただただ沈黙していくような星回り。

「夏の雲肺ふくらめば言葉消ゆ」(榮猿丸)に描かれているのは、むくむくとどこまでも立ち昇る「夏の雲」。そこには、まだ私たちが自分がいつか大人になるだなんていっこうに想像できなかった頃の「幼な心」を思い出させるかすかな消息が残っています。

ぽかーんとあけた口から、もくもくと立ち昇ったプラーナ(気息)が風にのってどこまでも広がった名残りのようなそれは、私たちを根源的な遼遠に置いていくとともに、遠い未来からの牽引をも感じさせます。

振り返った先に広がっていた「夏の雲」を目の当たりにして、思わずそのはかない消息やまさかの葛藤にとらえられたとき、使い慣れた言葉の数々は脳裡から消えゆき、ただただ大きくふくらんだ肺のからっぽさのなかで、遠く遥かなる感覚だけを呼吸にのせていく。永遠に円熟しない少年の命は、ただ夏の一日なのです。あなたも、そんな在りし日の自分に立ち戻ったつもりで過ごしてみるといいでしょう。

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今週のかに座の運勢

illustration by ニシイズミユカ


こわいこわいはとんでいけ


今週のかに座は、生存への意志をあらためて引き出し、受け取っていこうとするような星回り。

1993年に刊行された『完全自殺マニュアル』(鶴見済)の前書きには、次のような有名な一節があります。「これでやっとわかった。もう“デカイ一発”はこない。22世紀はちゃんとくる(もちろん21世紀はくる。ハルマゲドンなんてないんだから)。世界は絶対に終わらない。ちょっと“異界”や“外部”に触ったくらいじゃ満足しない。もっと大きな刺激がほしかったら、本当に世界を終わらせたかったら、あとはもう“あのこと”をやってしまうしかないんだ。」

つまり、自分から死んでしまうしかない。そう促しているかのような一文ですが、本書のあとがきには「『イザとなったら死んじゃえばいい』っていう選択肢を作って、閉塞してどん詰まりの世界の中に風穴を開けて風通しをよくして、ちょっと生きやすくしようっていうのが本当の狙いだ」とあります。

それから30年近くたって、「いつ自分が死んでもおかしくない」という想像力の働く状況がここまで一般的なものになるとは、当時誰も想像していなかったことでしょう。あなたもまた、生きづらい世の中をサヴァイブしていくための基本的な構えを確認しなおしていくべし。

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今週のしし座の運勢

illustration by ニシイズミユカ


伴走と揺籃(ようらん)


今週のしし座は、それまでのしがらみや軋轢から解放されて、真っ逆さまに下へ落ちていくような星回り。

「天皇の白髪にこそ夏の月」(宇多喜代子)は、平成に代が変わった数年後に詠まれた一句。したがって、掲句の「天皇」とは、おそらく作者と同年代である現在の上皇陛下のこと。ふと気付いた白髪を、晴れた空にのぼった夏の月の光の涼やかさがさりげなく輝かせていることに、ふつふつとした思いが湧き上がってきたのでしょう。

闇を照らす静かな光。そこに戦争という昭和の負の遺産を引き継ぎながら、皇太子として、そして天皇として歩んできた長い年月が静かに映し出されているのを感じたのかも知れません。

激動の時代のなかで、天皇という立場を全うせざるを得なかった、特別な、しかし紛れもなく同じひとりの人間である者への、言葉にならない思いが、ここには最低限の言葉で言い表されています。あなたもまた、頭上の月のひかりを静かに照らし返しているような、きっと身の周りにいるだろう「白髪」の持ち主を意識してみるべし。

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今週のおとめ座の運勢

illustration by ニシイズミユカ


間を埋めるのではなく


今週のおとめ座は、見通すべき物事を描き出していくための、自分なりのやり方を模索していくような星回り。

16世紀初頭から江戸時代にかけて、京都の市街(洛中)と郊外(洛外)の景観や風俗を描いた「洛中洛外図」は、橋や衣服、履き物といったディテールは非常に細かく描かれている一方で、絵画全体を見ると大部分が雲で覆われています。

