ライターの高木沙織です。

リアルな世界ではすっかり難しくなってしまった男女の“出会い”ですが、「だからこそ」マッチングアプリに登録をしてメッセージを重ねたり、オンラインデートをしたりと、直接会えなくても積極的に恋愛を楽しむ方が増え続けているようです。

それも、1つのマッチングアプリだけではなく、複数のアプリに登録している人だって今や珍しくない時代。

私? 私もですね、2つめのマッチングアプリに登録をしたのですが、ギラギラ感にあてられて今現在活動休止中です……。

2つめのマッチングアプリに登録した理由

1月の終わりに2つめのマッチングアプリに登録しました。

というのも、マッチングアプリって本当にいろいろな種類があるんですよね。最初に登録したのは恋活、婚活向けのアプリで、新たに登録したのは、もうちょっとカジュアルなデート相手を探すためのアプリとでも言うのでしょうか。目的が違うんです。

では、どうして2つめのアプリに登録したのかというと、前回の話しで少し触れたのですがマッチングアプリをテーマにした小説の連載が決まったことがきっかけ。「素敵な出会いがあったらいいな」と思ってマッチングアプリを始めたら、恋ではなく仕事との出会いをつかんだようです。

ネタ探しのためではない、とは言い切れないところもあるけれど、それだけが目的というわけでもないんです。

それではこのふたつめのマッチングアプリの話に戻りましょう。

超積極的な人たちの嵐に、来る場所間違えた感

まず驚いたのは、アプリの種類・目的によって登録している男性のタイプがまったく異なること。なんというか、ひとつめのアプリではナチュラルで穏やかな方が多かったのに対してふたつめのアプリはギラギラ感がスゴイ!

もうね、プロフィール写真からしてキメッキメなわけですよ。あごを引いて上目使いをしたカワイイ系の写りだったり、反対にあごをクイッと上げた自信に満ちた感じだったり顔の角度や表情もそうだけれど、加工をしている方も多い印象。

ちなみに私のプロフィール写真は振り向きざまの笑顔のものなんですが、完全に負けています……。完全に場所を間違えた感が否めません。メッセージも外見のことばかりに触れてくる方が多くて、恋活・婚活が目的なのと、デートが目的なのとではこうも違うのかと3日くらい尻込みしました。

「さおりさん、すごくお綺麗ですね。見た目がタイプでメッセージをしました」
「すごく可愛いですね、気になったのでメッセージをしました」

多分これ、テンプレートなんだと思う。
もうすでにギラギラ感にあてられてひと休みしたい気分。

そんな中、直近でやり取りをしていたのはひとまわり年上の会社経営者の男性です。

グイグイ系男性多めの中、どうなる?

愛情表現多めvs人間味がない、相反する2人はどうなる?

こちらの彼に興味を持ったのは、自分の好きなもの・嫌いなものを簡潔に羅列したメッセージを送ってきてくれて、面白い人だなと思ったから。さらには嫌いな食べ物がピンポイントで私と同じ。なかなかこれを挙げる人はいない、というか初めて出会ったので嬉しくなって返事をしました。

そんな経緯からメッセージのやり取りが続くようになり……。

会社経営者の彼「暖かくなってきたら車でちょっと遠出をして、公園でデートとかしたいんですよね」
私「素敵ですね」
会社経営者の彼「さおりさんはどんなデートがしてみたいですか? 理想のお付き合いの仕方とかありますか?」
私「本を読むのが好きなので、その側で映画を観たりして過ごしてくれるデートとか。同じ空間で違うことをしていてもいい、みたいなそれぞれの好きなことを尊重し合える関係が理想です」
会社経営者の彼「へー、そうなんだ。さおりさんって今まで出会ったことがないタイプかも。僕は愛情をしっかりと伝えるというか、恋愛も割と激しく熱い感じが多かったんだけれど、さおりさんはどんな感じなの?」
私「私は人間味がないと言われます。だから恋愛も静かな感じというか、なんだか正反対ですね、私たち」
会社経営者の彼「人間味がないって、そういうところにまた魅力を感じるけれどね」

情熱的な恋愛をする彼と、どちらかというと冷静な私。

それからも彼のメッセージは常に肯定的で、物や事に対して“好き”とか“いいね”という言葉をよく使っていて、あー私もこんな風に気持ちを表現出来たらいいなと思うこともありました。正反対だからこそ感じる魅力とか、相性みたいなものってあるんだなーって。

ところが、しばらくすると……。

会社経営者の彼「あー、こういう返事をもらうと抱きしめたくなっちゃうな。ただの願望だけど(私は仕事お疲れ様です、と送っただけ)」とか、読んでいるこちらが恥ずかしくなってしまうような言葉が増えてきて……ごめんなさい! やっぱりダメでした。

もう、恥ずかしくて直視できないがために、スマホの画面を斜めにしてメッセージを読んでいました。

彼とのメッセージの画面を閉じ、気を取り直してほかのメッセージフォルダを開くと

「さおりさん、素敵です」
「さおりさん、タイプです」

例のテンプレートメッセージの羅列……。
そんなギラギラ系に完全にあてられて、現在、活動休止してしまったというわけです。

今回気付いたことは、私はダイレクトな愛情表現よりも、なにかに隠されたちょっと分かりにくい不器用なくらいのほうが好き。ということ、でした。

気付きは大事だけれど、それを受け入れる心の柔軟性が以前よりもなくなってきているような気がしてなりません。

NGばかり増えていく……これで出会えるだろうか?