この不思議な構図の裏にあるのは、ある種の意図的な「ごまかし」。つまり、これを描いた画家は、京都の何たるかを要素ごとに分解してそれを一つのまとまりとして再構築するのは不可能だと判断し、ビッグピクチャーとしての京都と、いくつかのディテールを描いて、その繋ぎを「間(ま)」としてごまかしたのでしょう。

しかし、これは「いちいち理屈や根拠がなければ描いてはいけない」というロジックの呪縛から私たちを解放するための知恵でもあって、ビックピクチャーとディティールの往復によって物事を描くとき、そこに必然的に「大局観」と呼ばれるものが浮き上がってくるのです。あなたもまた、そもそも物事を「理解する」とはどういうことか、自分はどう理解しているのか、改めて考えてみるといいでしょう。

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今週のてんびん座の運勢

illustration by ニシイズミユカ


みずからとおのずから


今週のてんびん座は、ここのところ失われていた余白を取り戻していくような星回り。

それはまるで、「家にゐて素足愉しむ日なりけり」(鈴木しげを)のよう。外に出ないで済んだり、靴をはかなくてもいい日はそれだけでうれしいものだが、ステイホームで在宅ワークに追われることも増えてくれば、それはもう「素足愉しむ日」とは言えない。「素足愉しむ」とは、自分が健康でいるのをひそかにふかえって喜ぶ境地であり、そのためには社会的にも、身体的にも、そして精神的ないし霊的にも、それなりの余白があったほうがいい。

思えば、子供の頃に夏休みが無性にうれしかったのは、宿題やらお稽古やらで普段すっかり奪われてしまっていた、圧倒的な余白を取り戻すことができたからだったのではないでしょうか。

自分の足の裏で直接踏みしめる畳や庭の感触を味わってみること。それ以外は、他に何か豪華な物が欲しいわけでもなし。掲句はそんな気分をさりげなく詠んでくれているように思います。あなたも、ぎちぎちに固めたウェルビーイングをすこし遊びをもたせて、ゆるく結びなおしてみるといいでしょう。

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今週のさそり座の運勢

illustration by ニシイズミユカ


しずかに暮らすということ


今週のさそり座は、こころの据わりをただしていくような星回り。

「帰家穏坐」といえば、普通はわが家に帰ってそこに大悟の安息を見出すという意味で使われる禅語なのですが、俳人の種田山頭火はこれをさらに徹底して、自分の故郷はもちろんのこと、わが家さえも捨てたところにこそ「ほんとうの故郷」があると考えました。

「自性を徹見して本地の風光に帰入する、この境地を禅門では「帰家穏坐」と形容する。ここまで到達しなければ、ほんとうの故郷、ほんとうの人間、ほんとうの自分は見出せない。
自分自身にたちかえる、ここから新しい第一歩を踏み出さなければならない。そして歩み続けなければならない」(『山頭火随筆集』)

これは短いエッセイ「故郷」の中の一節なのですが、ここで彼は「近代人は故郷を失いつつある」という認識に立って、「ほんとうの故郷」は「心の故郷」にあるという仕方で、いわば故郷を昇華したのです。あなたもまた、自分が立ち返るべきホームの再設定ということがテーマとなっていきそうです。

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今週のいて座の運勢

illustration by ニシイズミユカ


こみあげるイマージュ


今週のいて座は、境界線の上で感覚と研ぎ澄ませていくような星回り。

「風立ちて月光の坂ひらひらす」(大野林火)は、新居へ引っ越した際に詠まれた一句。ある月夜の晩、不意に坂に風が立った。すると、坂が、白く細長い薄布のようにひらひらとはためくように感じたのだという。月の光というのは、ときにこうした感覚の冴えをもたらしますが、「坂」というロケーションがまた心憎い。

坂とはさかい=境であり、あちらとこちらを分割する仕切り線であると同時に、時に生者の世界と死者の世界をへだてる境界でもあり、そのたもとは、かつては妖怪や怨霊たちが跳梁すると信じられていた魔性の空間でもありました。

掲句を一読して、どこか艶が感じられるのは、月の光とともにひたすらのっぺりと明るい均質感に浸されるようになった近代世界が、にわかにその本来の魔性やカオスや闇を取り戻したからかも知れません。あなたも、さながら魔性のものとなったつもりで都市の境い目をふらついてみるといいでしょう。

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今週のやぎ座の運勢

illustration by ニシイズミユカ


選ばれるんじゃなくて、選ぶんだよ。


今週のやぎ座は、自分を包んでいる何か大いなるものに身を委ねて、お任せするような星回り。

名門ブルーノート・ニューヨークに、日本人ヴォーカリストとして初めて出演したヴォーカリストの鈴木重子さんが、インタビューの中で面白いことを言っていました。彼女は東大卒の秀才としても知られ、少女時代は勉強に明け暮れる日々だったそう。

「私は毎日、明日のために生きていた。明日の試験のために勉強する。明日の何かのためにこれをやる。でも先生たちは、いま音楽をやっているのが幸せと言っておられた。その違いって大きい。こんなに充実して、こんなに生き生きしている人がいるとは思ってもみなかった。それまで私は、今日やりたいことをやって、明日どうするんだろうって思ってたんですよ。「今日やりたいことをやるとハッピーだから、明日もやりたいことができる」っていう循環について考えたことがなかったんですね。それを気付かせてくれたのがこの二人だった」(「weekendインタビュー―MSNピープル」)

彼女はこうして「今後の抱負を考えるより、その日のこと、今この瞬間のことを大事にする生き方」を体得したそうですが、これはアリとキリギリスの寓話のキリギリスのようなその日暮らし的な刹那主義と一見すると似ていますが、実際にはまったく異なります。あなたもまた、この瞬間、瞬間を大切に生きていくなかで、自然に自分のところにやってくるものを受け止めていくべし。

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今週のみずがめ座の運勢

illustration by ニシイズミユカ


無心の訓練


今週のみずがめ座は、さりげなく、深いところに足を踏み入れていくような星回り。

「暗がりに坐れば水の湧くおもひ」(富澤赤黄男)は、日課である早朝の坐行のおりの心境を詠った一句。闇空間に深々と坐る。生活空間の喧噪や、慌ただしい日々における憂慮がしだいに途絶えて、漆黒の宇宙空間に身が沈んでいく。

そんなイメージに浸り始めるや否や、自己も周囲も吹き通しになったような、宇宙大の闇空間全体から、清冽ななにかが噴き上げてきた。ちっぽけな人間である自分を噴出孔にして、あまねく宇宙に充ちている生命の息吹(プネウマ)のようなものが湧き出し、周囲にあふれ、いつの間にかゆったりとそこに安らいでいる自分に気付く。

勝手にその心境を書き連ねれば、おおむねそんなところでしょうか。これは居眠りの最中にみた夢ではなく、あくまで日々の積み重ねのなかで、思いがけずニョッキリ現れてきた体験の深まりであり、きわめて現実的で日常のかたわらにあった風景なのです。あなたもまた、同じように日々の小さな積み重ねのなかで、いかに自身にやすらぎをもたらしていけるかということがテーマとなっていきそうです。

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今週のうお座の運勢

illustration by ニシイズミユカ


いろいろだしてこ


今週のうお座は、ごまかしようのない真実にそっと光を当てていくような星回り。

たとえば、何らかの分野でそれなりの存在感を発揮している専門家というのは、概してみな自意識が強いものですが、大別するとその自意識を隠したいと思って隠せないタイプと、隠さずに自己顕示していくタイプのどちらかに分かれていくように思います。

逆に言えば、自意識がほとんど感じられない「普通の人」然とした顔でい続けられる専門家やその道のプロというのはとっても珍しいのでは。けれど、そうして何でもない顔をして、ごく自然なふうに自らの傷つきやすさや悔恨を垣間見せられる専門家というのは、ひとつの理想形と言えるでしょう。

詩の世界であれば、まどみちおさんや谷川俊太郎さん、短歌であれば俵万智さんなんかは、そのタイプの天才だと思いますが、それらの人に共通しているのは、自分の未熟さに怯えてないような空気感と言えるかも知れません。なぜ、怯えてないんでしょう?何かそこに、いまのうお座の人が思い出していくべき大切なものがある気がします。

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